第2‐1話 従者グレイ その1

 異世界に魔王退治の為に召喚されて2か月、やっとスタート地点の王都を出発したた。

勇者にはサポート役の従者が1人付けられるが、俺のサポート役はヒーラーの女の子であるが攻撃魔法も使えるそうだ。

名前はグレイで年齢は14歳である。

魔力が高く頭もいいので勇者の従者に推薦され、俺の従者となったそうだ。


 俺にも妹がいてグレイ同じ年齢だが、お兄ちゃんキモいからといって最近はまともに話してくれないが

従者である事を除いても、俺とちゃんと話してくれるだけでもなんかうれしい。

話し方は丁寧だけど、時々トゲがある感じではあるが、俺の妹と比べたらなんてことない。

あと、語尾が「~のです」や「~なのですよ」と特徴的。


考えてみたら、グレイも魔王退治に旅立たないで待ちくたびれたかもしれないけど、文句は何も言わない。

旅立ちなくても、王国から給金がでるそうだから損はないようだけど。

ヒューゴさんにグレイに旅立つ事を伝えて貰ったら、すぐに家に来て「やっと役目が果たせるんのですよ」と言って喜んでたから待たせすぎたかな。

ともかく、俺の本格的な魔王退治とトイレの探求の旅が始まるのだった。


 旅立つにあたって前日にスキルの説明書をちゃんと読んでみた。

スキルの内容と発動の仕方は読んだけど、どのレベルでどの相手を従属させれるのかは魔王の部分だけしか見てなかったからちゃんと全部読む事にした。

  人も動物もモンスターも魔王も従属可能ってスキルだけど、特人間に関しては

魔力LV50で「すべての人間」っとあってこれって世界征服が可能じゃないの?って最初は思ったけど従属させる事が出来るのは最大でも5人まで。

どうやら、このスキルに関しては作った人間もやばいと思って制限をかけらみたいだけど、使い方によっては5人でも十分やばい気がする。

例えばやばいぐらい強い奴を5人集め、パーティーを組んで国を攻め落とすとか出来そう。

ただ、俺の性格的にそんなことは事はしないから大丈夫。

というか、それじゃ勇者じゃなくて魔王側だよね。あと、自由に解除も可能。


 さらに説明を読んでみると、従属出来るの人間は最大5人であるが、人、動物、

モンスターと同時に従属させる場合は10までとなっていて、動物もモンスターの組わせだと最大15までとあった。

動物は猛獣や小動物関係なく最大15でモンスターの—場合はレベルによって数が変わって

モンスターがLV30までは1体1換算、LV31~60が1体2換算、LV61~90が1体3換算、LV91~120が1体4換算でLV121以上は5換算、魔王は15換算となっていた。

つまり魔王を従属させたら魔王だけしか従属を維持できず、今まで従属してたのは自動的に解かれるとそうだ。

逆に言えば、勇者が美少女魔王と手を取って世界征服なんて事もできるんじゃね?

もっとも、魔王だって美少女だと限らないからなぁ。

いや、美少女であっても世界征服はしないけど。


 あと、俺が死んだ場合や元の世界に戻ったらどうなるかというと、スキル自体の効果は持続されるというからやっぱりチートだなこれ。

でも、魔王に平和を維持しろって言えば平和を守ってくれる訳だ。

で、その言いつけを守って、魔王が勇者として戦う、いいじゃないのこれ。

美少女魔王が勇者になって同胞と戦って、魔王が人間を守る胸熱展開・・・かな?

でも、悪くないよこの展開も。ただ、俺が帰ったから死んだ後だから直接見れないのが残念。

きっと帰ってたら2度目はないって設定になってるんじゃないかな、知らんけど。


 それはともかく、旅立ってやる事はまずはレベルアップ。

レベル上げって面倒だよねって思うけど、王都を出発して体感で1時間ぐらい経ったけど

街道近くの野原でザコモンスター狩りをしてたら、もうレベル20まで上がってて早くね?って感じ。

なんせザコを1,2匹倒せば上がるんだから早い早い。

ただ、レベル10になったら1匹、2匹でレベルアップする事は無いけど、それでも3,4匹倒せば上がる。

とはいえ、魔王軍が撤退したから残ってるのは昔からいるスライムとかコブリン。

コブリンもたまにいるぐらいだけど、スライムとあまり変わらないから効率的にはさほど変わらないかな。

スライムもザコ扱いだけど、実は物理があまり効かないから、グレイに魔法で倒してもらってる。

スライムも剣だけだと倒すのは意外と大変だから、スライムはザコじゃないって思うけど

物理で一撃で倒せないだけで、倒す事自体は案外楽。

ただ、時々少しレベルが高いスライムがいるから気は抜けないけど、それを倒すと経験値が多いからレベルアップしやすい。


 この世界はレベルがあるけど、ステータス画面はないから分かるのは魔力だけなので魔力レベルと言われてるらしい。

ただ、レベルの高さ=強さなので魔力がないとしてもLVはちゃんとある。

ちなみにグレイはLV30で、俺よりも高い。

あと、経験値は倒したら同じ数値が二人とも入るシステムでグレイは最初LV15だったからグレイもレベルアップしている。

他のステータスは不明だけど、スライムが剣で一撃で倒せるようになったから攻撃アップしている事は確か。

あと、レベルが上がると魔法を覚えるらしく、LV20で回復魔法のヒールを俺も覚えた。

試しに使ったら治療効果はグレイの方が上ではあったが、それでも自分で使えるのはいいかも。


「博司様、まだレベルアップをするのですか?」

「グレイ、疲れた?」

「ちょっと疲れたのです」

「それじゃ、一休みしよう」

「はい、わかりました」


すわれそうな場所を見つけて、2人で座る。


「グレイご苦労様。グレイが居たおかげで思ったより楽にレベルが上がったよ」

「グレイはそのためにいるのです。ヒーラーですが、攻撃魔法の方が得意なのです」


 グレイはヒーラーであるが、攻撃魔法の方が得意という変わったタイプ。

背は小さく、肩に少しかかるぐらいの髪の髪の長さで髪の色は名前の通りグレイ。

まん丸い大きめの瞳で、自分の事名前で呼んでかわいいなもう。

14歳は妹と同じなのに、こうも違うとは。

ただ、身長と胸は妹の方が大きいが、これはあくまでも比較だぞ。


「グレイが強いのはいいんだけど…戦ってる最中しがみつくのはやめてくれないかな。戦いにくいし」


 実はグレイは戦っている最中、俺にくっついている。

最初はあざといと思ったけど、どうもモンスターが怖いらしい。

ただ、その割に魔法の攻撃を確実に当てるが、怖いから早く倒したいためだとか。

わかるような、わからないような感じだけど、強いから気にしてない。

あと、くっついてるのに攻撃魔法は誤射しないようにしてて、器用だな。


「だって、モンスターは怖いのです。ただ、世界を救いたいためグレイの力を勇者様の為に使っているのです」


グレイは胸を張るけど、強いのはわかってるがやっぱりくっつくのはやめて欲しいな。


(そういえば、今のレベルだとグレイを従属させれるな)


 説明書によると『腹黒じゃない10代』ってあるけど、このスキル作った人はなぜこんな項目を入れたか気になる。

きっと、腹黒な10代に何かされたのか、純粋と思ったら実は腹黒で裏切られたとかなんだろうか。

それはともかく、従者と言ってもまだで会ったばかりで、どこまで俺を信頼しているか不明。

役目は果たしているからいいんだけど、グレイは素直そうに見えるが頭がいいから

相手を見下してて、本当は腹黒そうなキャラじゃないかと何となく思える。

それはそれでありがちなキャラでいいんだけど、実際にスキルを発動させた事がないから1度試したいかも。

 方法は直接触るか、手のひらを相手向けるけて念じるだけでいいらしいから比較的簡単。

発動すると、手に紋章がでると図解にある。

成功すると、緑になって失敗すると赤になるらしい。

ただ、今グレイに触れるのも変だから、グレイがくっついてくる戦闘中に試してみるか。


「ところで博司様、召喚されて2か月も討伐に旅立たなかったのは、トイレとかいう

排泄時に使う物にこだわっているときいたんですよ。何でそんなのにこだわるのです?」

「俺のいた世界というか、国はトイレが得に綺麗で清潔だったからね」

「そうなのですか。でも、綺麗だといい事があるのです?」

「綺麗だと病気が減ったり、匂いがなかったり、安心できたりする」

「そうなのですか。安心はわからないですが、病気が減ったり、匂いがないのはよいことです。ただ、なぜ病気が減るのです?」

「なんていったらいいかな、汚いと病気の原因になる目に見えない物があって、綺麗にするとその原因が無くならないけどかなり減って病気にならなくなるんだ」

「そうなのですか。目に見えない病気の原因があるとは言われてますが、博司様の世界ではそれがわかるのですか」

「全部じゃないけどわかってるし、見る事も出来るぞ。ただ、特別な道具が必要だけど」

「それは魔道具なのです?」

「まぁ、俺の世界の魔道具と言っていいかな」

「それはすごいのです」


 確かに今の機器は魔道具と言っていいぐらいすごい。

この世界ではウィルスどころか、細菌ですら見えない訳だし。

あと、この世界の人間にわかりやすい表現でもあると思う。

話してるとグレイは素直そうな感じがしたから、1度スキルのの練習をさせてもおうかな。


 休憩を終えてレベル上げをしながら目的地の宿場へ向かう。

今日はまだ徒歩だけど、明日からは馬車が使える。

ただ、やはりどこかでレベル上げをしないとならないので、移動速度はあまり上がらないかな。

ただ、自分で歩くよりはいいけど、乗り心地がきになるが今考える事ではないか。

今日はもう少しレベル上げをして目的の宿場へ向かう事にした。

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