第27-1話 峠の戦い その1

魔王軍の位置を確かめるため、アオとアカを偵察に出すたすぐにアオは戻って来た。


「ご主人、敵はこの辺りまできてるぜ」


アオが地図をくちばしで示すが、どうやら峠道の半分ほどまで来てるらしい。

アカは駐屯地の方へ飛んで行ったが、瘴気が濃いためギリギリみたいだが

俺たちのために飛んで行った。


「あの…ここから水を流せば…谷底に流れますよね…」


果歩が地図を指さすが、詰所の辺りから流せば谷底に流し落す事が可能だ。


「それじゃ、ギリギリまで引き付けて出来るだけ多くの兵を流して落そう」

「はい…」


果歩のスキルは水の量が多ければ多いほど、時間がかかるそうだ。

なので、敵の位置を掴んで、タイミングよく発動しないとならない。

そうなると、先頭の敵が見えるぐらいに発動しないとならない。

早すぎると効果が薄いし、遅すぎると果歩がやられてしまう。

ただ、地形を見るとやや早くても切通が続くので効果はありそうだ。


「それじゃ、果歩頼む」

「はい…」

「ほっほっほっ、わたくしの氷の魔法のすごさをロリっ子見える時が来ましたわ」

「博司様、魔族より先いにこっちを燃やしていいですか?」

「2人とも時間がないからささと行く!」

「わかったのです」

「ああ、博司様の叱責、なんて快感なんだろう」

「イゾルダさん…行きましょうね…」

「果歩様は冷たいでわ…」


なるほど、イゾルダさんは逆に普通に扱う方がいいのか。

あと、ファイエットさんも弓で支援してもらうが、マチルダさんのスキルを

矢にかけても大丈夫なんだろうが。


「流石に魔族だと、触れただけでもダメじゃないの?」

「で、でも、それならば矢で倒せるんですよね?」

「2,3は当てないと駄目だけど、倒せるわ。ここで矢を使いすぎると困るでしょ?」

「矢筒1つに30本は入ってますが、20個持って来たので…600本あります」

「流石に後に残しておいて欲しわ。とりあえず1本にかけて試しにさわってみましょう」

「わ、わかりました」


マチルダさんが矢にスキルを発動させて、おそるおそるファイエットさんが

触れるが何ともなかった。


「な、なんか大丈夫です」

「おかしいわね、矢に触れただけでも大きなダメージを与えたけど…今は気にしないわ」

「博司様、音が聞こえてきましたのでそろそろ来ます」

「わかった。それじゃ、皆行こう」

「そうね」

「はい」


俺たちも果歩の元へ向かったが、果歩はスキルを発動し始めた。

果歩のLV300であるが、LV200でスキルをマスターしたそうだが

100LVアップするごとに消費魔力が減っていくそうだ。


「部隊の先頭が見えきました」


もっとも眼が良いファイエットさんが高い所に登って確認するが、俺の目でも

先頭の車を牽くモンスターの姿と車…というか屋根のない荷車に兵を乗せている。


「水を流すのはもう少し引き付けてください」


ファイエットさんがそう言うが、音と振動を感じて恐怖を覚えてしまう。

ただ、慌てては駄目だ、出来るだけ引き付けて敵に多くの被害を出すのだから。


「よし、見えたぞ。魔法を放て!」


先頭の兵の声が聞こたが、それと同時に炎の玉が飛んできたが

全てドゥニーズの防壁で防がれた。

そして、防壁を解除すると、先頭は30mぐらいまで迫っていたが

果歩がスキルを発動すると、地面から大量の水が流れ出したと思ったら

道が一瞬で川になったのであった。


「た、たい…」


退避とと言い終わる前に先頭の車は水に飲まれるが、後続の車も急に止まれず

前の車に衝突したところに、大水が襲ってきて次々に流されて深い谷底に落ちていく。

車の大部分は切通部分に差し掛かっていたので、かなりの効果が見込めるが

アオに後続を確認してもらったが、3台ほどが残っていたそうだ。


「何台来たか知らないが、登って来たのは大体流れたようだぜ」

「それは良かった」

「ただ、残った連中もなかなかの数だぜ」

「1台どれぐらいかわかるいかな?」

「俺は数があまり数えらないが、1つ30ははいるぜ」

「確か、1班6人=1小隊で、5小隊が1中隊で5中隊が一大隊だから

って数えるのは後々、1台1中隊とも思えばいいや」


俺たちが残った兵たちを迎え撃とうとしたら、アカが戻ってきたがヘトヘトだった。


「ご主人、帰ってきたわ…」

「アカ、大丈夫か?」

「大丈夫じゃないわ。峠の向こうはやっぱり瘴気が濃すぎ…ってそれはいいわ。

見てきた事を話すわ」


アカは見て来た事を話すと、次の部隊がまた峠を登り始めてるそうだ。

位地ははっきりわからないが、少なくとも増援がくるのは間違いない。


「ありがとう、アカ。休んでくれ」

「わかったわ」

「アカ、こっちへ来いよ」

「アオのこういう所が好きよ」

「やめろよ、皆がみてるぜ」


アオとアカは何時もの調子でいるが、アカはかなりふらふらして

後方の安全な場所へ力を振り絞って飛んで行った。


「残りの敵もそろそろ来ますよ」


ファイエットさんが教えてくれたが、まともにぶつかると不利であるが

防壁だとこちらからも攻撃ができないのでグレイの魔法で障害物を設置する。


「グレイ、土の魔法で道にいくつか土を盛ってくれ」

「わかったのです」


グレイはで道に高さ2mぐらいの土を盛り障害物となる土塁をいくつか作る。

さっきは水を流すため障害物を設けられなかったが、これで車の侵入を防げる。

さらにイゾルダさんの氷の魔法で土塁を凍らせて、滑って上りにくくして

さらに強度もました。


「変態の割に、気が利くのですね」

「伊達に魔王軍と戦っていませんわ」

「ありがとなのです」


っとグレイと素直にお礼を言うと


「お礼を言われますと逆に気持ち悪いですわ。わたくしは責められるが好きですわ」


っと言ってはいるが、顔は喜んでいた。


「後ろにいた車が来ました!」


ファイエットさんがそう言うと、再び音が聞こえてた来たが

車は土塁を見て、車を止めてたてまた魔法で炎の球を投げてきたが

これもドゥニーズが全て防ぐ。

魔法が効果がないみるとや、今度は兵が一斉に降りてくる。


 それを見ると、グレイが炎の魔法で炎の玉を大量にだし、敵めげて放つが

イゾルダさんも氷の魔法で氷の矢を大量に飛ばすと、次々と兵士が倒れていく。

しかし、これで倒れるだけで、すぐに立ち上がり土塁を超えようとするが

氷で上手く越えられない。

戸惑っている所、ファイエットさんが矢を射り、仕留めてていくが

それでも土塁を超えてこちらへ向かってきた。


「よし、俺たちの騎士の出番だ」

「俺も続きます」


騎士5人とルアナさん、マチルダさんが迎え撃つが、俺もただ後の続いて

兵士を迎え撃つが、兵士だけあってなかなか強い。

それでも、俺の剣の当たると一撃で相手を仕留められたが、兵士1人を

相手しただけでも息が上がる始末であった。


「はぁはぁ、モンスターと戦ってはいたけど、兵士と戦うとこんなに疲れるんだ…」

「博司様、1人と戦ってこれでは足を引っ張らないでくださいよ」


メイさんに話しかけれたが、メイさんは全く息が上がっていない。


「む、無理はしません…」

「博司様、また来ましたよ」

「は、はい…」


俺は再び、迎撃するが相手の攻撃を受けるのが精いっぱい。

剣は重さを感じないが、なんか息苦しいが瘴気の影響もあるみたいだ。

何とか剣を振るが、剣の稽古は受けているが実質我流と変わらない。

モンスター相手ならいいが、下っ端の兵とはいえプロの兵士相手となると通じない。


「博司様!伏せてください!」


グレイの声がしたので、伏せると炎が兵の顔にあたりよろけた所を俺が斬りつける。


「これで2人目…ありがとうグレイ」

「いいのですよ」


グレイは親指をあげるが、どうもこの世界でも同じらしいが

もし意味が違ったら困るのでメイさんに聞くが、同じだったので俺も親指をあげる。


「あ、あの…私はもう無理です…」


同行の魔術師の一人が魔力切れ…ではなく、魔力を消費したら

瘴気の影響がでたようで、魔石を見たらオレンジの横線になっていった。


「グレイ、ヒールで回復して車で休ませてくれ」

「わかったのです」


敵もほぼ倒したので、グレイに魔術師を車へ連れて行ってもらう。

土塁を超えて来た兵は70人ほどであったが、騎士5人とマチルダさんのスキルを

使ったのもあるが数の差を考えると、結構楽に全員倒した。

俺は2人相手をしただけでだったけど…。

騎士が5人居ると、これだけの人数相手をした後でも余裕がある。

仕留めた人数を数えるが、全部で90人なので20人がファイエットさんが

仕留めたが、矢の残りが少ないので急いで車に矢筒を取に向かった。

次の部隊が来ているが、駐屯地から峠の上までは2時はかかるがようだが

日の高さを見ると、戦っていた時間は大体1時間。

なので、あと1時間もすれば次の敵がくる。

数がどれぐらいかわからないが、数百はいるだろうな。


「果歩、またスキル使える?」


俺が果歩に聞くと


「魔力はまだ残っていますが…出せる水の量は1回目より減ります…」

「大体どれぐらいになる?」

「先ほどのの8割ぐらいは出せますが…魔力を使いすぎると動けなくなるので…

余裕を見るとやはり半分です…」

「半分でも、坂道だから勢いは増すから大丈夫と思うよ」

「そうですね…ありがとうございます」


果歩は礼を言うが、少し疲れている様だ。

果歩のスキルは魔力を多く使うが、元々そこまで体力がないので大変だそうだ。


「博司様、ただいいまなのです」


グレイが戻ってきたが、同行の魔術師はヒールをかけたらよくはなったが

魔石の色はオレンジの横線なので、あまり状態は良くないので戦いが終わったら

街へ戻った方が良いだろう。

あと、果歩のスキルをまた使うので魔法で作った土塁を片付けて貰ったが

イゾルダさんの魔法の効果も、グレイにとっては関係ないそうだ。


「グレイはすごいんだな」

「あの変態の魔法はグレイからしたら、大した事ないのです」


グレイがえっへんとか言う感じで、胸を張るが褒められるのはうれしようだ。


「お待たせしました。今度は矢筒を3つもってきました」


ファイエットさんも戻ってきたが、今度は矢筒を3つ持って来た。


「敵が多いから仕方がないけど、ここでそんなに消費していいのかな?」

「仕方たがありません。パスの街に知り合いがいますので、そこで追加できると思います」

「なら大丈夫かな」

「はい。わたしの矢は百発百中ですから」


ファイエットさんが自信を持つが、さっき確認したと外れた矢がなく

最初に使った矢筒の矢の残りは7本なので、30本入りと言う事を考えると

本当に百発百中で、魔族一の弓の名手というのは間違いないな。


「まだ、見える所までは来てなせん」


ファイエットさんがさっきと同じ場所へ登るが、まだ見えないそうだ。

それならばっと、少し気を抜いたら…なにかゆっくり飛んで来たが、

小型の鳥…というよりも形状から蜂であるが、蜂と言っても15㎝ぐらい

あって明らかに変。

ドローンはオスの蜂という意味もあったけど…まさか、ドローンなのか。

真央領来てから虫をみてないのに虫が居る事じたいがは変だから

きっとドローンと言ってもいいかもしれない。


「マチルダさん!ドローンが居ますよ!」


俺がそう言うと


「この世界にドローンなんてないでしょ」

「飛んでいる大きな蜂みたいのがドローンです!」


俺がそう言うと、意味が分かって蜂に気づくが、蜂はマチルダさんたちが

集まる近くで動きを止めてその場にとどまる。


「ドゥニーズさん、飛んでいる物の障壁で完全に囲ってください!

後、みんな伏せて!」


俺がドゥニーズさんいうと、意味がわかったらしくすぐに防壁を張ると

同時に蜂が爆発した。

防壁はギリギリまにあったが展開が不完全で、上部が完全に

塞がれてなかったものの、爆風と煙は上部に逃げたため助かった。

ただ、爆発によって地面がえぐられて、小石大になってパラパラと降り注ぐ。

俺以外は頭を守る物があるが、俺はないので頭をしっかり守るけど

やっぱり頭を守る物を被った方がいいかな…。


「す、すごい音がしましたが、だ、大丈夫ですか?」


ファイエットさんが降りてきたが、ファイエットさんは大丈夫だったようだ。


「防壁を張ったから助かったけど、虫が居たと思ったら、爆発した…。

これが何なのかわかります?」

「もしかして、新しく開発した武器かもしれませんが、わたしにはわかりません」

「そうですか」

「魔王軍の武器はお父さんでも判らないと思います…」

「構いませんよ。ただ、こういうもがあると言う事がわかってよかったです」

「はい、わかりりました。そろそろまた兵が来るので戻ります」


ファイエットさんは再び元の場所に戻るが、まだ煙が血込めて煙で前がみえないが

音が聞こえて来たので魔王軍の車は近くまで来ている様だ。


「かすか車が見えました!」


とファイエットさんが伝えてる、俺たちは再び戦闘の準備に着くのであった。

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