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ジョセは他の公爵令嬢の4人だけで喋るらしい。
それぞれ、騎士を一人ずつ出し合い、扉の前に配置する。
フィーネちゃんは他の公爵家の姉妹、兄弟達と遊んでいたので、
俺は暇になった。
「厨房にでも行くか。」
厨房では大量の料理を作って忙しそうだったので、庭に出て、昼寝した。
良い日和だったからな。
起きたら、夕方になっていた。
「小腹もすいたし、何か作るか。」
俺は、収納袋から髭だるまに頼んで作ってもらった、七輪を使って、
炭火焼きとりを作る。
匂いに釣られて、フィーネとその友達の子供達が寄ってくる。
「おにいちゃんなにつくってるの?」
「お肉を焼いているんだよ。小腹が空いてな。」
「フィーネもたべたい〜」
フィーネ用に小さい串を作り、あ〜んで食べさせてあげる。
「美味しいか?」
「おいしい〜!!」
フィーネの友達も食べたそうにしてたから、全員分作った。
一応、後ろに控えていたメイド、執事達のチェックが入ったが。
「美味しいか?」
みんな、美味しそうに食べる。子供は可愛いな。
みんなでリバーシで遊んで時間を潰し、日も暮れてきたので食事会の会場の中に入った。
「夜食楽しみだな〜。」
「フィーネもたのしみです!!。」
「そうだな。持ち帰れるだけ持ち帰るか。」
「なんでですか?」
「味を盗むためさ。」
「おおー!!かっこいいです!!」
フィーネは本当に可愛いな。頭を撫でてやる。
「眠くないか?」
「だいじょうぶです。おひるねをしましたから。」
「そうか。俺もしたよ。」
晩御飯を待っていると、続々とお皿が運ばれて、それぞれのテーブルに配られていく。
コース料理というやつだな。
全部、美味かった。ちゃんとした料理って感じだよな。
仕込みの丁寧さが伝わる、美味しい料理だった。
食事を済ませた後は、厨房に行き、公爵の紋章の入った短剣を見せてから、
料理を褒めちぎった。
すると、気分を良くしたのか、きょうの料理の仕方を教えてくれた。
食事会はつつがなく終了して、帰宅することになった。
帰宅の馬車では、好きあらば、ジョセが甘えてきた。やっぱり姉妹だな。
「楽しかったですか?」
「そうね。パーティーで会って話すんだけど、4人だけで話すのも良いわね。」
「そうですか。僕も楽しかったですよ。ジョセの可愛いところが見れて。」
帰宅してからは、全速力で村に帰った。
森を抜けるという、近道に挑戦してみたら、1日中徹夜で森を走り続けるという、地獄のような帰郷になった。
その分、翌日には帰郷できたが。
村に帰ってからは、すぐ爆睡して、5日間。思い思いの日々を過ごした。
村の守衛のおっさんに勝てるようになっていた。対人戦の経験値をためたからな。
アリシアパパとも少し良い勝負できるようになった。
村では娯楽が少ないから、森の奥に行って狩りをする時間が、いつもより長くなって、収納袋がパンパンになる。
「アリシアまたな。気をつけるんだぞ。」
「うん。またね。」
別れのキスを済ませたから、行きと同じ道のりで帰った。
それから数ヶ月ほど、特に大きい事件もなく、がむしゃらだが、平穏な日々を過ごした。
そんな、ある日、宿に俺へ来客がきた。
「お前がリュウか?」
高圧的なガキだ。俺と同じぐらいの歳だろう。
「君は?」
「俺はプーツル伯爵の長男ギンリーナ様だ。」
「それで、その長男様がなにようで?」
「平民のくせに俺のジョセに仲良くしてるという噂を聞いてな。」
「さあ?僕が仲良くしてるのはフィーネ様ですよ。」
「む?そうなのか。いや、どちらにしても同じだな。貴様と公爵家との接触を禁止する。これは命令だ。」
「無理ですよ。僕は公爵専属の狩人ですから。」
「知らん。狩人なぞどこでもできるだろ。」
「よく分かんないんで、一応聞いてから、後日連絡しますね。僕は一応公爵の客人の立場にもあるらしいんで。」
「そうか。待ってやろう。」
こいつは、そういうと騎士を引き連れて帰っていった。
このことをジョセに話した。
「これはどうしたら良いんですか?」
「無視でいいわよ。そんな小物。」
「小物なんですか?一国の王子ぐらい偉そうにしてましたけど。」
「馬鹿なのよ。あんな奴が許嫁なんて、なんて私はかわいそうなのかしら。」
「そうですか。でも騎士連れてきてたんですけど。」
「流石に騎士達は公爵の客人に手を出したら、首を切られるぐらい知ってるわよ。」
「そうですか。でも大丈夫なんですか?」
「なにがよ。」
「許嫁がいるのに毎晩、別の男に会ってるって。」
「別にいいわよ。それが許されるから、4大公爵なのよ。」
「へ〜。結局誰と結婚するんですか?」
「許嫁の中で一番優秀なやつよ。少なくともその馬鹿じゃないわ。」
「そうですか。次来たときはどうすればいいですか?」
「なにもしなくていいわよ。いつも通りでいいわ。」
そんなことを言われていたが。
翌日、言われた通り断ったら、決闘する事になった。
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