バッタ
「とりあえず、毒を撒くぞ。」
グリをおんぶさせて、両手を開ける。
収納袋から採取した、植物を全力で握って、汁を搾り出す。
この絞り汁をグリに風の魔法で農作物にかけまくる。
俺の手に激痛が走る。これ、猛毒だろ。
畑に毒を撒き終えてから、ポーションを手にぶっかけて、回復する。
「一応、数を減らしておくか。」
グリに魔力回復薬を飲ませてから、黒い雲の方角に向き直す。
収納から、魔剣を取り出す。魔力を込めれば魔法が使えるという超高級品だ。
ただ、一定回数以上使ってしまうと、壊れる。回数制限のある代物だ。
俺が取り出したのは、炎の魔剣。
なる別近づいてから、全力で跳躍してからこれをとにかく、黒い雲にブッパする。
焼け石に水だ。圧倒的な物量。俺が炎の魔法を使えれば、殲滅できるのだが。
それでも、数を減らしまくる。
それでもやはり、殺し切ることは不可能だ。
「群れのボスだ。そいつを見つけなければ。」
この大きさの群れならボスがいるはずだ。そいつを殺せれば求心力が無くなるはずだ。
しかし、これほどの大きさの群れだ。情報によれば、ボスと他のバッタの違いは少し色が赤いこと。見分けられるはずがない。
俺は集中スキルを全開にして、全力で見分ける。見つからない。
村への侵入を許してしまうが、グリが風魔法で炎を操作して、建物が燃えないように数を減らしていく。
俺はとにかく移動しながらバッタどもを踏み潰しながら、ボスを探す。
それから5分もすれば、畑は食い潰された。しかし、
「やっと見つけた。」
俺の集中スキルがようやくボスを見つけて、踏み殺した。
群れの動きが確実に鈍くなった。今まで一つの方向に進んでいた奴らが、動きが全方向になった。
ここからは、とにかく数を減らしていった。
高速移動すれば、勝手に踏み潰されるしな。俺はかなり楽だ。グリにはきついかもしれないが。
2時間後、大方のバッタは死んだ。グリは疲れ果てて寝てしまった。
「こんなもんでいいだろう。あとは、自然の力でどうにかなるだろ。」
とりあえず、グリを片手で抱っこして、片手で槍を握って狩人の小屋のババアの場所まで駆けつける。
「バッタの群れが出た。他はどうだ?」
「早いね。あんたの想像通り、あらゆるところでバッタの群れが出てるさね。」
「そうか。どうすればいい?」
「あんたはとにかく、冬眠してる群れを見つけてきな。」
「それで、どうするんだ?」
「これを使ってきな。」
「これは?」
「これは、安眠の魔道具。冬眠してるやつを起きくすればいいのさ。」
「なるほどな。分かった。村人を頼んだぞ。」
「分かってる。気をつけるんだよ。」
「誰に言ってる。」
とにかく、自分で行ける範囲の場所を寝る間も惜しんでかけずり回って、
地中に眠っているバッタの反応があった場所に安眠の魔道具を使いまくる。
地図に印をつけとけば大丈夫だろ。
念の為、一月は集中スキルを使って、走り回った。
「もう大丈夫か。被害は大きかったがな。」
全世界で同時多発的に起こった蝗害はこの一月で落ち着いた。
大きな爪痕を残して。
とりあえず、荒れた森をかけずり回って、森を調整した。
そこで出た死体。ゴブリンだろうとなんだろうと、食糧不足の今なんでも村人は食べた。
俺の全財産60億リン全部無くなっちまったしな。
マジで、占い師ども仕事しろ。魔王が出たせいで見えなかったとか言い訳ばっかりしやがって。
「今回もお疲れ様。」
「お嬢様達もお疲れ様です。指揮をとられてたとか。」
「本当だよ〜カトリー疲れた〜」
カトリーヌお嬢様は俺の背中に、胸を押しつけてながら甘えてくる。
「頑張ったな、カトリー」
カトリーの頭を撫でるとさらに甘えてくる。
「リュウ君チューして〜」
「分かったよ。」
カトリーにキスすると、アリアとドリーも甘えてくる。
「リュウ様、私にもお願いします。」
「僕も、僕も!!」
「分かったよ。二人ともおいで。」
「あんたはモテるわね。」
「何拗ねてるんだ、ジョセもおいで。」
「ふん。」
4人全員、構ってやれなかったから、相当溜まってたようだ。
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ステータス
レベル 3
力 :235
身の守り:214
素早さ :489
器用さ :401
魔法力 :341
魔法 『風纏い』 支援魔法
スキル
槍術 Dーーー槍を武器にすると、全ステータス上昇。
弓術 Eーーー弓を武器にすると、全ステータス少し上昇。
魅力 Eーーー魅力が少し上昇
耐性 Eーーー状態異常耐性が少し上昇
集中 Eーーー集中が少し上昇
魔法を覚えた。
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