「え?グリってもう成熟してるんですか?」


「そうですね。本来ならば3年かかるんですけど、2年で大人になっちゃいましたね。」


アンダーハート公爵家の獣医に、最近妙にデカくなったグリを見せると、グリが大人になったことが判明した。


「なんでなんです?」


「グリちゃんに、魔力の濃いお肉をたくさん食べさてただしょ?」


「そうですね。こいつが好きなんで。」


「それが、原因ね。魔力の濃いお肉をたくさん食べると早く大人になっちゃうから。」


「これって良いことなんですか?」


「本来は3年かけて、信頼関係を築いていくんだけど、2年で築けてるっぽいし、大丈夫でしょう。」


「そうですか。背中に乗っても大丈夫なんですか?」


「大丈夫よ。魔法も十分使えてるみたいだし。」


これからは、グリに乗って移動しよう。

グリフォンはめちゃくちゃ早いし。俺の風魔法も使ったら、もっと早くなるだろ。


「そうですか。ありがとうございました。」


「お大事にね。」


俺は獣医室から出て、グリを撫でる。


「ピー」


「お前は、大人になっても甘えん坊だな。まだ2歳だし、しょうがないか。」


「ピー!」


「今日もドラゴンのお肉が食べたいのか、よく飽きないな。ただワサビはなしだぞ。もうないからな。また、庭で出来るまで少し待てよ。」


「ピー」


悲しそうな声を出す。俺がこうすれば、甘やかすとでも思っているのだろう。

まあ、ドラゴン戦で頑張ったから、少しは予備のワサビを使っても良いかな。

これから、こいつに狩りの仕事をさせるんだし。


「とりあえず、魔剣を取りに行くか。補充するにしても、買ったら高いしな。」


魔剣は公爵家の伝手で買ったとしても法外な値段がする。しょうがなく、ダンジョンへ現地調達だ。


グリに乗って、ダンジョン都市に行くと、3時間で着いた。

時速150kmは出てそう。


グリと一緒にダンジョンに入っていつも通り、縦穴を掘って43階層まで直行する。


「相変わらず、ここは人がいないな。」


スケルトンが海のように襲ってくる、闘技場。

ここは、危険度の割に報酬が少ないので、かなり不人気だ。

俺は、誰もいないから気に入っているが。


俺のステータスも爆上がりしたし、グリもいるので、いつもより激しい運動をすることにする。

ダンジョンの裏技に壁を傷つけると、魔物の復活が早まるというものがある。

俺は魔法弓に風を乗せて、そこら辺の壁にぶち当てる。

そうすると、より多くのスケルトンが湧いてくる。

グリは空からスケルトンを倒して、俺は槍で倒す。

槍の方を風を纏わせて振り回すしながら走り回る方が、弓より短時間で倒せるので、槍を振り回す。

疲れたら、グリの背中に乗って休憩する。

グリに魔力回復薬を飲ませておく。

俺も、グリも風を纏っているので、矢は弾くしな。


とりあえず、3日で7000のスケルトンは倒した。

魔剣も6本は出た。やっぱり不人気なだけあって、ドロップがしょっぱい。

その分鍛錬にはなるが。


「グリ、今回はミスリルゴーレム倒れるかもしれない。」


「ピー」


「本当だって、そんな気がするんだよ。」


「ピ」


「付き合ってくれるか。さすが俺の相棒だな。」


グリは嬉しそうに俺にくっつく。

可愛いやつだ。



44階層のミスリルゴーレムを倒すには心臓部分にある核を壊さないといけない。しかし、核の周りが一番硬く、回復速度も速いため、前回は倒しきれなかった。

しかし、今回は秘策がある。

ドラゴンにやったように二段階分けて、槍を打ち込んで攻撃するのだ。

パイルバンカーシステムだな。


「一応、あれもやっとくか。」


前回同様、炎の魔剣で熱した後に、氷の魔剣で冷やすという、アニメお馴染みの方法で攻撃するが、対して意味はない気がする。

ミスリルは熱にも冷たさにも強いのだから。


「コイツは鈍いから、狙いたい放題だな。」


初手で、ミスリルゴーレムの左肩に槍を突き刺して、心臓部分にあるコアまで、槍を釘のように打ち付けていく。


10分後。


「まさか、12回も槍を打ち込むことになるとは。」


無茶苦茶硬かった。お陰で槍がボロボロだ。これも高かったのに。

ミスリルゴーレムを倒すと、ミスリルのインゴットがもらえる。

重量はまちまちだが、今回は多い方だな。

5億リンぐらいにはなりそう。

ボロボロな槍が18億リンだから赤字だな。

もっと攻撃力が増えたから、コイツを倒そう。


「ステータス」


レベル 4


力   :0

身の守り:0

素早さ :0

器用さ :0

魔法力  : 0


魔法 『風纏い』 支援魔法


スキル 

槍術 Cーーー槍を武器にすると、全ステータス中上昇。

弓術 Dーーー弓を武器にすると、全ステータス上昇。

魅力 Dーーー魅力が上昇

耐性 Dーーー状態異常耐性が上昇

集中 Dーーー集中が上昇

直感 Gーーー直感が極微上昇


「レベルが上がってる。これまでの試練が蓄積されたな。これだけでも儲けだな。」


レベル4ともなると、騎士の0.1%以内に入ると言われている。

俺の才能が怖いぜ。新しいスキルも戦闘向きだし。俺はどこまでも強くなれる気がする。

直感スキルもそう言ってる気がする。

だって俺は天才だしな。

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