第14話 提案。
長い時間を掛けての魔力スキャンが終わり、やっと解放されたアリエスは、息も絶え絶え、半分涙目、なぜか着衣が乱れている。
「や、やっと終わったのですね」
「魔力スキャンガ完了シマシタ」
「――確認シマシタ、搭乗者データベースニ一致スルデータガアリマセンデシタ」
「ロックノ解除ガデキマセンデシタ」
「あ、やっぱり、だめですのね。やはり……搭乗者登録なんてされているはずないと分かってましたわ」
「因みに、新規で搭乗者登録する方法はあるのですか?」
「管理者権限ヲ持ッテイル人物ニ依頼シテクダサイ」
「なるほど、お手上げかもしれませんね……」
ギブアップして、この無機質な男性の音声の持ち主(恐らく巨大ロボットのAI)に
「……貴女ハ
「ふぇあっ!?」
(血を吸って、
巨大ロボットの
「私ノ
「ふぇえっ!?」
竜血の『竜』とは、この世界においてかつて最強を誇っていたが、現在は絶滅したと言われている、あの伝説の
(
「久々ノ搭乗者候補様デス。ドウゾ、私ヲ貴方ノ手下ニシテクダサイ。座席ノ背モタレ部分、頭部ノ下アタリ、ソウ、ソノアタリ、首筋ニ相当スル辺リノ
アリエスは、無機質な男性AIの音声に従って、鱗がとても薄くなっている部分を探り、歯を立てようとしていた。
「私の牙で、穴を開けてしまったら、貴方のオイルが漏れっぱなしになってしまいませんの?」
「スグニ自動修復サレマスノデ、ゴ安心クダサイ。」
「そ、そんな機能が? ――そうなのですか。とても高機能ですのね」
アリエスは、
……実は
何も知らない無垢な
(――何だろう、体が熱くなって来た……)
頬を真っ赤に染め、自らの座る座席に向き合うアリエス。
「ゴクリ」
無機質な男性AIの音声が何故か喉を鳴らした。
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