第23話 ジュルダン
ヒロシ様たちと別れて、私は砦の建設現場へ向かう。
ヒロシ様は色々言ってましたが結局は私を信用してくれているようですが、
騎士の2人は信用して欲しいと言っても、お立場などから無理でしょう。
お二人に信じてもらうには、行動で示すのが一番です。
先ほど言った事は本当の事なので、問題はありません。
「車が来ますよ」
「あれは街の長の車だな、隊長に伝えてくる」
監視の兵が私の車に気づいたようで、責任者の所へ向かったようです。
車が現場の近くまでくると、監視の兵と責任者に止められます。
「これはこれはデュラン殿、本日はどのようなご用件で」
「違法な事が行わられてないか、確かめに来ました」
「そうですか。もちろん、そのような事は行っておりませんので」
「してる側がしてるとはいいませんので、街の者に話を聞かせていただきます」
「おっしゃるどおりですね。では、ご一緒します」
「監視する者がおりましたら、本当の事を言いませんので私だけで話を聞きます」
「確かにそうですね。では、ご自由に」
兵士たちは邪魔をしないが、邪魔をしたら首が飛ぶのは兵士の方。
なので、簡単に言う事を聞いてくれる。
魔王城に紙1枚を出せば兵士の首を飛ばす事が出来る。
200年前に先代魔王を倒す事に協力をしたが、その時から力関係が変わっている。
現魔王になってからはこちらの意見がとおりやすくなったが、以前ほどではないしろ
それでもまだまだ下に見られていいる。
しかし、兵士に関しては差別や侮蔑をすれば、自分の首が飛ぶので
本音はどうあれ、表向きは先ほどの様に振舞っています。
「ジュルダンさん、こんにちは」
私を見つけた作業員のリーダーのメルヴィルが挨拶をするが、探す手間が省けました。
「メルヴィル、こんにちは丁度話したい事がありましたので、人がいない所へ行きましょう」
メルヴィルと物陰に行くと、私が来た理由を話した。
「そうですか、わかりました。休憩時間は間もなくになります。
休憩中はこの先にある寝泊まりしているあの小屋で休みます」
メルヴィルは複数の小屋がある方を指さすが、小屋の位置では大水を流したら
一緒に流されてしまう場所であった。
「これでは大水を流すのは無理ですね…」
「はい。なので、兵を倒して突破をするしかないかと思います」
「わかりました。そうなると、高速の車を使うしかないですね」
「ただ、ここを下った所に駐屯地がありますので、突破した後の事考えないいけないです。
あと、そこから監視役の兵が来ています」
「規模はわかりますか?」
「峠の下に行くのは制限されいますが、行く理由自体がありませので行く事はないです。
ただ、兵士が『車とはいえ、こんな道昇り降りするのは面倒だ』と言ってました。
また、砦の兵はその駐屯地から移すと話しているのが聞こえましたので、それなりの規模だと思います」
「わかりました、ありがとうございます」
中々いい情報を聞き出す事が出来ましたね、これは収穫です。
私がメルヴィルと話してると鐘が鳴ったが、これが休憩の合図だそうです。
この音ならば谷間で反響してある程度遠くまで聞こえるはず。
この鐘を合図にして、突破を行えばよいが、それでも合図の言葉を
決めておいて、道を開けるた方が確実なはず。
「確実に道を空ける言葉を決めておきましょう」
「何か良い言葉はありますか?」
「『水を飲む』はどうですか?」
「そうですね、それなら休憩時でもそこまで不自然ではないですね」
「では、鐘が鳴ったらその言葉を合図にして、道を空ける下さい。実行日また後日お伝えします」
「わかりました。皆に伝えておきます」
「では、頼みます」
私はメルヴィルに伝え、この場を去る。
また、地形も確認しましたが、砦は峠道の頂上部の平な場所に建設されており
地形的にも果歩様のスキルを使うのを無理な事を確認する。
「ところで監視の兵は何時も6人しかおりませんが、これだけですか?」
私が兵に関して質問すると
「兵は小屋の辺りの曲がった道の先に詰所があり、夜間6人待機しいますね。朝と夕方に交代人員が来ます」
峠を下り始めてすぐの曲がった先にも平場があり、そこに詰所があるそうだ。
監視兵は6人であるが、脱走や峠を下ってスパイ行為をしないようにやはり別に兵がいるそうだ。
ただ。この情報もかなりの収穫ですね。
「メルヴィル、ありがとうございます。これで、良い土産を持って帰れます」
「どうたいしまして。兵は表向きはいい顔をしてますが、やつらは下級魔族を下に見てますので、油断しないでくださいよジュルダンさん」
「わかりました。では、わたくはこれで失礼します」
私はメルヴィルとの話を終えて、車に戻る事にする。
車に戻ろう時、監視の兵がまた腰を低くして話の結果を聞きに来た。
「お話はお済になられましたか?」
「はい、話は聞かせていただきました。問題は無く安心しましたが、また抜き打ちで訪れます」
「それは良かったです。では、お気をつけてお帰りください」
兵士たちは私を見送るが、兵士たちは計画に感づいていなければ良いのですが。
私は博司様たちの元に戻り、合図になる言葉を決めて来たと話す。
また、地形からして、砦に関しては真帆様のスキルは使えないが、峠を下った先の
駐屯地がある事もわかった事もお伝えしました。
「そうですが、ありがとうございます。あとは実行日を決めるだけですね」
「実行日には私が再び訪れると、お伝えしておきました」
「ありがとうございます。では、街に戻って作戦を考えましょう」
「そうですね。では戻りましょう」
博司様と騎士2人も車に乗り込みますあ、待っている間に果歩様も良くなったそうです。
あと、この場所でも鐘の音が聞こえたので、鐘の音は結構遠くまで聞こえそうです。
なので、作戦はやりやすいかもしれません。
「ジュルダンさん、今日はありがとうございます」
「まだ信用した訳ではないが、今回の事に関しては礼をする」
「ご協力ありがとうございます」
2人の騎士が礼をいったことが驚きですが、騎士の2人に信用してもらえたようです。まだ完全に信用してもらった訳ではないようですが、騎士が少しであっても魔族を
信用していただいただけでも十分です。
そして、帰りの車の中は行きよりも空気が和らいでいたのでありました。
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