第16話 姉と妹

 扉が開くとマチルダさんと一緒にいる女性は先ほど同行者の1人として

紹介されたハーフエルフのドゥニーズさんである。

背が高く、胸が大きくてお姉さんタイプで優しそうな感じの女性。

中に入ると、俺とグレイとは初対面なので自己紹介をする。


「皆様、こんばんはです。本日到着しました博司様とグレイさんがおられますので

自己紹介をしますね、ドゥニーズと申します。

ハーフエルフでが、人間の母に育てられましたので、普通の人間とほとんど変わりありませんので、よろしくお願いします」


人間の母親に育てられたハーフエルフっという事は、くウィルダさんのお姉さんかな。

お姉さんはウィルダさんはお姉さんは正反対で背が高く、胸も大きいと言っていたが

正直に言うと、俺の好みです。


「本日はやっと到着しました、博司様とグレイさんがおられるのでこちらにお邪魔させていただきました。お二人の事は妹からの手紙で読んでいおります」

「ウィルダさんのお姉さんでしたか、よろしくお願いします」

「グレイもよろしくお願いしますのです」

「手紙によると、なかなか面白い事をおやりのようで」


俺はドゥニーズさんにトイレの話をすると


「つまり、果歩様がお造りになった小屋と同じものですが」

「そうなんですか?」


それを聞いて果歩が


「はい…博司さんほどちゃんとした物ではないのですが、簡易的な物を造りました…」

「それなら後で見せてくれないかな?」

「はい…食事の後にでも…」


食事の後に果歩にトイレを教えてもらうなったが、簡易的であろうとどんなものかは気になる。


「妹の手紙に書いてあった通り、トイレという物ににこだわるのですね。ただ、手がに素晴らしい物だととあったので、私も気になるところでありますので、後でお話をお聞かせくださいね」

「はい、わかりました」


そろそろ食事なのでトレイの話は後にして、色々話してたら食事が運ばれてきた。

野営地と言っても、食事はしっかりしたものであるが、勇者と従者では少し差がある。

ただ、果歩は量が多くて食べきれないため、マチルダさんに食べて貰っているそうだが、今日は皆に分けている。

また、マチルダさんもいつもと違うので、食べたい物を交換してもらっている。

なので、俺もと言いたいが…同じ物のせいか、皆から要らないと言われたが

グレイが耳元でそっと


「博司様は皆さんより食べるので、気を気を使ってくれているのですよ」


と言ってくれたが、17歳の食べ盛りでは正直、量が少ないぐらい。

ただ、食糧事情もあまりよくない状況で、俺達に優先して回してくれてるそうなのでありがたく頂きます。


「ところで、お酒はないのですか?」


ドゥニーズさんがお酒がないと物足りない感じで聞く。

ファンタジーで世界なので飲酒年齢が制限されている訳ではないと思うが、俺もグレイも飲酒はしない。

果歩ももちろんしないし、ルアナも飲酒はしないそうだ。

マチルダさんは飲まない事もないが、やっぱり飲まない。

イゾルダさんはお酒はダメなので飲まないと言う事だ。


「皆さん、お酒はお飲みならないのですね。グレイさん以外はお飲みなってもおかしくない年齢なんですがね」

「俺達の国は20歳にならないと飲めないのものあって、飲みません」

「わたしも…博司さんと同じです」

「わたしは飲まない事もないけど、基本的に飲まないわ」

「そうなんですね。それならしかたがありません」

「ドゥニーズさんはお酒が好きなのですか?」

「はい、好きです」


ドゥニーズはウィルダさんの作るワインが好きだと言うが、ウィルダさんがワインを造るようになったのはドゥニーズさんのためとの事。

ウィルダさんは趣味で作っていると言ってたが、実際はドゥニーズの酒代が凄い事に

なったので「だったら、僕が造るよ」と言って、研究もかねて作り始めたそうだ。


「ウィルダは研究好きですので、すぐに作ってくれました」

「お酒は自由に作ってもいいのですが?」

「売らなけば作っても構いません。ただ、あまり作りすぎると、闇で売ると疑われてので、ワインは5樽までぐらいに抑えてます」

「そうなんですね」

「正直、5樽程度では1人で飲んでも3か月しか持ちませんので」


ワインの1樽でどれぐらい持つかわからないが、きっと数十本のワインになると思うので

それを3か月で呑み切るってドゥニーズさんってすごいお酒を飲むのか…。


「ただ、従軍してからは抑えて、飲まない日もあります」

「そうなんでうすね」


軍でもお酒の支給はなくはにが、やっぱり貴重らしいので我慢してるそうだ。

逆に言うと、お酒を飲みたいから早く魔王を倒すため従軍したらしい。

また、魔王軍が居た時は結界内でウィルダさんと隠れてはいたが、こっそり魔王軍のお酒を拝借したと話してる。


「魔王軍のお酒もウィルダに負けないお酒でした。魔王領に入ったら、ぜひまたた頂きたいです」


魔王軍もお酒を造っているのは気になるけど、ドゥニーズは「お酒の為に動く」って自分で言ってるほど、お酒が大好きな事だけはわかった。


「ウィルダさんはお酒を飲むのですか?」

「ウィルダはお酒を飲むと研究が出来ないので、普段は飲みません。ただ、飲む時はわたくし以上に飲みますので、ウィルダと飲むと5樽なんてあっという間になくなるます」


どうやら、ウィルダさんはドゥニーズさん以上にお酒を飲むようだ。

さらにウィルダさんは大食いでもあるらしいが、あの身体のどこに入るのか気になる。


「意外な話が聞けて良かったです」

「いえいえ、ウィルダはあんな性格ですが、実はかなりかわいいんですよ」


ドゥニーズは色々話を聞かせてくれたが、ウィルダさんの名誉のためにあえて伏せておく。


 食事を食べ終わると、話題はトイレの話になる。

ドゥニーズさんはウィルダさんからトイレを造った事を手紙で知ったそうだけど

それを聞いて果歩が驚いていた。


「博司さん…どんなトイレを造ったんですか?」


果歩にちゃんとまで便器を作った事を教えると、果歩が驚いていた。


「そんなしっかりした物を造ったのですか…」

「俺はアウトドア好きの親父と登山やキャンプに行ったから、少し知識があったからね」

「妹も博司様のトイレが気に入って、小屋にも作ってそうです」

「自分の小屋にも欲しいと言ってましたが、完成したのですね」

「ええ、トイレだと片付けがなく楽なうえに、部屋の中も匂わないのと書いてありました」


おまるだといちいち片づけたり、出した物を捨てないとならなうえに

部屋の中が匂うという問題があったが、トイレならばひとまずそれはない。

トイレ内は匂うかもしれないが、おがくずで匂いはかなり軽減されるらしいし。


「あと、出した物は肥料にするそうですね」

「はい。俺の国では数十年前までは主流だったらしい」

「そうなのですね。元々モンスターや家畜の物で作っていたそうですが。人間の物ででも出来るのですね」


ドゥニーズさんはウィルダさんが農学者だったため、抵抗はないそうだけど

ルアナさんとイゾルダさんはちょっと抵抗を感じていた。


「他人の出した物で食べ物を育てるのは、なんかいわですわね」

「俺もなんか嫌だけど、考えてみたらモンスターや家畜の物で作ってるんだから同じかな」

「ただ、知ってる人が出した物って思うと…いけません、グレイさんが出した物を食べると思うと、やはり興奮しまわ」

「だからその言い方は…」

「博司様、あの変態女を燃やしていいですか?」


グレイが指先から炎を出すが、どうも「燃やす」はグレイが本当に怒っている時みたいだな。

気持ちはわからなくないけど、流石に止める。


「気持ちは何となくわかるが、流石に魔王を倒す戦力なのでそれまでは燃やさないでくれ」

「倒せば燃やしてもいいのですね」

「俺の言い方が悪かった、倒した後も燃やさないでくれ」

「博司様がそう言うのならば我慢します」


グレイは我慢したけど、イゾルダさんは体をクネクネさせて


「Sな従者にはSの主人がつくものですね、たまりませんわ」


と言ってるが、この世界にもSとMって言うのか。

多分、前に来た勇者が教えたのだろうな。


「それはともかく、果歩が作ったトイレを見せてくれないか?」

「そうですね…博司さんが作った物と比べると、かなり簡易的な物ですが…」


果歩の作ったトイレを身に行く為に一緒に行くが、マチルダさんは面倒なので行かないそうなので2人だけ…と思ったらグレイもついて来た。


「なんでグレイも来るんだ?」

「グレイは監視役なのです」

「俺が変な事すると言うのか?」

「年頃の男女が夜に暗い森の中で2人きりになったら、間違いが起こらない方がおかしいのです」

「グレイは俺を信用してないのか?」

「信用はしてますが、若さゆえの過ちもあるのです」

「いや、グレイがこの中で最年少だからな」

「もちろん、これは冗談なのです、どんなトイレか見たいのだけなのです」


グレイもトイレに興味が出来たようだが、そうではないと否定をする。

ただ、トイレに着くと俺より先にトイレへ駆けて行ったから本音は気になっている見たいだな。

全く、素直じゃないが、そこがなんか、かわいいから悔しい。


「果歩様、ちょうど用を足したいのでつかってもよいです?」

「どうぞ…使って。使い終わったら…その紐を引っ張て。水が流れるから…」

「わかったのです」


扉を閉めてグレイは用を足す。

ちらっと見えたが、形式は和式というかしゃがむタイプ。

多分、木製とはいえ洋式の便器は作れないだろうからこのタイプになるだろうね。

ただ、気になったのが水洗と言う事。


「このトイレ、水洗なんだね」

「はい…わたしのスキルで水を溜めて…流す仕組みです…」

「そうなんだ。果歩もトイレには苦労してそうだね」

「はい…わたしはまだ慣れません…。ただ、博司さんみたくトイレを造ろうとまでは考えていませんでした…」

「まぁ、普通はそうだね…」

「でも、実際に作るのはすごいと思います!」


果歩が珍しく大きな声…といっても、多分普通の人の声の大きさだろうけど

それでも果歩にとっては大きな声を出した。


「す、すみません…大きな声を出してしまって…」

「別にいよ。でも、褒めてくれて嬉しいよ」

「あ、ありがとうございます」

「お礼を言うのは俺の方だよ」

「そ、そうですね…」


俺と果歩は2人で笑い合うが、流した物がどこへ行くのかが気になった。


「20mほど先にある池に…流します…」

「流しても大丈夫なの?」

「飲み水はもちろん、生活用にも使えないぐらい汚いので…大丈夫と思います…」

「人数も少ないから大丈夫か」

「はい…」


考えてみたら、他の人たちは茂みの影で用を足してるだろうしね。

なので、池に流してもそんなに問題にはならないと思う。


「そういえば、実はパピーで紙を作ったんだ」

「ほ、本当ですか?」

「あの紙よりは柔らかいけど、それでも和紙ぐらいの硬さはあるかな。でも、ありょりはましだよ」

「あ、あの…その紙をわたしも…つかってもいいですか?」

「構わないよ。今日はなんだから、また明日にでも」

「わ、わかりました、ありがとうございます」


俺と果歩が話してると、またグレイがの声がした。


「果歩様―ふいた紙はどうするのです?」


グレイが呼ぶので果歩がドアを開けるが、拭いた紙は水に溶けないのでごみ箱に入れて燃やすそうだ。

そして、水が流れる音がしたが本当に水洗だった。


「博司様が作ったトイレとはまた違いますが、博司様が言っていた水を流すトイレというのはこうい物なのですね」

「実際は違うが、大まかには一緒だな」

「そうなのですが。でも、水で流すこと自体すごいのです」


王都では水が少ないので、この様に使うのは贅沢との事。

確かに、大事な水をトイレに使うのは贅沢だよな。

あと、果歩が今使った分の水をスキルで補充してるが、果歩のスキルの湧水もどこでも水が出せるのは便利だな。


「果歩のスキルの湧水でした水は飲めるの?」


俺が聞くと


「飲めない事もないと思うのですが…正直…そこまで綺麗ではないです…」

「そうなんだ」

「見た目は綺麗ですが…地面から直接出てくることを思うと…飲用には煮沸したほうが安全だと思います…」

「確かに」

「でも…このスキルのお陰で…部隊の水問題はかなり軽減されました…」


果歩によると、野営をするにも水の確保が問題なるとか。

現在の位置は池の他に綺麗な川があるので、水に関してはそこまで問題ならないそうだ。

ただ、飲み水に関してはやはりろ過して、一度煮沸したほうがよいみたいだけど。

それ以外ではかなり水の確保が難しい所や、魔王軍が川上側にいる時は水になにかしない不安だったため、果歩のスキルが役に立ったらしい。

ただ、失敗して大水を発生させてしまったが、偶然にも魔王軍の方に流れ行ったため

打撃を与えたから結果多的には良かったものの、場合によっては逆に災害になるところだったそうだ。

なので、使い方次第ではかなりやばいスキルだな。


「博司さんのスキルは…どこかで使ったのですか?」

「練習を何回かしただけで、使い所がなくてね」

「そうですが…確かに使い方が意外と難しいですね…」

「ただ、魔王にも効果があるそうだけど、今の俺のレベルだと魔王を従属させるのは無理なんだよね」

「多分、魔王領に入ればすぐ…レベルが上がると思います」

「敵も強くなるけど、その分レベルアップも速くなるかな」


魔王領はいわばラストのマップと言ったと所。

そして、魔王城がラストダンジョンかな。

っという事は、敵もかなり強くなるが、勇者かその従者が倒せば経験値が全員に平等に入るのですぐレベルアップするだろうな。

果歩もマチルダさんが敵をなぎ倒したから、あまり戦わずにレベルが上がったそうだし。


「俺は魔王軍と直接戦ってないから大丈夫かな…」

「魔王軍はかなり強いですが…きっと大丈夫です…」

「そうだね、今から怖気ついてダメだね」

「そうですね」


俺と果歩が2人で笑うが


「あの、グレイもいるんですよ」


っとグレイが声をかけてきたが、忘れてはいないよ。


「なんだグレイ、俺と果歩が話してて嫉妬したのか?」

「嫉妬なんてしないのです。グレイの事を忘れて、2人でいい雰囲気になってたからなのです」

「それが嫉妬じゃ」

「だから嫉妬ではないのです、博司様でも燃やしますよ?」


グレイが怒ってから、これ以上はやめておくけど、やっぱり嫉妬ぽいな。


「グレイも用を足しましたし、戻るのですよ」

「いや、その前に俺も用を足す」

「だったら、果歩様と盛り上げってないで先にして欲しかったのです」

「せっかくトイレがあるから、使いたいだけだぞ」


俺はそう言ってトイレに入るが、立ってはしにくいので俺も座ってする。

ただ、座ると大の方もしたくなったるのが人間ってもの。

結局、両方だいたが、やっぱりこの紙は堅すぎるよな。

あと、拭いた紙は後で燃やすと言ったけど、蓋があるとはいえやっぱり匂う。

俺の作っ紙も水に溶けないから、やっぱり水洗トイレは下水の問題以外もあってこの世界でまだ無理かな。

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