魔力。

簡単に想像すると念能力みたいなもので、

攻防一体の力だ。

ステータスの魔法力が上がると魔力の総量が増え、魔力の最大出力も上がる。

戦闘において、かなり重要な要素で、この魔力をいかに上手く攻防に織り交ぜることができるのか。

これが、勝敗を分ける。

そんな魔力を戦闘に使う技術の中に、最高峰の技が存在する。

極点。人によっては極線とも言う。

要は魔力を圧縮する事で、密度をあげ最大攻撃、または最大防御にするのだ。

俺も、今まで魔力を集めて圧縮すること自体はある程度は出来た。

しかし、点というほどではなく、線というほどでもない。


「これが出来れば、俺の強さは跳ね上がる。」


この技術は単に、武器だけでなく自分に使うことで、とんでもない推進力も産むことができる。

レベル5の後半からレベル6辺りで可能になる技術だが、俺には集中スキルがある。

今まで、挑戦したが、出来なかった。

しかし、集中スキルのレベルが上がった今なら、できるはず。


「できるはずだ。俺は天才なんだし。」


そう思い、金2級、金1級の訓練を見学しまくって、俺は学んだ。

グリに狩人の仕事は任せ、料理と昼寝、訓練それと教育、ただこれだけを繰り返した。




気づけば、13歳になっていた。


「全然できない。」


一応はできるのだ。ただ、溜めるまでに10分はかかる。

そんなものは戦闘では使えない。ただ、鈍いミスリルゴーレムに叩き込んだら、一発で倒せた。俺の一つの武器にはなった。


「でも、極点を練習してたら、魔力操作の技術は上がったし。別にいいか。」


魔力操作の技術は上がったので、風魔法を圧縮して、空を駆けることができるようになった。俺、サンジじゃん。

金3級での実力は上の下ぐらい。極点さえマスターすれば、金2級に行けるのに。

まあ、みんなそうなんだが。


「ステータス。」


レベル 4


力   :151

身の守り:131

素早さ :257

器用さ :223

魔法力  : 281


魔法 『風纏い』 支援魔法


スキル 

槍術 Cーーー槍を武器にすると、全ステータス中上昇。

弓術 Dーーー弓を武器にすると、全ステータス上昇。

魅力 Dーーー魅力が上昇

耐性 Dーーー状態異常耐性が上昇

集中 Dーーー集中が上昇

直感 Eーーー直感が少し上昇


「やっぱり、ステータスは最初は上がりやすいな。スキルレベルも最初は上がりやすいし。」


基本、スキルレベルはスキルを使えば使うほど、伸びるが。

パッシブスキルの場合、多くはレベルと共に上昇する。試練で上昇することもある。

より高い水準で、戦闘を繰り返せば、自ずと高い水準のスキルレベルになるのだ。

俺は勘のいいガキになったらしい。戦闘ではこれはかなり役に立つ。日常生活でももちろん役に立つ。料理の材料集めや、調味料作りにも役に立つ。

焼肉のタレも作れたしな。


俺は気分がよかった。だって全てがうまく回っている。特にグリを成長させて正解だった。あいつが俺の仕事をしてくれるのがでかい。

お礼にあいつの好きな料理を作ってやってるのだ。当たり前だろう。

そんな俺にめんどくさい手紙が届いた。


「クランへの入会許可証?」


「へ〜すごいわね。そのクランは世界最大の冒険者のクランじゃない。滅多に入れないって聞くけど。」


「なんで、冒険者じゃない僕にこんなの来るんですか?」


「有名だからじゃない。それに他にもきてるでしょ?」


確かに、冒険者のクランに入らないかとか、パーティーに入らないかとか、そんなものはたくさん来てる。全部捨ててるが。


「いつも通り、無視しますよ。めんどくさいですし。」


「せめて、断りの手紙ぐらい出したら?」


「こういうのは優しくすると、相手がつけあがるんですよ。」


「そう。リュウがそうしたいならいいわ。」


1月後、なんか、冒険者5人組が来たらしい。

門番と争っているらしく、俺を出せって言っているらしい。めんどくさ。


「それで、あなた方は?」


「ああ、私は最大のクラン鋼の意志のものだが、今日はリュウ殿を迎えにきた。」


エルフのお姉さんが答えた。エルフは若い期間が長いから、こいつが何歳かわからん。


「迎えに?なんでです?」


「我がクランへの入会許可証が届いていないだろうか?」


「届いてますよ。」


「そうか、それでは我がクランのクラン屋敷に行こうか。」


「遠慮しときます。」


「どういうことだ?」


「クランには入りませんよ。大体、僕は冒険者じゃないですし。」


「冗談だろ。我々のクランは世界最大だぞ。選ばれたものしか入れないという。」


「今回は逆に選ばれなかったということで、諦めてください。それでは。」


俺は、強引に話を切り上げて帰ろうとする。俺だって一応貴族なんだし、こいつらアポ取れよ。


「ちょっと待ってくれ!!それなら私たちと決闘してくれ!それならいいだろう?」


「それなら、いいですけど。なんでそんなに必死なんです?」


「上からの命令でな。どうしても君が必要なんだ。」


「余計に入りたくなくなりました。」


「そう言わないでくれ。君ほどの才能は見つけられないんだ。」


気分が良くなった。


「それで、僕に決闘で勝ったら、僕がクランに入る。僕が勝ったら、二度と絡まないそれでいいですか?」


「ああ。話がはやいな。」


「似たような人達は多いですからね。」


「もちろん、殺しは無しだ。」


「分かりました。それで、どうします。5人一気に来ます?」


「それでいいのか?」


「いいですよ。その代わり、僕も相棒と一緒に戦いますけど。」


「ああ、それでいい。」


3分で5人の冒険者を蹴散らしてやった。グリと一緒なら、俺の強さは跳ね上がるからな。

とりあえず、迷惑料を剥ぎ取って、そこら辺に捨てといた。

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