敵なし

森の奥に行くと、ゴブリンが10匹ぐらい固まってたので、しばいといた。

これで5000リン。ちょろい商売だぜ。

帰ろうとしたところに、武器ゴブリン6匹と出会ったので、こいつらには、木の上から石を投げて、奇襲したのち。逃げ隠れて同じように投石でじわじわとダメージを負わせつつ、

短槍で突き殺しといた。

ステータスは少ししか上がっていなかった。

試練とは見做されなかったかもしれん。


アリシアパパにある大量の耳を渡しといた。

後日、武器ゴブリンの値段を聞いたところ1000リンになったらしい。

まあ、一匹、一匹はそんなに強くなかったからな。

少し、肌の色が違くて良かった。見分けやすい。

その翌日は、はぐれ狼と遭遇した。普通に勝てた。弱いな狼。

これは、討伐報酬は出ないらしい。

理由は畑を襲わないから。ゴブリンどもを食ってくれるから。

しかし、狼の毛皮は街で1300リンで売れるらしく、アリシアパパに任せといた。


ーーー2月後

「ステータス」


名前 リュウ


レベル 1


力   :112

身の守り:96

素早さ :167

器用さ :123

魔法力 :76


「森の浅いところでは向かうところ敵なしになってしまったな。装備のおかげもあるけど。」


未だ、弓は持ってないが、防具はローブに、短槍も新調して、ワンランク上の武器を買った。

やっぱり全然違うな。装備って大事なんだな。

魔力の使い方も前よりは上手くなったと思う。

最大出力も上がったしな。


「明日、街に連れて行ってもらおうかな。食材は自分で選びたいし。」


前と違って、職業を得たので、子供扱いはされない。大人として扱われるってほどでもないが。


翌日、今度街に買い物する時、連れて行ってくれと言ったら、最初はダメだと言われたが、ゴネまくって何とかした。


「何で、そんなに街に行きたいんだ?」


「街では美味しいものがたくさんあると聞きます。」


「それだけか?」


「それだけですよ。後、単純に好奇心です。」


「そうか。俺もお前ぐらいの頃は街に憧れてたからな。」


守衛のおっさんの昔話が始まりそうだったので走って逃げた。

街は意外と近いらしく、馬車で一日で着くらしい。


数日後、初めて街に行く日だ。

アリシアからはすごい羨ましがられた。


三台ぐらい農作物を入れた馬車を農家のおっさん達が引いて、守衛達がそれを守りながら街へ向かう。

馬はなんか地球で見たものよりも力強かった。魔力を使っているのだろう。

俺も何となく、辺りを警戒しといた。暇だし。


「襲われることってあるんですか?」


アリシアパパに聞いた。


「ないよ。襲われるとしたらゴブリンぐらいかな。」


「盗賊とかっていないんですか?」


「ここら辺は領主様のお陰で平和だし、そもそも僕達を襲ってもお金にならないからね。」


「そうなんですね。」


「そうするようにこまめに街に農作物を売りに行ってるからね。」


「へー。街に冒険者ギルドがあるって本当なんですか?」


「あるにはあるけど、冒険者になりたいのかい?」


「いえ、なんとなくやってる仕事が僕に似てますし、気になったんです。」


「そうかい。でも、冒険者はやめた方がいいよ。実力と信頼がないとただの荒くれ者さ。煙たがれる存在さ。」


「そうなんですか?冒険者の信頼って何ですか?」


「その地域での依頼達成度だね。」


「冒険者ランクとかないんですか?」


「大昔にあったらしいけど、偽装する奴らが後を絶えなくて、亡くなったらしいよ。」


「そうなんですね。情報の共有とか難しそうですもんね。」


「そうだね。冒険者は渡り鳥だから。」


「ところで、食事の美味しいおすすめの店とかあります?」


「あるよ。いくつか案内するよ。お酒は飲めないから、屋台とかいいかもね。」


「屋台ですか?どういう物を売ってるので。」


「タレが美味しいお肉だよ。野菜とも合うしね。それに美味しいスープを売ってる店もある。」


「へー、ぜひ行ってみたいですね。」


「そうだね。リュウ君はお金があるし、食べ放題だね。」


「そうですね。このためにお金を稼いでますから。」


「そうだね、それがいいよ。」


守衛達も家族ができるまでは好き放題、街でお金を使ってたらしいが、家族ができてから、抑えるようにしているらしい。

職業上、いつ死んでもいいようにかなりの備えが必要らしい。


それにしても街か、楽しみだ。

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