第21話 2人の騎士

食事が終えのんびりしたいところだけど、明日の話し合いのため俺の部屋に皆が集まる。

ただ、ドゥニーズさんは出されたお酒で泥酔してて、話せる状態じゃないので欠席。

明日、砦の偵察に行くのメンバーを決めるが、軍事的な事がわからないので騎士2人は行く事が決まっている。


「どうも、騎士のオーガストです」

「同じく、騎士のメイですよろしくお願いします」


騎士のオーガストさんとメイさん親戚であるそだけど、苗字から何となくわかる。

2人とも騎士であるが、偵察や分析が得意というので助かる。


「地図を拝見しましたが、教えられた位置の地形だと峠のサミットなので、

果歩様のスキルで押し流すと言う事は出来ませんね」


オーガストさんの分析では砦が建設されている場所は峠の頂上になるそうだ。

そうなると、水を流したら自分達の方へ来てしまうので、果歩のスキルは使えない。

ただ、あくまでも地図上であり、実際の地形を見ないとわからないそうだ。

なので、今回の偵察はかなり重要となるとの事。


「偵察するにも、敵に見つからないようにしないといけませんね」

「そうですね。地形を見ると街道の峠道よりも高い位置から見渡せる場所があるようです」


メイさんが街道から伸びる点線をさすが、これは小道と言う事らしい。

その小道は街道の峠より高い位置にあるので、ここから偵察をすればいいとのこと。

ただ、この道が何のためにあるかはわからない。

あと、地図の表記から小道であるが、ほぼ使われていない道だと思われるそうだ。


「この道が通れるかはわかりません」

「確かにそうですね。ただ、ジェルダンさんが案内してくれるそうなので」

「私はあの魔族は正直、信用できないのですが」

「メイさん、気持ちはわかるけど、ここは信じて協力してもらわないと」

「それはわかりますが」

「この際だから、利用するだけ利用して、裏切るならば倒せばいいと思います」


俺の言葉を聞いて、メイさんが意外そうたが、すぐに笑い出した。


「博司様がそのような事をおっしゃるのですね。伝え聞いてる話では、先代の勇者のミナホ様とミライ様は無駄な戦いはするなとおっしゃっていたそうなので、意外です」

「そ、そうですか?」


今度は俺の方が戸惑うが、考えてみたら平和な日本から来た事を思うと変かも。

でも、戦いに来た以上、綺麗後を言ってる場合でもないと思うし。


「もちろん、無駄な戦いはしませんが、自分の命がかかわる時は戦いますよ」

「そうですが、それを聞いて安心しました。私達は博司様…いえ、勇者様達に安心してついて行きます」

「ありがとうございます」


何かわからないが、信用を得たようだ。

お二人とは初めて話すけど、騎士だって礼儀は正しいか

道義に反したら主人でも殺すイメージがある。

実際にそうでなくても、信用されること自体はいい事だけど。


「では、また明日お願いします」

「了解します、では我々はこれで失礼します」


騎士2人は例をして部屋を出て行った。


「やはり、騎士は違いますね」


ルアナさんが関心している。


「どうちがうの?」


ルアナに質問すると


「表情は普通でしたが、殺気がすごかったですよ。博司様の言葉を聞いた後は、そうでもなかったですが」

「そ、そうなの?」

「はい。場合によっては剣を抜くつもりでしたよ」


2人は帯剣していたが、騎士であるので眠り時でも剣は身につけると言ってたが

これは相手が例え主でもあって、いつでやれるという意味があるらしい。

逆を言えば、俺達はまだ完全に信用されいないと言う事らしい。

本当に忠義を尽くせる主なら、帯剣はしないそうだ。


「そ、そういうことなのか」

「はい。流石にこの場で斬る事はないと思いますが、脅しで剣を抜いてもおかしくはなかったです」

「といことは、あの答えがよかったのか」

「そう言う事になりますね」


俺は本音を言ったまでだけど、それが良かったようだ。

あとから記述を調べたが、先代の勇者は騎士とは意見が合わずよく喧嘩したとあったので

たとえ敵でも、無駄な戦いをしないと言うのは騎士としてら納得できないらしい。

魔王を討伐に来て、敵と太太わないと言うのは、騎士としては納得できなかったんだろな。


「それはともかく、行く人数は絞った方がいいと思う」


初めは総勢9人で行くつもりであったが、人数が多いと露見しやすいのでやっぱり少ない方がいいかもしれれない。

とりあえず、俺は行くとして万が一の事を考えて、ヒーラーで戦えるグレイには来てもらう。

騎士2人もはずせないけど、4人なら丁度いいかな。


「あ、あの…わたしも行きます」


果歩が名乗り出るが、意外だった。


「果歩が自分から名乗り出るなんて意外だわ」

「確かに、果歩様が自ら名乗るでのはいがいですわね」


マチルダさんとイゾルダさんも意外と言っている。


「スキルが使えるか…直接地形を見ておきたいです…」


確かに、果歩が直接見ておいた方がいいとは思うけど

作戦は騎士2人に協力してもらうので直接見たいと

珍しくかたくななので、果歩も行く事になった。


「果歩様がいくのでしたら、グレイは行かないのです」


果歩が行くと言ったらグレイが辞退したが、人数が少ない方がいいけど

グレイもいてくれた方が何かと安心だと思うので、来てくれと頼んだら


「博司様がそこまで言うなら行きますよ」


っと今度はドヤってなったが、俺に頼まれて嬉しそうだな。


「明日、偵察に行くメンバーがきまったので、今日は解散かな」

「では、おやすみなさい」

「「おやすみなさい」」


皆が自分の部屋に戻いっていたが…何故かグレイが残った。


「グレイ、俺と一緒に居たいのか」


っと嬢打を言うと


「そ、そんなわけないです。寂しいなんて言わないのですよ」


っとなんか慌てるが、グレイも寂しいのか。


「本当は寂しいだろ」


っと俺が言うよ


「グレイはルアナさんと色ボケ魔術師が一緒なので、寂しくはないです。

本当に寂しいのは博司様の方でなのです」


流石グレイ、俺の事わかっている。

ただ、ここで寂しと答えるほど、俺も素直ではない。


「おいおい、17の男が夜1人で寝るのが寂しい訳じゃないぞ。実際、王都では1人で寝たしな」

「博司様の性格だから、はっきりと言わないいのです。

召喚されて1週間は寂しくて枕を濡らしていたにちがいないのです」

「そ、それは」


流石に1週間も枕を濡らす事はなかったが…3日ほど枕を濡らしてましたよ。

いや、実際に泣いた訳じゃないが、慣れない世界にきて不安で眠れなかったのは確か。

ただ、3日も経てば平気になったけど。


「図星ですか?」

「はっきりいうが、初めの寂しかったよ。でも、3日もすれな慣れた。

グレイこそ、さっきなぜ一旦辞退したんだ?」

「単純に人数が多いからなのですよ。べ、別に博司様に引き留めて欲しくて、い、言った訳じゃないのですよ」


グレイが古いテンプレのツンデレになるが、引き留めて欲しかったんだな。

グレイも本音は俺と一緒に居たいのだろうか。

俺としても、気がるに話せるからグレイが一緒にいるほうがいいし。


「ところで、果歩様と博司様は仲が良いように見えるのですが、まさかたった数日でそんな仲になったのです?」


グレイがこんな事を聞いて来たが、もちろんそんな仲にはなっていない。

勇者である事の他に、同じ日本人だからなだけだ。


「いや、同じ国の出身だからだぞ」

「それだけなのです?」

「それだけだぞ」

「わかったのです。では、グレインも寝るのです。おやすみなのです」

「ああ、おやすみ」


グレイは俺の答えを聞くと、そう言って部屋を出て行ったが何だったのだろう。

俺はグレイがなぜあんなことを聞いかわからなかったが、部屋を出ていく時に

ちらっと見えたグレイの顔は笑っていたのであった。

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