第44話 魔王を封じる氷

最後の砦でやった方法を再び魔王にも試す。

今回のやり方は魔王が居る闘技場のステージの周囲にグレイの土の魔法で土手を作り

イゾルダさんの氷の魔法で凍らせて補強する。

そして、果歩の湧水のスキルで水を魔王の胸元まで貯めて

イゾルダさんがその水を凍らせて、魔王を動けなくなったところを

俺がハイダッシュを使って魔王に接近、聖剣で首を斬りと落すか

スキルを発動して従属させて負けを認めさせる。


「それじゃ、早速開始!」


俺の声と共に、グレイが土の魔法でステージを囲む、それをイゾルダさんが凍らせる。

魔王は突然の事で最初は理解できなかった様子だったけど、果歩が湧水のスキルで

大量の水が一気に出てくると、何をするか察して土手を球体で攻撃して破壊しようとする。


「水を貯めて溺れさせる気だな」


魔王は水で溺れさせると考えてるみたいだが、どちらにせよ土手を破壊されると

作戦が失敗するので、球体はグレイトとゾルダさんが破壊するが

破壊するとさらに数が増えてキリがない。

しかし、果歩はこれまで全く動いてなかった分力を消費していないので

さらに水量を増やすと、水の勢いに流石の魔王も耐えれれなくなった。


「く、この水量では流石につらいよ……」


魔王が女の子らしく言ったけど、これが魔王の素なのかな。

ただ、今はそんな事よりも水圧に土手も耐えきれなくなってるらしく

所々で水が漏れているが、その部分はイゾルダさんが凍らして補強する。

ただ、水の量が多すぎて、当初の予定よりも水量が増えてしまったため

魔王は何とか顔を自ら出して浮いている状態で、焦ったのか球体をすべて消していた。


「果歩、もういいよ」

「す、すみません、ちょっと多すぎでした……」

「ただ、この状況では魔王も足がつかいみたいで、浮いてるのやっとみたいだ」

「でも、この状態で凍らしたら、魔王も一緒に凍るか、氷に閉じ込めれらない?」

「そのまま封じらればいいけど……無理だよね。

氷に閉じ込めたら、魔王に触れらなくなるかな」


魔王を凍らせて封じるのは流石に無理だろうし、完全に閉じ込めると魔王に触れれないので

イゾルダさんに下の方から凍らせないか聞いてみたけど


「やった事がないのでわかりませんわ」


と答えたけど、果歩は


「水面を凍らせても……スキルで出した水自体は……減らせます……」


と教えてくれたので、水量を減らして凍らせる事にした。


「凍らせまするのは良いのですが、一瞬で凍らせないと魔王を閉じ込められない気がします」

「なんなら、グレイも手伝うのです」

「ロリがここになってデレ期なんて、うれしいわね」

「デレ期ではないです、魔王を倒すためなのです」


2人がデレ期を普通に使っているのが意外であったけど、今はどうでもいい。

果歩が水量を減らしてる間に、2人が同時に凍らせる事にした。


「では、いきますわよ」

「はいなのです」


イゾルダさんの合図で、水を凍らせると同時に水を減らす。

魔王も状況を理解してるが、足がつく深さになるまで何もできないが既に水は凍り始めている。

流石に一瞬で凍らすのは無理で、完全に凍る前に魔王は氷を破壊するが

凍ってくるのでキリがないが、気づいたら足がつく深さになっていた。


「やっと足がついたから、こっちもなにかしないとね」


魔王も足がついた事に安心てたが、水量が減ったと言う事はそれだけ

凍りやすくなったので、魔王は足がついたことによる安堵で隙ができ

気づいたら、周りの氷完全に凍結して厚い氷になり、簡単に破壊する事が出来なくなった。


「く、しまった。こんなに厚くなったら、簡単に壊せないよ」


魔王が慌ててるが、手も氷の中なので動かせない。


「完全に凍ったようですわね」

「人が乗っても大丈夫な厚さなのです」


2人がそう言うので、俺の出番となったが最後なのでルアナさんも

最初の時同様に、一緒に行く事になった。


「博司様はドジですから、わたしもお供します。

わたしが魔王を引き付けているので、今度こそ失敗しないでくださいね」

「わかってるってルアナさん」

「お二人に障壁を纏わせておきましたので」

「ありがとう、ドゥニーズさん」

「周りの球体はグレイが風で飛ばすのです。風によってほんのわずかでも早く魔王の所にいけるのです」

「グレイ、ありがとう」

「わ、わたし……何もできないので……がんばってください」

「わたしもほとんど何もしてなかったけど、今度は決めなさいよ」

「お二人ともご武運を」

「みんな、ありがとう。では、行きますよルアナさん!」

「はい、準備は出来てます!」


俺はルアナさんに再びハイダッシュをかけて、同時に出発する。

魔王も、それに気づくと溺れかけて思わず消した球体を再だすが

グレイの風によって吹き飛ばされる。

俺たちはその風に乗って魔王の元に付くが、氷の上でかつ風のために

最初よりも速度がでたが、溺れ買長けた時に防御も思わず解除してしまったようで

そのまま魔王の元へ来たのだが、氷の上で滑りすぎて止まれなかった。


「しまった、止まれない!」

「博司様、土手の上に一度上りましょう!」

「そ、そうだだ」


俺とルアナさんは一旦、土手に登ってハイダッシュの効果が切れるのを待つ。

効果はあと28秒と2秒しか経ってないが、氷と風で早すぎた。


「止まる事考えたら、ハイダッシュはいらなかったか……」

「仕方がありません。効果が切れるまで待つしかないですね」

「ただ、その間に魔王が氷から出ないかな」

「流石の魔王も胸元まである厚い氷を破壊するのは難儀するでしょう」

「そうかな。どちらかというと、球体の方が問題か」


グレイが吹き飛ばした球体が俺とルアナさんを囲むけど、数は3つ。

高さがあるので剣が届かないが、聖剣を防除形態にして俺とルアナさんを囲むが

それをみてグレイが球体を撃ち落とした様だ。


「球体は撃ち落としましたー!」


グレイの声がして、防御形態を解除するがまだ10秒ある。

そして、魔王の周りの氷にひびが入り始めているが、まさか氷が壊されるのか。


「博司様あと、5秒です!3、2、1、効果が切れました!」


ルアナさんが効果が切れた事を確認すると同時に、氷がバリバリと音して

表面の氷少し割れたのであった。


「よし、少し身体が動かせる!」


魔王がそう言うのが聞こえてので、俺とルアナさんは氷の上を滑って

魔王の所へ向かうが、ルアナさんはうまくバランスが取れるが

俺はすぐに転んでしまって、腹ばいで氷の上を魔王に向かって滑って行ったが

魔王の数m手間で止まった。


「お先に行きます!」


ルアナさんは感心するぐらい来ように滑って、魔王の元へ着く。


「魔王覚悟!」


ルアナさんがそう言うと、魔王は球体を出すと同時に、ルアナさんを攻撃する。


「し、しまった」


ルアナさんは慌てるが、球体から発射された弾はドゥニーズの防壁で護れてたが

それでも、衝撃があったらしく痛みを堪えているが、それでもルアナさんは剣を振るが

ルアナさんの剣は氷を叩いていた。


「あ、あぶかった……」


氷の上を匍匐前進しながら魔王に近づいたら、ぼそっと言うのが聞こえた。


「ル、ルアナさん大丈夫ですか?」

「障壁がなかったらやれていました……。ただ、衝撃で痛みがあります……」

「ルアナさんは皆の元に戻ってください」

「わ、わかりました……」


飛んでいた球体はグレイがまた撃ち落としてくれたので、その隙にルアナさんは皆の元に戻り、俺は1人で魔王と対峙するのであった。

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