誇り
翌日
「すげぇ!!本物だ!!」
勲章をつけて、訓練場に行くと、運よく銀2級に上がれたノーリー君が
案の定絡んできた。
「触っていいよ。」
「本当か!!」
ノーリー君はペタペタ触る。こんなのの何が良いんだか。
「なんなら、着けてみる?」
「え!?いいのか!!」
テンション高いな、ノーリー君
俺は勲章を外し、ノーリー君につけてやる。他の騎士達も羨ましそうにこちらを見ている。
しょうがない、みんなにつけてやろう。
それから、狩人の小屋に行き。
「おいババア、これ見ろよ。」
「本当に勲章をもらったんだね〜。すごいことだ。」
「まあな。」
「それより、聞いたよ。ゴブリン達が持ってた装備のお金と討伐報酬全部、村の復興に充てたんだってね。」
「まあな。俺の故郷だしな。」
「かっこいいね〜。私も後、70年若かったら、恋人になりたかったよ。」
「70年wwww。それより、名誉騎士の俺にピッタリな仕事はあるか?」
「そうさね。今回のことで、森が荒れたからね。しばらくは働いてもらうよ。」
「いいさ。俺は名誉騎士だからな。」
夜まで働かされた。俺は貴族だぞ。
ジョセには遅いって怒られたし。俺は貴族なのに。
可愛いのはフィーネ達だけだ。一緒に新しいお菓子、挑戦してみたりしたしな。
こういう日常がいいんだよ。
レベルとスキルが上がったことで、俺は銀2級最下層から、中の下ぐらいまで強くなった。今はステータスが前半だから、伸びやすいしな。すぐにもっと強くなるさ。
俺の強さに合わせて、武器も新調しないといけない。いずれ、ダンジョンにも行ってみたいな。
いや、まずは海だな。
「ここ、数ヶ月は訓練かな。」
ステータスが上がりやすいから、今は基礎固めだな。
村に行って、復興を手伝わないといけないし。嫌、俺が稼いで復興の金を稼いだ方がいいのか。
「ババア、儲かる仕事ないか?」
「あるよ。危険だけどね。」
「あるのか?」
「ああ。今のあんたには任せられる仕事だよ。」
「なんだそれは?」
「蟻殺しだよ。」
「蟻?あのでかいやつか?」
この世界の蟻は子供ぐらいでかい。
「そうだよ。蟻達が繁殖し出したらしくてね。間引いてほしいのさ。」
「女王蟻を殺しても構わないだろ?」
「出来るもんならね。」
蟻の外骨格は武器に加工できらしく、一匹1万リンになる。
討伐報酬は一匹千リンなので、合計1万一千リンだ。
森の奥にいる魔物なので、騎士団はあまり手を出さない。騎士団は人の生活圏に来たものを殺すからな。
それから、適当に荒れた森を整わせつつ、蟻殺しが始まった。
地図にマークをつけて、蟻の巣を突き止めて、蟻を殺しまくる。殺しても殺しても湧いてくる。
3ヶ月は殺し続けた。そうすると、蟻が湧いて来なくなった。
巣の奥に行くと、通常より2段階3段階強い蟻に苦戦したが、少しずつ奥にたどり着いた。ここで、さらにもう一月かかった。
そこには女王蟻っぽい蟻が倒れてた。出産で疲れたのだろう。
優しく殺しといた。
「おお!!やっぱり溜め込んでたか。」
蟻は冒険者達が持ってたであろう装備を溜め込んでいた。小さいものであるが、収納袋があったので、喜んで使う。
「おい、ババア。これを見ろ。」
女王蟻の頭を差し出す。
「本当に殺してくるとは。あんたは狩人としての才能はピカイチだね。」
「まあな。準備こそが狩人の花道だ。」
「いい言葉だ。少し色つけて換金してやるよ。」
この4月で2億リン稼ぎ、半分は故郷の村に、もう一方はオーガの被害のあった村に募金した。
俺は、名誉騎士だからな。
「リュウ、装備を買ってあげるわ。」
「どうしたんですか急に。」
「聞けば、女王蟻の巣を一人で壊滅させたらしいじゃない。」
「4月かけちゃいましたけどね。」
「しかも、そのお金を村の復興の募金したとか。」
「そうですね。」
「その功績に答えなさいって、お父様が言ってたわ。」
「そういうことですか。褒美をもらえるならなんでもいいですよ。」
「さっそく、武器屋と防具屋に行くわよ。」
ジョセはかなり気分が良かった。俺の功績が増えたことが嬉しいのだろう。
俺の体も170cmを超えたので体の大きさに合わせた槍を買ってもらった。
他の装備も今の装備の上位互換を買ってもらった。ジョセは楽しそうだった。
そういえば、来月は食事会だったな。他の3人の公爵令嬢たちに俺のことを自慢したいのだろう。
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