重なった
公爵の料理人達にクッキーの作り方を教えてもらい、俺のオリジナルクッキーも作ってみた。
フィーネも一緒に作ったから、料理人達はヒヤヒヤしてたが。
「美味しいかフィーネ?」
「おいしいです。じぶんでつくるとよりおいしくかんじます。」
「そうだな。俺も料理が好きになったのはそれが理由だったな。でも、食べすぎると夜ご飯食べられないぞ。」
「あっ!!そうでした!!どうしましょう?」
「クッキーは明日食えばいいさ。夜ご飯を少なくしてもらうように、料理人達に言っとくか。」
「そうですね。それがいいです。」
フィーネが可愛いので、プニプニして遊んで、時間を潰していたら。
近くにいるメイドと執事からすごい視線を感じたが。
「本当にフィーネと一緒にいるのね?」
ジョセは勉強が終わったのだろう。
部屋に騎士と一緒に入ってきた。
「おねえさま!!」
フィーネは走ってジョセのに抱きつく。
「そんな可愛い妹がいらのなら、紹介してくれたらいいですのに。」
「嫌よ。フィーネがリュウに誑かされるわ。」
「それも経験ですよ。失敗させないように教えるのが教育なら、失敗させることも教育でしょ?」
「取り返しのない失敗になるわ。」
「そんなことしないですよ。それより、僕はどれくらい寝てたんですか?」
「一週間よ。」
「一週間!?三日じゃなくて?」
「そうよ。今日で一週間目になるわ。」
「一週間ってことは騎士団の訓練大会終わってるじゃないですか。」
「安心しなさい。銀3級に昇格らしいわよ。」
「銀3級?銅2級じゃなくて?」
「リュウを銅2級にしても、怪我人が増えるだけってなったらしいわ。」
「そうですか。それで子供達はどうなりましたか?」
「全員騎士に護衛させて村に帰したわよ。誰一人死ななかったわ。」
「そうですか。それは良かったです。」
「良くないわよ。なんで無茶したのよ。あの子達は大人に黙って、馬車に入り込んだらしいじゃない。自業自得よ。」
「やっぱりそうですか。あの道はとりわけ安全ですし。ゴブリンぐらいしか出ませんからね。護衛をつけずに大人一人ならどうにかなりますけど、流石に子供はつれていけませんからね。」
「言ったでしょ。気をつけなさいって。」
「今回は不幸なことが重なっただけですよ。それに、僕は狩人ですよ。自分の限界ぐらい見極めてますよ。」
「何もかも自分勝手だわ。」
「当たり前ですよ。僕は自分に素直になるために強くなってるんですから。惚れた弱みってやつです。」
「別にあんたに、惚れてないわよ。心配しただけ。」
「そうですか。僕は惚れていますよ。」
「ふーん。」
「フィーネちゃんに。可愛いでからね。」
からかっといた。ジョセも可愛いな。
一通り、からかい終えて。
「ところで、リュウに二つ名がついたわよ。」
「二つ名?」
「分かりやすいあだ名よ。死体を回収に言った騎士達が二つ名を勝手につけて、それが広がったのよ。」
「街中を血まみれで、走りましたから、目立ったんでしょ。それで、二つ名はなんです?」
「串刺し、よ」
「串刺し、ですか。そのまんまですね。」
「二つ名なんでそんなものだわ。あなたにピッタリじゃない。」
「そうですね。弓も槍も相手を串刺しにしますからね。」
「狩人の今月のノルマは免除してくれるようよ。」
「そうでしょうね。大物を倒したんですから。銀3級になったんですから、しばしば訓練とお菓子作りに時間をかけますよ。」
「それがいいわ。フィーネもリュウのお菓子を気に入ったみたいだしね。」
それから、いつもの高級宿に戻り、ステータスを確認した。
レベル 1
力 :238
身の守り:225
素早さ :401
器用さ :301
魔法力 :245
スキル
槍術 Gーーー槍を武器にすると、前ステータス極微上昇。
「無茶苦茶ステータスが伸びてる。しかも、スキルが生えてる。今回は辛い試練だったからな。」
魔法力を鍛えたおかげなのだろうか、力よりもステータスが上がっている。
ていううか、俺、力伸びにくすぎるだろ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます