職業、狩人
狩人はこの村にもいる。
そいつらが、狩ってきた獲物をみんなで山分けするんだが。
俺の職業は狩人になるらしい。
魔物駆除人じゃないんだ。
適当に村の狩人達に挨拶しといた。
それぞれの担当地域があるらしいが、興味ないので、無視しといた。
だって、こいつら魔物を相手にしないし。
「それにしても弓か、俺も使えるぐらいデカくなりたいな。お金貯まったら子供用の弓でも買ってもらおう。」
そんなことを思いつつ、いつも通り訓練して、森に入り、肉を食って、ゴブリンでも殺して、耳を切り取りアリシアパパに渡しといた。
換金してくれるらしい。
「リュウはすごいね。大人の仲間入りだ。」
「そうだな。アリシアも今の内に花嫁修行でもしとけよ。」
「花嫁修行?」
「家事が出来るようになれって事だよ。何もできないだろ。」
俺は面倒を見られている側なので、ある程度気を使って家事を手伝っているが、アリシアは全く手伝わない。
「家事ぐらいできるもん。」
「そうか、アリアさんに言っとくな。」
アリシアパパ不満そうな顔をしてたが、この家は家庭菜園程度の畑しかないし、農業出来ない以上、狩人か守衛か嫁になるぐらいしか選択肢がない。
こいつは遊んでばっかだから将来が心配だ。
俺が嫁に貰わなくちゃ。
「大体、ミリーヌは家事を手伝ったてたぞ。それに比べてお前は毎日遊んでばかり、このままだと俺はミリーヌと結婚することになるかもしれん。」
「えー!!何で!ミリーヌは関係ないじゃん。」
「ミリーヌみたいに家事を手伝ってたら話は別だがな。」
この言葉が聞いたのだろう、アリシアは少しずつ家事を手伝うようになった。
こいつのクソまずい料理を食わされたので、アリシアパパに全部あげといた。
娘の手料理を食べれて幸せだろう。
「防具ってどれくらいの値段で買えるですか?」
「そうだな、正直リュウ君はすぐに大きくなるだろうし、ローブがいいよ。」
「ローブ?」
「魔力を通しやすいローブだね、魔物の素材から作られてるんだけど。武器なら体が大きくなっても使えるし、武器にお金かけたほうがいいかな。」
「そうですね。そうします。」
「それで、値段だけど。ローブなら10万リン。武器は素材と鍛治師によるかな?」
「ちなみにこの短槍はいくらぐらいなんですか?」
「5万リンだね。安物だよ。」
「へー。高くなると何が違うんですか?」
「魔力が通しやすくなるのと、単純に武器の性能が高くなる。切れ味も頑丈さも。」
「そうなんですね。まずは10万リンを目指しますよ。僕は防具がないですからね。」
「そうだね。それなら安心できるよ。」
お金が貯まったら、ここら辺じゃ取れない野菜とかも買ってきてもらおう。後、香辛料も甘い物も。
「そういえば、子供用の弓っていくらぐらいですか?」
「弓?弓が欲しいのかい?」
「楽に獲物を狩れますからね。」
「それはそうだが、弓と矢を背負って森を走るより、そこら辺の石を投げた方が簡単だろ?」
「それはそうですが、弓も使えるようになっといた方が良いでしょう?」
「そうか、頑張りなさい。それで、弓の値段だけどこれも素材と鍛治師によるかな。」
「そうですか。それじゃあお金が貯まってからにします。」
「それがいい。お金はこの村ではあまり使わないけど、街ではお金でしか売買は出来ないからね。」
「そうなんですね。初めて知りました。」
この世界でのお金でのやり取りもいつか聞いとかないとな。詐欺とかも。
「森で何かあったら、逃げるんだよ。」
「分かってますとも、自分の限界は見極めてるつもりです。今までだってそうでしょう?」
「そうだね。そこは認めるよ。でも、リュウ君は急いでいるように見えるから。」
「カッコ良く見せようとしてたんですけど、そう見えてましたか。」
急いでたのはそうだろう。うまいご飯を食べることはかなり優先度が高いしな。
とりあえず、10万貯めないとな。
明日は奥まで森に行ってみるか。
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