第24話 決戦!(5)
~
アリエスの視界の隅で『残り0』が表示される。
「
「そ、そんな……」
急激に、機体から、力が抜けていく
本体からの魔素の供給が途絶えたため、『
「マズイ、
「そんな、
アリエスは自分の負けを認識しなければいけない。
敵の正体は、共和国なのか連邦なのか。
自分はどこに連れて行かれるのか。
自分の命は助かるのか。
自分が捕らえられた所為で戦争に負けるという事があるのだろうか。
ここまで自分を助けてくれたザンドとグレゴリはどうなるのか。
危険を冒して、運んでくれたヒルダとその仲間達の運命は。
……アリエスは自分の負けを認識しなければいけない。
敵の
「
(――私は負けたのですか?)
(――私は負けたのですか?)
アリエスは自分の負けを認識しなければいけない。
「
(――私は負けたのですね……)
アリエスは、
敵
視界を覆っていたゴーグルが外され、現実のアリエスの目に飛び込んできたのは、無残な現実であった。
急激に体中が寒気と吐き気に襲われるアリエス。
震えながら、血の気を失った青白い自身の細身を抱きしめる。
(――私の敗因は……)
チュートリアルの神代の戦いと、現代の戦いの違いに気付かなかった……。
現代戦の実戦を経験した事が無かった……。
前世でこれほどのリスクを背負った戦いをした事が無かった……。
「宇宙史上『最強ノ兵器』」――という
初陣が、これ程の相手というのは運がなかった……。
そもそも、宇宙空間で植物魔法って使用できるのですか……。
(――全て、敗者の言い訳ですわ)
負ける可能性を口にしつつも、無意識レベルでは、アリエスは完全に勝てる気でいた。
一体どういう理屈で
己の戦いに望んだ決意が、到底覚悟と呼べるものではなく、過信盲信慢心の類いであった事に今更ながら気付くが、時既に遅し。
「宇宙史上『最強ノ兵器』」に、おそらくは史上初の土を付けさせてしまった自分は、エリート候補生などでは決してない――。
(――いえ、ドラグヌフの所為などでは一分たりともありませんわ。ドラグヌフはこう言っていたではありませんか……)
"余裕ノ勝利ヲ、約束シマショウ。ワタシト貴女ノ
"全テワタシガ『フォロー』スルノデゴ安心ヲ。運悪ク貴女ノ腕ガ悪ケレバ、ソレモ『フォロー』シマショウ"
(私の力が、合わさってなかったのだ。私の腕は、ドラグヌフがフォロー出来ないほど腕が悪かったのだ。いや、簡単に増長してしまう心の弱さ……)
負けを認めたアリエスの目は完全に光を失い、死人の目になる。
そして
――
むしろその覚悟が必要だ。
こうなっては、
すぅっと、アリエスの目の前が真っ暗になっていく。
(ああ、私、ここで気を失うのですね。本当に情けない……。気絶して、目が覚めたら、慰み者になっているかもしれませんわ。でも、これが敗者の定め……。異世界転生したのは、敗者になり、身体を
アリエスの意識は遠のいていく――――。
「こんな負け、私、絶対、ぜっったい、認められませんわ――――――――!!!!!!!!!」
いつの間にか、我を取り戻したアリエスは、何かに怒り狂い、叫び声を上げなから、コックピットの座席に咬みついている自分自身を他人視点で視ている事に気付いた。
その事に気付いた途端、体から離れられない魂の様にアリエスの意識は自分自身の体に引き戻されていく。
アリエス自身が敗北を認めても、アリエスに流れる『高貴な吸血伯爵令嬢の中の血』が、敗北を拒否していた……。
「スキル、『
この
学んだことの無い
アリエスが座席に咬みつき、血を吸うのではなく、自らの魔力を魔素に逆変換して
「スキル、『
この
「『
アリエスは、
利き腕の逆腕での抜刀は一度も試していない為、勢いだけのぶっつけ本番。
『
「『
アリエスはその勢いのまま、双子エルフの『
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます