第2‐2話 従者グレイ その2

 レベル上げをしながら、目的の宿場に到着。

宿場に着くと、一番立派と言っても王都の俺に用意された家よりも狭い。

それでも小さい宿場ながらも、精一杯のもてなしをしてくれてる。

ただ、俺が一番気になるのはやっぱりトイレであるが、部屋に入るや否や目に入ったのは、ベッドの横に置かれていたのはおまると排出物をためる甕であった。


「そうだよね、トイレなんてこの世界にある訳ないよね」


わかっていたけど、現実はつらい。

それでも、小はまだいいけど大の方は辛い。

でも、定期的に出さないと便秘になってもっとつらい。

出したものは甕に入れておくけど、蓋はあるけどそれなりに匂う。

この世界のトイレ事情に少しは慣れたけど、やっぱりこれは許せん!

せめて個室のトイレの存在を広めてないといけない。

ただ、問題は貯まった汚物の処理で、結局これがトイレ問題の解決がまったく進まない。


 せめて少量でも汚物処理が出来る方法を考えないけないが、科学的な処理方法は無理だから

やっぱり肥料にする方法しかないが、そういえばこの世界の肥料ってどうなってるんだ?

排泄物を使うとしても、江戸時代は排泄物をためて発酵させて撒いてたそうだから、ひとまず貯めておかないといけないのか?

家では穴を掘ってそこに貯めてたけど、肥料にするとしたら流石に穴を掘ってそのままって訳にはいかないだろうな。

自然発酵すると熱がでるらしいけど、その熱で病原菌が死滅するっ事なのかな?

まぁいい、いきなり大量の処理は無理だから少量の物でやってみよう。

あと、スライム浄化法も検討してみよう。

スライムを捕まえるのはレベル上げですっかり忘れてたけど、明日あたりやってみるか。


 ひとまず、今夜は移動とレベルアップで疲れたからゆっくりする。

この世界はトイレはないが、入浴習慣は普通にあるから助かったよ。


「ひとまず、風呂だ、風呂」


 俺は風呂へ向かって行ったけど、今日この宿に泊まっているのは俺とグレイだけ。

つまり、貸し切りだ。

っという事は、風呂に入ろうとしたらグレイが裸だったり、入浴中だったというお約束がまっているかな。

でも、正直、グレイは体型が幼すぎるというか、妹キャラ過ぎてかわいいけどそういう目ではみれない。

まてよ、実は男の娘って言う可能性もあるとか。

今の時代、男の娘が1人ぐらいいても問題ないだろう。

つまり「お前、男だったのか」展開もあるのか。

ただ問題はリアルで男の娘だった場合、それはそれでというか男の娘と言っても

男に変わりないから、戦闘中にくっつかれると思うと・・・ロリキャラの方が俺的いいかな。

念の為言っておくが、俺の好みは年上だぞ!


 風呂に行くと、明かりがついてないから誰も入ってないようだ。

明かりは魔法石を利用したライトの魔法を使うので、十分に明るい。

湯は温泉だそうで源泉かけ流しで混浴24時間入用可能って言ってたな。

ライトの魔法は下級の魔法ながら、実は部屋を照らすのは贅沢な使い方らしい。

魔法石も魔力を注入すれば繰り返し使えるとはいえ、それなりの高いので長風呂で

貯めた魔力を無駄遣いしないほうがいいかな。

ゆっくりしたいが出来るだけ短い時間で済ますよ事にするか。


「あ~やっぱり温泉はいいね~」


 湯につかると17歳ながらおっさんくさい声が出る。

レベルアップで肉体が強化されているとはいえ、サボってた分、身体がなまっており今日1日だけでも結構な疲れだ。

幸い、筋肉痛とかは出ないようになっているらしいけど、そういえば主人公が筋肉痛になったって話は聞かないな。

でも、本当はなっているけど話の都合上、不必要な所だから単にカットしてるだけかも。

いや、チートを使えるぐらい身体が強化されているからそんな事はないか。

それでも、明日起きたら筋肉痛になってたら嫌だなあ。

でも、温泉に入れば緩和されだろうから、やっぱりゆっくり浸かるか。


「あれ、誰かはいっているのです。宿に居るのはグレイと博司様だけなのですから、博司様なのです」


 脱衣所の方から声が聞こえたが、入ってくるのはグレイしかいない。

俺が入浴中ならば、グレイも出ていくだろうって思ったら


「グレイは別に裸をみられるのは平気なのです。むしろ、グレイの裸を見て興奮する方がやばいのです。それに、この温泉は混浴なのです」


っと言ってるのが聞こえてきたが、風呂と脱衣場は衝立が1枚あるだけなので

グレイが言っている事がよく聞こえるのである。


「グ、グレイ、俺が入ってるから後にしてくれないか」

「博司様、ここは混浴なのです。男女でお風呂に入っても問題ないのです。それに、一緒入った方が魔法石の魔力の消費が少なく済むのです」


と言ってグレイが入って来たのであったが・・・ちゃんと湯あみ着を着ていたのであった。

そうだよね、全裸で入ってくる訳ないよね。

というか、俺だって水着みたいのつけてるし。

第一、俺だってこの世界で初めて入浴する時、ちゃんと日本の入浴の仕方と違うのかって聞いたし。


「博司様どうしましたのです?」

「ちょっと、邪な事を考えた自分を恥じてる」

「何を言ってるかわからないのですが、きっと17歳の男性なら誰しもが思う事だと思うのですよ


 なんか、俺の考えてる事がばれてるみたいだけど、あえて黙っておこう。


「グレイも浸かるのです」


グレイも一緒に湯につかる。


「ところでグレイ、聞きたい事があるけどいいかな?」

「身体の事ですか?14歳の少女の身体に興味があるってことは、ロリが好きなのです?」

「いや違う、スライムを捕まえる方法を考えて欲しくてね」

「スライムをですか?何のために使うかわかりません、服だけ溶かすスライムはいなのですよ」

「いや、そうじゃなくて、スライムでトイレの排泄物を処理できないかなぁって思って」

「なるどほどですよ。ただ、いくらスライムでも排泄物を好き来んので食べるスライムははいませんですよ」

「やっぱり、そんな都合がいいスライムは居ないか…」

「ちゃんと話を聞くのですよ。この辺りに居ないだけで、存在はしてるのですよ」

「と言う事は?」

「はい、そのトイレに溜った物のを処理してくれるのですよ。しかも、人間が好きなので、博司様のスキルを使わなくても飼う事ができるのですよ」


 なに、そんな便利なスライムがいるのか!

しかも、俺のスキルを使わなくても飼う事が出来るのか。


「ただ、問題あるのですよ。王国ではかなり稀少なスライムで、魔王領とは反対の山奥に住んでいるのですよ」

「そうなのか…」


先行している2人を待たせてる事を思うと、スライムを捕まえに行くのは無理だな。

でも、そんなスライムがいるのならば、トイレがあってもいいと思うとグレイに言ったら


「排泄物は捨てるか、埋めるか、川に流するので、誰も考えてなかったのですよ。

それに、そのスライムがいる所は行くまでがかなり危険なのですよ。

なんで、かなりの物好きか、変わり者の研究者しかいない場所なのですよ」


そのスライムがいるとこはかなりの山奥で、危険な場所で行く人がほとんどいないそうだ。


「そうなか、ありがとう、グレイ。念のため、そのスライムはなんていか教えてくれないか?」

「浄化すると意味でピュリファイスライムっと言いうのですよ」

「ピュリファイスライムか、覚えておこう」


こんな話してたら、十分温まったので出る事にした。

この世界はタオルとはちょっと違うけど似たような感じ布はある。

ただ、現在のタルト比べるとちょっとゴワゴワして、吸収率も悪い。

とはいえ、これしかないからせっかくだからタオルの開発するかな?

ただ、作るにしても知識がないから無理か。


「グレイもでるのですよ」


俺が出るとグレイと出てきたけど、一緒ん息が得ることになる。


「グレイ、一緒に着替えてもいいのか?」

「別に構いません、グレイは裸を見られるのは平気なのです。ただ、マナーなので湯あみ着を着ていたのです。それとも、博司様は子供体型がお好きなのです?」

「残念、俺はお姉さんタイプが好きだ。悪いが、妹タイプは実の妹がいるから幻想を抱かないのだよ。それに、俺の妹はもっと胸が大きい」

「なんかわからないですが、バカにされた気がしまのですが、博司様に逆らう事はしないのです。でも、なんか負けた気がして悔しいのです」

「どちらにせよ、衝立があって見えないから大丈夫だろ」

「そうですが、何故か腑に堕ちないのです」

「湯冷めするから、早く着替えろよ。俺は先に行くから、明かりは消してくれ」

「わかったのです。おやすみなのです」

「ああ、お休み、グレイ」


 俺は温泉を出て自分の部屋に戻った。

しかし、グレイからいい話を聞いたな、排泄物を処理してくるスライムが居るなんて。

ただ、問題は食べた後どうなってるんだる。

グレイの話だと、食べた後肥料とかになる訳じゃなさそうだな。

しまった、肝心な事を聞き忘れたからまた風呂に戻る事にした。


 風呂に戻ると、明かりはまだついていたが、扉を開ける前に声をかける。


「グレイ、まだいるか?」

「はい、いるのですよ。どうかしたのです?」 

「さっきのスライムの話だけど、処理した物はどうなるんだ?」

「本によると、水は浄化して排出し、固形物は分解吸収されるようなのです」

「つまり、水だけ排出されるという事なのか?」

「そうなのです。ただ、問題は吸収された栄養によってスライムがどんどん際限なく大きくなるのです。それが問題で、利用されていないのですよ。何も与えずある程度ほっとけば元に戻るので、大きな問題にならなかったようなのですよ」

「そ、そうなのか…」


 考えてみたら、問題がなかったらすでに利用されてるか。

あと、本に書いてあるって事は実際に試した人がいるって事だけど、俺が思いつくぐらいだから既に試した人はいるよな。

こうなると、スライムに食べさせて処理する方法は素直にあきらめるか。

俺が肩を落としてると、扉が開いてグレイが出てきたが上は来ているが、下はパンツのままだった。

そうそう、この世界にも現在の形状をしたパンツはある。


「グレイ、下見えてるぞ」

「問題ないのです。グレイはパンツぐらい見られても、気にしないのです」

「いや、気にしろよ。まさか、実は男だったりするのか?」

「いくら博司様でも、こんなかわいい女の子を男というのは怒りますよ?焼かれたいですか?」

「ご、ごめん、落ち着けよ」


この反応から、男の娘じゃない事は確かかな。

あと、語尾がいつもの「のです」じゃないのが怖い。


「グレイは立派な女です、なにもついなのです」

「それはわかったけが、そろそろ年齢的にちゃんとパンツは隠せよ」

「それは皆からいわれているのです。でも、グレイは気にしないのです。布を見られて何が問題あるかわからないのですよ」


 グレイの言う事は確かにそうだけど、うまく説明できない。

ただ、言うならば大人としてのマナーと言った所かな。

でも、正直反論できないのが悔しい。


「うちの妹はパンツ姿を見せる事はないぞ」

「そうなのです?」

「ああ、グレイと同じ年齢だが見せないぞ」

「わ、わかりました、明日からは隠す事にするのです。グレイは、パンツは見られても平気なのです。でも、負ける訳にはいかないのですよ」


 何の勝負かわからないが、うちの妹に対抗心を持ってたようだ。

まてよ、つまりこれを使えば戦闘中、くっつく事をやめさせられるかもしれない。

本当はスキルを使ってみたかったけど、素直に練習に協力させてほしいと言えばいいのか。

今日は疲れたから、明日に出も頼むかな。

温泉に入ったせいか、一気に疲れが出たようで俺は部屋に帰ってそのまま横になったのであった。

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