会場の誰もが、リュウの敗北を確信していた。お嬢様達さえも。


大男は完全獣化でリュウに襲いかかる。


「やっとか、やっとだ。」


リュウ小さな声でひとりごちる。

収納袋から小さな岩を取り出し、大男の前に差し出す。


「くらえ、馬鹿野郎。」


会場中を爆音と閃光が包み込む。


「鼓膜はくれてやるよ。」


リュウは、動かず固まっている大男相手に全身全霊の一撃を叩き込む。

狙うは頭。どんな魔物も頭を貫かれたら死ぬ。

普段なら3秒に3発は叩き込める神速の突きは、繰り出せない。

なので、体の体力全てを引き出すような突き。これが避けられたら、敗北が確定する突き。

後のことなど何も考えてない。


その突きが、固まった大男の頭を貫く。


「俺の勝ちだな。」


リュウは気絶した。

大男は絶命した。


ーーーーーーーーーーーーー

10日後


「結局あれはなんだったの?」


「爆弾岩ですよ。僕の切り札ですね。獣化は五感も限界まで研ぎ澄まされますから。」


「でも、相手もそれくらい知ってるんじゃない?」


「だから、最後だけ使ったんですよ。肉を切らせて。骨を立つ。作戦とはこうでなくては。まあ、一か八かの賭けでしたけどね。」


「そうなんだ。作戦ってそれだけ?」


「他のものもありましたけど、獣化して理性を保っている時点で他の作戦は全部無くなりました。」


「そうなのね。それよりごめんね、今回のことは。」


「許しません。ケツ穴確定な。」


戦闘が終わってステータスを見ると。


レベル 2


力   :667

身の守り:641

素早さ :999

器用さ :913

魔法力 :788


スキル 

槍術 Eーーー槍を武器にすると、全ステータス少し上昇。

弓術 Fーーー弓を武器にすると、全ステータス微上昇。

魅力 Fーーー魅力が微上昇

耐性 Fーーー状態異常耐性が微上昇


素早さがカンストしたが、レベルは上がらなかった。

今回、前と同じ勲章をもらった。

四大貴族のうち鉱山の権利はアンダーハート公爵家が4、それ以外の公爵家の取り分は一ずつになったらしい。

流石に、お嬢様達のことが許せなかったので、祝勝会の夜に着飾った彼女達を騎士達にバレないように犯した。

気絶するまで、全員逝かせた。

すると、翌朝


レベル 3


力   :0

身の守り:0

素早さ :0

器用さ :0

魔法力 :0


スキル 

槍術 Dーーー槍を武器にすると、全ステータス上昇。

弓術 Eーーー弓を武器にすると、全ステータス少し上昇。

魅力 Eーーー魅力が少し上昇

耐性 Eーーー状態異常耐性が少し上昇

集中 Gーーー集中が極微上昇


レベルが上がっていた。

もしかしたら、四大公爵令嬢を騎士達にバレずに気絶させるまで逝かせた事は試練になったらしい。

試練の蓄積がちょうどそれでレベルが上がったのだろう。


「それにしても、10歳でレベル3とは。」


「すごいわね。流石、私の婚約者よ。」


歴史上最高のレベルは9。

今の最強は8。

公爵様の筆頭騎士のレベルは7。

こう考えると、俺はかなりすごい。


「気が早いですよ。でも、今回のことで他の奴らが黙っていたのは気持ちよかったです。」


「そうね。あんな奴らのせいで、リュウが死にそうになったもの。」


「お嬢様達のせいですよ。というか、あんなに頑張って勲章一つなんておかしいですよ。」


「良いじゃない。今回稼いだんでしょ?」


全財産 の一億リンを自分に賭けることで、それが30億リンになって返って来た。


「あれは、自分で勝ち取ったお金ですよ。公爵様も器が小さいです。」


「しょうがないわよ。伝統だもの。」


「勲章って売ったらいくらになります?」


「やめときなさいよ。それがバレたら殺されるわよ。四大公爵全員に。」


「それは嫌ですね。僕のことを労ってくれたのはフィーネちゃんとマーク君だけです。」


二人でご飯作ってくれた。大人が手伝ったらしいが。

一緒にお昼寝した。


「私達全員を無茶苦茶に抱いたじゃない。世界で一番の幸福ものだわ。」


「あれはお仕置きですよ。今回は結構やばかったんですから。」


「本当に悪いと思ってるわよ。」


本当に思ってるらしかったので、許しといた。

金が有り余っていたので、教会に一億リンを募金すると巨乳のシスターが抱けた。

次も募金しよ。

名誉騎士の俺は、風俗に行けない。

行ったら、殺されるらしい。お嬢様達に。

街を歩くと、みんな俺を見てる。

俺は、英雄だからな。気持ちいい。


「レベルが3になっても魔法は使えないのか。使いたいな。」


魔法を使えたら、相当楽しいだろうな。

魔法は個人戦相手ではなく、集団戦を相手にするものだ。

基本、俺は一対一しかできないので、すごい羨ましい。


「まあ、今日も狩りに出かけるか。」


さて、いつもより森の奥に進むか。


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