「なんて早いフラグ回収なんだ。」


飛龍。ドラゴンの強さはピンキリだが。こいつらの強さはレベル4の後半ぐらいだな。無理したら、勝てるレベル。

ここら辺にドラゴンの群れなんていないんだが、竜の影響だな。


「倒すか。」


飛龍14匹。ここが平地なら逃げるが。ここは森なのだ。

俺の得意分野だ。狩ったら独り占めできるしな。

相手は飛龍。こいつらは、森の中ではあまり動けない。こいつらの戦闘場所は空なのだ。


6時間後。


「結構、疲れたな。帰りはグリに送ってもらおう。」


辺り一帯が燃えているから、氷の魔剣で鎮火しといた。氷の魔剣が壊れた。またとり行かないと。

まあまあの死闘だった。グリがいるし、いつでも逃げれたからこれは無理したとは言わない。

頑張ったというのだろう。とお嬢様達に言い訳しよう。いや、黙っとくか。


「ババアには言わないとな。」


「ピ!!」


「お前も囮役お疲れ様だな。ご褒美にこの飛龍のお肉あげるからな。」


「ピ!」


「そうだな。帰ろう。」


日も暮れていたので、お嬢様達には少しダンジョンで遊んでいたことにしといた。


「それにしても、一人でこれだけの飛龍を倒すとはね。」


「俺も強くなったということだ。それより竜の影響がここまできてるぞ。」


「そうさね。これからも気をつけるんだね。それしかないよ。」


「それもそうだな。一応、竜について調べておいてくれよ。」


「当然さね。」


早く焼肉のたれを作らないと、お肉の美味しさはタレで決まるんだしな。


「グリ、宿に戻るぞ。」


「ピ!!」


グリ用に宿を改築している。いまだに宿代なんて一回も払ったことはないが。


「風魔法は便利だな。特にお風呂を上がった後は。」


ドライヤー要らずだな。今日は疲れたし早く寝よ。グリは専用の布団でぐーぐー寝てる。流石に一緒には寝れない。あいつは硬い布団が好きだからな。腰が痛くなる。


それから3月、竜の影響で森がドラゴンに荒らされている。

見つけ次第、倒していたら、合計100匹は倒してしまった。

グリはドラゴンのお肉が相当気に入ったようで毎日食べている。

確かに美味しいが、俺は魚の方が好きだからな。すぐ飽きた。


「あいつはどうあるかな。」


一匹の飛龍が目の前にいる。

これは、おそらくレベル5前半の強さだ。

いつも、金三級でボコボコにされている、騎士の強さ並みだ。


「でも、この3月間で俺も強くなったしな。」


この3月で、飛龍の倒し方を学んで、ステータスも全て100ほど向上してるので、勝てる気もする。

だって、ここは森の中だし。


「とりあえず、無理だったら逃げるか。」


ドラゴンは森の中では、俺を捉えられないので、簡単に逃げれる。

大きいというのも考えものだな。


「まずは、羽の付け根だな。」


羽の付け根を弓に風を纏わせて、狙い撃つ。

ここが、最もドラゴン弱点だ。

何せ、最大の武器である。飛行が使えなくなるのだから。

ドラゴンは回復能力が高いから、3分もあれば回復するが。

その内に、決着をつける。


「ギヤァァァァァァァ!!」


ドラゴンは鼓膜の壊れそうな悲鳴をあげて、矢の飛んで来た方向へ大きな火球を何度も吐きつける。

俺は、それを避けながら、ドラゴンに近づく。


「ピーーー!!!」


グリが上空から風の魔法をドラゴンに当てて、ドラゴン意識をグリに向けさせる。

その内に、俺は槍を全力でドラゴンの頭に投げつける。

下から頭に投げつけることで、ドラゴンに火球を飛ばされないようにすることがコツだ。


「ガ?!」


「まじか。むちゃくちゃ硬いな。」


俺の投げた槍は、皮膚に刺さっただけだ。

体内までは貫通していない。

羽の回復よりも、身体強化に魔力を回したのだろう。


「ガァァァァァァ!!!!」


近距離でドラゴンが俺に全力の炎を吐いて来た。

流石に避けられないので、全力で防御するしかない。

風の魔法を全身に纏わせて、ローブに魔力を全開にして守る。

とてつもない熱量が俺を包み込む。

風の魔法がなければ、呼吸できないほどだ。

18億リンもした超高級ローブがボロボロだ。

後一度、攻撃を受けたら、壊れるだろうな。


「でも、耐え切ったぞ。」


反撃の時間だ。

ドラゴンは俺が耐え切れると思っていなかったのだろう。

俺の反撃に無防備になる。

狙うは、やはり、頭。頭を貫けば大体のやつらは死ぬ。

収納袋から、予備の槍を取り出して、ドラゴンの右側に投擲する。

ドラゴンはその攻撃を間一髪で避ける。

しかし、近づいて来ているグリに気づかずに、左目を攻撃されて、失明する。


「ガァ?!」


ドラゴンは、グリに向かって火魔法を放とうとするが、その隙を見逃さない。

俺は、喉元付近に刺さったままの槍へ全力で跳躍して、思いっきり蹴り上げる。

その槍は、喉を貫通して頭まで突き抜けた。

ドラゴンは巨体を木々をクッションにしながら、倒れ込む。


「危なかったな。グリが。」


「ピ!!ピ!」


「怒るなよ。このドラゴンのお肉は全部お前が食べていいから。」


「ピ!!」


喜んでる。単純なやつだ。


「予備の槍を回収したら、今日は早めに帰るか。疲れたしな。」



この日からはレベル5前半のドラゴンは倒すようにした。

もちろん、相場は毎回整えたが。

このドラゴン一匹30億リンだし、黒字だな。

3月後、ドラゴンが森に来なくなり、竜の影響が去った後。


「ステータス」


レベル 3


力   :403

身の守り:377

素早さ :877

器用さ :802

魔法力 :903


魔法 『風纏い』 支援魔法


スキル 

槍術 Dーーー槍を武器にすると、全ステータス上昇。

弓術 Dーーー弓を武器にすると、全ステータス上昇。

魅力 Eーーー魅力が少し上昇

耐性 Eーーー状態異常耐性が少し上昇

集中 Eーーー集中が少し上昇


「結構、強くなってるな。」

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