3
銀3級。
見習い騎士の中が、騎士になれる条件の一つとして、銀3級に上がることが挙げられる。
つまり、銀3級に騎士見習いは極少数で、ほとんどが騎士ということだ。
若い騎士ばかりで、前回のジョセ専属騎士大会で最後に残った騎士達。
全員、銀3級になる。
あんな、強そうに思えた彼らもここでは中の下だそうだ。
「今日はよろしくね。俺はリュウ8歳。」
「俺はノーリー18歳だ。敬語を使え。」
「俺に勝てたらね。」
「串刺しの二つ名、確かめさせてもらうぞ。」
俺は子供で的が小さい。これだけでやりにくいのだが。
俺はさらに、素早さタイプ。
対して、相手は斧を使うパワータイプ。
相手の攻撃は当たらず、俺の攻撃は当たる。
わ相手が粘って、いい勝負になったが、俺が勝った。
「やるじゃないか、ノーリー。歳の割に強いぞ。」
「うるせえ、お前には言われたくない。
相性が悪すぎる。」
横たわるノーリーは息を切らしながら、愚痴る
「次からは、手斧の訓練でもしとくんだな。」
「クソが。」
訓練場で勝って、負けてを繰り返してから、
訓練場を出て、屋敷の敷地内で文字の練習のための簡単な本を読む。
体を休まさないとな。
「リュウおにいちやん。」
「おいで、フィーネ。」
午前の勉強を終わらせた、フィーネを膝に乗せて、一緒にお勉強をする。
お菓子をあげると、美味しそうに食べる。
クッキーがお気に入りみたいだ。
少し、本を読むとフィーネは寝てしまった。
俺は1時間ほど本を読んでから、狩りに出かける。
フィーネはついてきていたメイドに任せる。
軽く、狩りをすませてからは、また勉強する。
フィーネが、お昼寝から起きて、遊びたそうにしているので、
「一緒にお菓子作ろうか。」
「はい!!」
可愛いので頭を撫でてやった。
嬉しそうに目を細めていた。
「今日は、パンケーキでも作ろうか。」
フィーネと一緒にお菓子を作って、一緒に食べる。
この世界のハチミツがクソうまいな。これ絶対高い奴だろ。
お菓子を食べ終わって、フィーネを膝に乗せて、一緒に本を読む。
「汗臭くないか?」
「もりのにおいがします。すきなにおいです。」
「そうか。ありがとな。」
フィーネは夜ご飯を食べるらしく、メイドに連れていかた。
俺は宿に戻って、回復した魔力を使いながら、軽く勉強をしていた。
「こんばんわ。」
「遅かったですね。忙しいんですか?」
「忙しくないわよ。しょうもないパーティーを抜け出してきたの。」
「悪いことをしますね。怒られません?」
「怒られないわよ。挨拶は済ませたしね。」
「フィーネちゃんは出ないんですか?」
「出ないわよ。まだ幼いし。」
「そうか。あんな可愛い子がジョセみたいにすれてしまうのか。悲しいな。」
「何よ、私が可愛くないっての?」
「可愛いですよ。そういえば、今日銀3級で訓練したんですけど、みなさん強かったですね。」
「どれくらい強かったの?」
「銀3級の真ん中ぐらいの実力の人が僕と同じですね。この前、専属騎士の大会で入賞してた人と同じくらいです。」
「へ〜。やっぱり、試練を乗り越えたのね。それも無理して。」
「まだ、怒ってるんですか。試練を越えるのはいいことでしょ?」
「8歳が無理してどうするのよ。少しずつ強くなればいいじゃない?」
「状況が許してくれないんですよ。ところで、何か食べたいものってあります?」
「フィーネとお菓子作ったんでしょ。あれ出しなさいよ。」
「なんか、今日ずっと怒ってますね。何かあったんです?」
「別に。何でもないわよ。」
「そうですか。まあ、人の怒りは満腹になったら無くなりますよ。」
収納袋から、パンケーキを取り出して
毎度のごとく、隊長の騎士のおっさんが美味そうに食って、からジョセに食わせる。
「美味しいわね。優しい味だわ。」
「僕も好きですよ、この味は。」
ジョセはいつもより長く滞在してから、屋敷に戻っていった。
そんな日常を一月、続けて銀2級へ昇級大会が開かれた。
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