か
「あんた、私の騎士になりなさい。」
豪華な馬車から数人の騎士を引き連れて、美少女だ登場した。
爛々としている赤い髪に赤い瞳。
聞いたことのある声に見たことのある紋章をつけた美少女は開口一番そう言った。
この前のあいつだろ。
「待遇は?」
「え?待遇?」
「給金はいくらで週に何日休みがあるんですか?」
「知らないわよ。そんなこと父様に聞きなさい。」
「それじゃあ、後日にまた連絡してください。待遇を聞いた後に。」
「嫌よ。わざわざ私が来たんだし、騎士になりなさい。」
「僕はこの村ですでに仕事を貰ってますし、放り出すことはできません。後日、改めてご連絡ください。それじゃあ。」
帰ろうとしたところ、数人の騎士達に止められた。
「少年、これは大変名誉なことだぞ。」
この前のあいつだ。めんどくさくなってきた。
「何故、僕なんですか?」
「なんとなくよ。私の勘はよく当たるの。」
「他の人がいるでしょ。そいつらでいいでしょ。」
「嫌よ。私のいうことじゃなくて、父様のいうことを聞くんですもの。」
「そうですか。騎士になったら僕もそのお父様の命令を聞くようになると思うんですけど。」
「それはないわ。」
「何故?」
「そういうものだもの?。」
どうしよう。説明が足りない。
「アンダーハート公爵家を含めて、四大貴族はそういう伝統なのだ。」
騎士のおっさんの言うことも要領を得ない。
「そうですか。騎士って貴族なんでしょ。僕は平民だからなれませんよ。」
「なれるわよ。私が推薦するもの。」
「恐れ多いですよ。僕は非力な子供ですから。」
「聞いたわよ。あんた、私と同い年のくせにオーク15匹殺したんでしょ。」
「実は、その時に負った傷が原因で、もう戦えなくなってしまったんです。」
「嘘ね。」
「嘘じゃないです。」
「少年。本当のことを言わないと侮辱罪で斬首だ。」
やばすぎ。ワロタ。
「嘘です。戦えます。」
「やっぱりね。というかこの村の村長に許可は得てるんだから、これは命令なのよ。絶対なの。」
「そういうことだ。少年。前回とは違うのだ。」
村長の野郎、権力に屈したのか。
どうせ、守衛の人材を派遣するとか、言われたんだろうな。
「分かりましたよ。でも、準備しないといけませんから、後日でいいですか?」
「30分で支度しなさい。」
ぶん殴りたいが、騎士達が強そうなので堪える。
「じゃあ、2時間後でいいですね。仕事の引き継ぎもありますし。」
「引き継ぎ?」
「引き継ぎです。」
そんなのないが、あると言い張る。
「分かったわよ。1時間待ってあげる。」
俺は超特急で村の同年代の少女達つ別れのキスをしまくった。
「アリシア、お前と少し会えなくなるな。」
「少しってどれくらい?」
「一月後には会えると思う。」
「そうなの?じゃあ、ずっといないってことではないんだ。」
「まあな。でも一応は別れだから、キスでもしとくか。」
「うん。しとく。」
アリシアとのキスを済ませた。
「それじゃあ、行ってらっしゃい。」
「ああ、行ってきます。」
「ちょっと待ってくれないか。」
いい感じだったのに、アリシアパパが横入りしてきた。
「これをリュウ君に。」
「これは?子供用の弓ですか?」
「そうだよ。村のみんなが村の英雄にって。」
「そうですか。ありがとうございます。」
「気をつけて行ってくるんだよ。」
「もちろん。」
それから、アリシアのママのアリアさんにハグされて、
アリシア家とはお別れした。
アリアさんの人妻の色気はすごいな。
「遅いわよ。」
「時間通りですよ。」
「私が、1時間って言ったら、30分で支度しなさいよ。」
「次からはそうしますよ。」
俺は、お嬢様と一緒に馬車に乗り込み、二人きりになった。
どうやら、俺の役割はお嬢様を退屈させないための相手役らしい。
「それで、お嬢様のお名前はなんですか?」
「ジョセフィーネよ。ジョセでいいわ。」
「そうですか。それで、ジョセお嬢様はついていって、まず、何をすればいいんですか?」
「学校に行くのよ。」
「えっ、学校?」
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