魔法

人は3つまで魔法を覚えることができる。

世の中には4つ以上魔法を使えるものもいるというが。

この世の中には一生魔法を使えないものが、ほとんどだというが。

しかし、俺はレベル3なのだ。魔法を使えていてもおかしくない。おかしくないのだ。


そんな俺が魔法を覚えた。グリの風魔法を身近で感じてたのがよかったのだろうか。

支援魔法『風纏い』文字通り風を纏う。


魔法発動には詠唱が必要だ。長い詠唱なら、無詠唱の訓練をするらしいが、俺の場合はそんな必要はない。だって、詠唱は一文だけだし。


「風よ共に。」


この詠唱のみで、魔法が発動し俺の周りに風が纏う。今は、風が待っているだけだがそれはこれから訓練していく。

俺とグリは山のようなバッタの死体を風で回収して収納袋に集めている。

これらは燃やして灰にして、肥料にするらしい。


「グリも魔法が上手になったな。偉いぞ。」


「ピ〜」


「そうだな。特別にワイバーンのお肉をあげよう。」


「ピ!!」


グリの言ってることもなんとなくわかるようになってきたし。

こいつのいうことなんて、うまいもん食べたいか、甘えたいのどちらかだが。


「0からお金を稼がないとな。お前の食糧は取って来ればいいが。」


「ピ!!」


「よく分からんが、そうだな。」


グリの頭を撫でると、アホみたいに喜ぶ。


「ダンジョンにでも行くか、簡単に稼げるかもしれんしな。」


「ピ!!」


ダンジョンの深層は人が少ないから、簡単に稼げる。魔物なんていくらでも湧いてくるし。

森で稼ぐと森が荒れるからな。


俺は風を纏うことで、いつもより早く走れた。グリも風魔法で協力して来れたし。

ダンジョン都市につくと即座に34階層まで穴を掘って深層に辿り着く。


「確か、ここは虎のエリアだったけか?」


いろんな種類の虎の魔物が出て、とにかく毛皮と牙を落とす。それが金になる。

殺し回って、魔物がいなくなると、下のの階層に進み殺し回る。


「これが魔物乱行か。」


ダンジョンではたまに魔物が大量発生する時がある。

多くの場合は、それは不幸な出来事として捉えられるが、今回の場合はそうではない。だって、金稼ぎに来たんだもの。


「グリ、もっと上を飛んでおけ。巻き込まれるかもしれんからな。」


全力で槍を振り回すため、グリをもっと上空を飛ばせる。

虎は空を飛べないからな、グリなら対処できるだろう。


2時間も魔物が沸き続けた。すごいな。


「流石に、疲れたな。でも今日は結構稼げただろ。」


大量のドロップを拾いまくって、街に帰って、売った。

1億リンは行った。ボロい商売だぜ。


「そんなことしなくても、お金なんてあげたのに。」


最近、お嬢様達はことあるごとに貢いでくるが断っておく。

そんなことしてたら、騎士達に殺されそうだし。


「自分のお金ぐらい自分で稼げますよ。」


「そう。リュウがいいならいいわ。」


コツコツ、貯金していくか。

俺は一億円を使って、醤油とワサビの調味料研究したいし。

この二つがあれば、蕎麦も食えるし。冷やしうどんもいいな。


「新しい料理楽しみにしといてくださいね。」


「分かったわ。」


最近は、集中スキルを最大限使い、料理を作る。

俺の料理の腕は世界一にたどりつける気がする。

お嬢様達も一番美味しいて言ってくれるし、お世辞かもしれんが。


醤油を作るのは、なんとなく分かってたから普通にできたが、ワサビは難しい。

ワサビって植物だしな。

狩人のババアにそれとなく植物を聞いといたら、あるらしく取りに行く。

海が近いので、ついでの海産物も取っといた。


「何作ってるのよ?」


「寿司です。食いますか?」


「生魚なんて食べるの?」


「ジョセ、いいから食え。」


ジョセは俺の強い口調に弱い。


「ふん。」


不満な態度を見せつつも、寿司を食べる。


「!!」


「美味しいでしょ?」


「美味しいわ。さすがりゅうね。」


「どういたしまして。」


どうやら、お寿司の美味しさが分かったらしい。

他のみんなにも分からせた。次は蕎麦でも作りたいな。

とりあえず、満足したので、魔法の訓練に励むことにした。

日常生活でも使える魔法なので、常に発動するようにして、魔法力と魔法の操作の訓練になる。

俺の実力は銀1級のちょうど真ん中。

この魔法を使いこなせたら、金3級もいけるかもしれんな。

最近、忙しかったし、ゆっくり頑張りたいな。




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