焼き物の街

第8話 焼き物の街

 宿場町を出て4日後、次の大きな街であるポトゥリの街につく。

この街は焼き物づくりが盛んな街だそうだ。

陶器づくりが盛んならば、便器を作ってもらえるかもしれない。


 あと、ここ4日間でレベルは25から80に上がったけど、1日で22上がったのが

1日16程度なり、レベルが高くなったせいかレベルアップげの速度も遅くなってきている。

で、今回のレベルアップでスキルに追加されたのは

LV25で20代未満のすべて人間、LV20までのモンスター、すべての中型動物。

LV30で50代未満のすべて人間 人間が飼える大型動物

LV50ですべての人間 LV30までのモンスター

LV70でLV35までのモンスター 陸、水、空のすべての動物


 細かかったのが、急に大雑把になったけど、きっと面倒になったんだな。

あと、新しく項目が追加されるLVの間隔が大きくなってきたけど、LV70でモンスター以外なら

魚も昆虫も人間も鳥などすべて従属可能になった。

つまり、すでにチート状態な訳だ。

ただ、今の所は練習で使った以外スキルを発動してない。

LV50ですべての人間とあったので、試しにグレイに発動したら従属できたけど

どんなことをしたかは言わないが、18禁になるような事はしてないぞ。

あと、試したのちはちゃんと解除はした。


 しかし、カンストはLV999だけど、なんかスキルに関しては説目を読むと8割方マスターしたって感じ。

ただ、LV70の次に追加されるのはLV120でその次が200で、さらに次は300、400で、500で追加項目はなくなる。

つまり、魔王を従属する事が出来るLV500まで行けばひとまず魔王を従属させる事が可能らしい。

ただ、さらに続きがあって、確実に魔王を従属させるにはLV700は必要とあるので

結局はレベル上げをしないといけないが、これがゲームだとかなりバランスが悪い気がするけど、作った人にもっとバランスを調整しろと言いたい。


 それはともかく、この街は陶器づくりで有名な街である。

なので、便器づくりを教えたいが…実は魔王軍が進軍したとほとんどの焼き窯が破壊されてしまったとか。

現在、稼働しているのは1つだけなので、窯が稼働している工房にやって来た。

唯一規模してるのは最も大きい登り窯で、この窯だけでこの工房全体の2割の量が焼けるとか。

量が多いと言う事は、その分火加減が難しい上に、均等に熱を通すのが難しくなる。

しかも、ベテランの職人が魔王軍侵攻によって、避難してまだほとんどが戻って来ておらず

稼働はしてるが、上手く焼けなくて商品にはならない物ばかりだそうだ。

ただ、若手に覚えさせるいい機会でもあると、案内してくれた工房の若旦那さんにが言っていた。


「勇者様のご提案に答えたいのですが、現状はこの通りでして」

「いいえ、構いませんよ。それに、この窯だと俺の希望する者の大きさは焼けないと思いますし」

「確かに、この窯では無理ですね」


窯元の若旦那さんと話しをしてるが、この窯元は壺と甕がメインではあるが、大きい窯といっても便器サイズを大量に焼くのは難しいとの事。


「焼けない事もないのですが、多分、大量には無理かと思います」

「俺もそう思いますね・・・」

「とりあえず、説明していただければこちらで何とかします」


俺は便器の絵を描いて説明したけど、少しは上達したけどやっぱり伝わりにくい。

グレイに描いて欲しいと言ったが、自分で描くのですって言われて描いてくれなかった。

なので口で説明をする事にした


「簡単に言うと、今座っている丸椅子みたい感じです。そこに穴を空ければそれらしくなりますね」

「なるほど、わかりました。これならば大型の甕を焼く窯でできるかもしれません」

「そうですか」

「ただ、その窯も損傷して修理予定なんですが、補修するよりも新しく造った方がよいかもしれません」

「作り直すとどれぐらいかかりますか?」

「何とも言えませんが、数か月はかかりそうです」

「数か月ですか・・・」


数か月と聞いて何とも言えない感じになる。

魔王を倒すのにどれぐらいかかるかわからないが、魔王領もそれなりに広いと思うので

1か月では終わらないと思うけど、どうしよう。


「修理だとどれぐらいかかります?」

「修理でも実際に焼いてみるなどして、1か月はかかるかもしれません」

「どれぐらい損傷しているのですか?」

「窯に穴が開いていますので、塞げば大丈夫と思いますが窯自体古いので。そろそろ新しくしようとしていますので」

「そうなんですね」


つまり、更新時期と重なって、修理か新しくするかどうか悩んでいるという事か。

こればかりは俺があれこれ言う訳にはいかないかな。


「勇者様としてはどちらが良いと思います?」

「俺としては早く出来る方が良いのですが、俺が決めても良いのですか?」

「ええ、構いません」


若旦那さんは構わないと言うけれど、俺は知識が全くないから決められない。


「そういわれましても、俺は知識がありませんの決められないです」

「確かにそうですね」

「グレイ・・・もわからないか」

「はい、グレイもわからないです」

「うーん、こまった。修理方法はどうするのですか?」

「窯は石と粘土でできていますので、修理自体は簡単なのですが粘土の乾燥や試し焼きをするので、先ほども言いましたが1か月はかかるりますね」


つまり、どうしても1か月かかってしまう訳だ。


「どちらにしても、ここに長く滞在はできませんが、修理出来ればひとまず大型の物がやけますよね?」

「はい、可能です。大きさはそこにある甕を焼く事が出来ます」


部屋の中には高さ120㎝ぐらいある甕があるが、これが焼ける技術があれば便器もつくれるだだろう。


「それはあくまでも技術がある事を示す物なので、売り物ではありませんが」

「もし、これぐらいのサイズの甕を売ったらいくらになりますか?」

「作るのが非常に手間暇がかかりますので、これぐらいに」


提示されたのは10万リフルであるが、1リフル=12円ぐらいのでつまり120万円と言う事だ。

ちなみに、グレイの給金は1か月2万リフレなので、1人暮らしの庶民が1か月必要なのは1万リフレとされている。


「す、すごく高いですね」

「これは試作的な意味ありありますので、大量生産が出来れば安くはなりますよ」

「そうですか」


大量生産が出来たとしても、初期はやっぱり高いだろうから、100万円とは言わないが

トイレのリフォームは工事費込みで20万以上はする事を考えると、数倍になるからかなりの高級品になるのは間違いない。

しかし、初めはそういうもので、まずは王様、貴族、金持ちが使って評判が広まりそれから庶民に普及すると思う。

なので、高くても構わないけど、ふと和式ならば木造でもいいんじゃないかと思った。

もっと言うならば、漆喰や粘土を椅子に塗って簡易的に出来る気もしてきたけど

これは庶民向けにしてもいいかも。

ただ、今はともかく、陶器で便器が出来ないかを考えるけど。


「とりあえず、試作だけでもやっていただけますか?」

「はい、構いませんよ」

「今からでもできます?」

「職人の手は空いておりしますし、新しい事を知るのが好きな方なのでご紹介します」

「ありがとうございます」


若旦那が職人さんを紹介すると言うので、工房へ案内されるがその時グレイに


「わかっていると思うのですが、長居はできなのですよ」

「わかってるって、居ても2,3日程度だよ」

「本当でなのですか?信じてよいです?」

「ああ、本当だって」

「信じるますが、長居は駄目ですよ」


っとグレイに釘を刺されるが、グレイは宿に一晩止まってすぐ出発すると思ってはいなかったので、俺の事がわかって来る。


「ここが工房ですで、あちらは職人のアダムさんです」


工房に案内されると、いかにも職人という感じの人が粘土をこねていたが

背の高さと髭の感じからドワーフなのかな?


「アダムさんはドワーフですか?」

「ええ、ドワーフです」


若旦那の説明では、鍛冶職人のドワーフは高温による火力の調整に長けているので

焼き窯の火力調整にもその技術が役になっているそうだ。

しかも、力があるので粘土をこねるのも上手いそうだ。


「元々は火力調整の為でしたが、ご本人が焼き物にも興味を持ちましてこうして作っているのです」

「そうなんですか」


俺と若旦那が話してると、アダムさんがこちらに気づいた。


「おう、若旦那なんようかな」

「実は、こちらの勇者様が御用がありまりまして」

「初めまして、勇者としてこの世界に来ました、手洗博司です」

「どうも、アダムだ、よろしく」


アダムさんと握手をするが、力がとっても強い。

もちろん、手加減はしてると思うけど、親方といい力を加減してもそれでも強い人に何故か出会う。


「その勇者様が何用で?」

「実は…」


アダムさんに便器の話をすると、面白がって聞いてくれた。


「なるほど、それは面白い。作ってやろうじゃないか」

「本当ですか?」

「だた、作ると言っても時間がかかるがな」

「はい、わかっていまが、ここに居られるのは2,3日ですので」

「なに、形がわかればこっちでなんとかする」

「わかりました」

「粘土もあるし、今から始めるぞ」

「そうですね」


俺はアダムさんと便器づくりの試作をはじめたのであった。

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