今日はグリと一緒に狩りをする日だ。

流石のグリもドラゴンのお肉に飽きたらしく、今は魚。

特に巨大イカや巨大タコにはまっている。食感が好きらしい。


「海はすぐ着くな。お前も成長したな。」


「ピ!!」


「え?あれを取るのか。デカすぎないか?」


「ピ〜ピ!」


「本当に食べ切れるか?まあ、食べきれなかったら、俺が料理すればいいさ。」


「ピィ!」


「ああ、いくぞ。」


風乱を発動して、海の深い場所まで潜り、巨大タコを極点で仕留める。

こいつは結構弱い。俺たちが強すぎるのかもしれないが。


「ついでにイカも殺しとくか。」


ついでに巨大イカも殺しといた。俺はタコよりイカ派だしな。

寿司でも作るか。

上機嫌なグリと一緒に帰る。


「ついでにダンジョンに寄っていこう。レベルアップできそうな気がするんだ。」


「ピィ?」


「そうだ、いつものダンジョンでいいぞ。」


「ピ!!」


いつものダンジョンで93階層まで床を貫く。

94階層のボスも何回も倒しているんだが、なんだか今回は違う感覚がする。

ちなみに94階層のボスは首無し騎士。


「なるほど、どういうことか。」


いつもは黒い鎧の首無し騎士だったが、今回は白い鎧の首無し騎士だ。

階層主の中にはレアボスが存在する。

普段よりも二回りは強いが、その分高価なものをドロップするという。

会ったら、即逃げろと言われている。


「直感だが、ギリギリ勝てるな。グリいくぞ。」


6時間のかなり濃い時間の死闘だった。

白い鎧の首無し騎士は光の粒子となって消えて、ドロップ品が落ちた。


「槍だな。しかもかなり強力な風魔法強化が付与された。」


明らかに俺が使っている槍の上位互換な武器だ。幸運スキルが火を吹いたな。


「早く帰ろうか。みんなが心配している。」


「ピ!!!」


「分かってる。明日はタコ丸々一匹食べていいから。」


「ピ〜」


夜が遅くなって、帰ってきたので、普通怒られた。

みんなには海の漁に熱中しすぎたと言い訳しといた。こういうのが正しいと直感が言ってるし。

夜は寿司と、たこ焼き。俺の料理はどれも絶品なのでなんでもうまいが。


「今日は私からね。」


「ああ、ジョセからだな。」


「優しくしてね。」


「ああ。」


夜、みんなが寝静まってから、ステータスを開いた。


レベル 6


力   :0

身の守り:0

素早さ :0

器用さ :0

魔法力  : 0


魔法 『風纏い』 支援魔法

   『風乱』  支援魔法


スキル 

槍術 Aーーー槍を武器にすると、全ステータス巨大上昇。

弓術 Aーーー弓を武器にすると、全ステータス巨大上昇。

魅力 Bーーー魅力が大上昇

耐性 Bーーー状態異常耐性が大上昇

集中 Bーーー集中が大上昇

直感 Bーーー直感が大上昇

幸運 Bーーー運が大上昇

対大物Gーーー自分より格上の相手には全ステータス極微上昇。


「またしても強くなってしまった。これは序列に入るのも時間の問題かな。」


半年後


「やっぱり勝てないな。」


金一級の頂点に立った俺は序列10位の騎士に挑戦してみたところ。普通に負けた。

序列の奴らはみんなレベル7後半の年寄りばかりだから、経験値が全然違う。

ステータスとスキル以外の積み重ねが必要だな。


「とりあえず、深海で今日の食い物探しだな。」


森の奥よりも海の奥では、生物の多様性が多いので、面白い。

尋常じゃなくでかいやつも小さい奴も。魔法使うやつも物理攻撃してる奴も。

うまいやつもまずいやつの調味料になるやつも、肌に塗ったら保湿効果のあるやつも。


「今日はどんな魔物が出るかな?」


「ピ!!」


「そうだな。なるべくうまい奴がいいよな。」


強そうな気配がウヨウヨしているが、グリと一緒なら狩れる。

もっと風の魔法を強化したいな。それなら、もっと海の奥まで潜れるのにな。



「ピ!!」


「また、あいつか。グリも好きだな。」


グリが気に入っている獲物は海竜。

これが一番好みの味らしい。確かに美味しいけど毎日食べようとは思えない。

まあ、グリの分は別の収納袋に入れとけばいいか。収納袋なんていくらでもあるんだし。


「海竜を倒した後は、あのでかいウニみたいなやつを狩りに行くぞ。」


「ピ!!」


ウニみたいなやつのくせにヨーグルトみたいな味がした。なんだこいつ。

次はどれを狩ろうか。

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