33

「魔法打ちたいな〜」


魔法、一人3つまで魔法を覚える事ができるらしいが、ほとんどの人間は魔法を覚えない。俺もその一人だ。


「リュウ君ならできるよ」


ピンク髪が昨日からぐいぐい来る。


「カトリーヌお嬢様、くっつきすぎです。」


「嫌?」


「そうじゃありませんよ。騎士達が怖いですからね。」


カトリーヌの護衛騎士と専属騎士だろう。


「リュウ君は私に手を出すの?」


「しませんよ。」


「え〜キスもしたのに〜。」


「流石に怖くて手は出せませんよ。それより学校に行けば素晴らしい殿方に出会えますよ。」


「そんな人いないよ。」


目のハイライトが消えた。怖い!!


「じゃあ、一緒に料理でも作りましょうか。」


「やってみる〜」


なぜか他の3人も集まってきた。


「で、何するの?」


ジョセが仕切り出した。


「お菓子作りでもしましょうか。蜂蜜入りのクッキーを作りましょう。」


「いいわね。簡単そうだし。」


騎士達に睨まれながら、俺はクッキーを作る。正直、辛い。

途中から、フィーネとマーク君がきたので、俺の心は救われた。

クッキーを食べて眠くなったので昼寝する。

ピンク髪が一緒に寝るとか言い出したので、ジョセも対抗して、結局6人全員で寝ることになった。たくさんの騎士に睨まれながら。

まあ、俺は図太いから、普通に寝れたが。

俺は一番に起きて、狩りに出かける。

あんだけ騎士がいたら、問題ないだろ。


「ババア、今日は何かないか?」


「ないね。」


「そうか、適当に狩ってくる。」


「気をつけてな。」


「ああ。」


素手でオーガの集団と殴り合って勝った。最高の気分だぜ。


「また、オーガで訓練したのかい。ほどほどにするんだよ。」


「結構楽しいんだよ。」


「相変わらず、おかしな子供だよ。」


「気にするな。俺は名誉騎士だからな。」


「意味わかんないよ。」


「俺もだ。」


最近、金を稼いでも使い道がない。あるにはあるんだが、欲しいものが高すぎて、貯金せねばならん。

端金を貯めるのはめんどくさいので、そこらへんの教会に寄付に行き、薄汚いガキどもに感謝された。クッキーもあげた。

俺は、名誉騎士だからな。

まあ、教会のシスターの巨乳目当てで、通っているんだが。

頭を下げると、乳が揺れるからな。最高だぜ。


街中では俺は有名なので、勝手に道が開く。どんなに混んでてもだ。

多分、悪い噂で有名なのだろう。あんなに人助けしたのに。


「今日は、フィーネのために漫画作りと、マークのために絵本作りだな。」


夜、宿で漫画を書いているとゾロゾロと人が入ってきた。合計44人。

いくら部屋が広いと言っても限度がある。


「お嬢様方、騎士を減らしてください。」


とりあえず、半分になった。半分は外で待機だな。


「この漫画ってやつ、リュウ君が作ってたんだ〜」


「僕も初めて見たけど。面白かったな。ジョセの成績が伸びたのも納得だよ。」


「そうですね。この前までは同じくらいでしたのに。」


「実力よ。実力であんた達に勝ったの。」


実力で俺に負けたんだが。


「今日は4人で話してくださいね。僕は忙しいですから。」


資料に目を通しながら、せっせと漫画を作りおえ。

次は絵本作りに取り掛かる。

4人は喋って、お菓子を食べながら俺の作業を眺めている。


「リュウ君てなんでもできるんだね。かっこいいね。」


ピンク髪は発情期なのだろうか、やたら俺を褒める。


「僕がかっこいいのは生まれつきですよ。ジョセお嬢様もすぐに僕のことが好きになりましたし。」


「なってないわよ!あんたが先に私のことを好きになったの!」


「そうですね。確かそうでした。」


なんか恋バナが始まった。どういう男がいたとか、悪口大会になってたが。

男子は必死なんだよ。かわいそうに。

マーク君の絵本も作り終えたので、少し休憩する。


「みなさん、今日はもう遅いですし、帰られた方がいいですよ。」


「いやよ。今日はここでみんなで止まるわ。」


「騎士の方達がかわいそうですよ。みんな帰りたそうな顔してます。」


「関係ないわ。」


「じゃあ、僕はフィーネちゃん達と寝てくるので。」


「リュウも一緒に寝るのよ。」


「それは無理ですよ。」


「無理じゃないわよ。リュウは変なことしないでしょ?」


「騎士達が許しませんよ。」


「許すわよ。リュウの普段の素行がいいから。」


「素行?」


「人を助けたり、稼いだお金を寄付したり。フィーネ達とも仲良いし。」


「そういうことですか。じゃあ、僕はソファーで寝るので、みなさんはベッドで寝てくださいよ。岸の皆さんは下の階を借りればいいです。」


「じゃあ、そうするわ。」


ハーレム回だ。




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