第161話 リザルト
~非通知情報記録域~~~~~~~~~~~
・・・
>>永遠に溶けざる凍海氷灼、リーネレアンが死亡しました。
>>遠き光輝の皓玉輪(?)、不破勝鋼矢の〖
>>〖進化〗が可能になりました。
>>遠き光輝の皓玉輪(?)、不破勝鋼矢が〖スキル:空蝉〗を獲得しました。〖スキル:転瞬〗が統合されました。
>>〖スキル:背水陣〗を獲得しました。〖スキル:土俵際〗が統合されました。
>>〖スキル:明鏡止水〗を獲得しました。〖スキル:集中〗が統合されました。
>>〖スキル:一転集中〗を獲得しました。
>>〖スキル:コールドブロック〗を獲得しました。
>>〖スキル:勇気〗の取得条件を達成しました。
>>〖スキル:勇気〗を獲得しました。〖スキル:愚行〗が統合されました。
・・・
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「(勝っ、たぁぁ…………ッ!)」
“極王”の、〖王獣〗の魂を葬り去った感触に、どっと全身の力が抜ける。
少し遅れて〖レベル〗が上がり、これまでにねぇくらいの力が湧いてきた。
「(けど、それだけじゃねぇよな。こんだけ戦ったんだし〖スキル〗もいくつか上位化して……っと、その前に。空間拡張袋が壊れちまったしこれ出しとかねぇとな、〖武具格納〗)」
異空間から鉄球を一個取り出し、その辺に転がしておく。
それから〖ステータス〗を表示させれば、見覚えのねぇ〖スキル〗達が大量に加わっていた。
~スキル詳細~~~~~~~~~~~~~~
空蝉 回避時、行動速度に補正。常時、動体視力に補正。四時間に一度、〖マナ〗を消費して付近の地点へ転移できる。
背水陣 常時、その場に留まる力に補正。二十四時間に一度、〖ライフ〗が全損する時、代わりに〖ライフ〗が1残る。〖ライフ〗が最大値の一割以下の時、〖パワー〗と〖スピード〗に補正。
明鏡止水 一つの事柄に取り組む時、集中力に補正。常時、精神干渉耐性に補正。常時、思考速度と混乱耐性に補正。
一点集中 同一個所への連続攻撃時、威力に補正。
コールドブロック 一時的に身動きが取れなくなるが、その間自身と武器の強度、冷気耐性に補正。
勇気 勇気を宿す時、全ての能力に補正。常時、魔障耐性に補正。死亡時、一時的に限界を超えて行動できる。
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それぞれ〖空蝉〗は〖転瞬〗が、〖背水陣〗は〖土俵際〗が、〖明鏡止水〗は〖集中〗が上位化した〖スキル〗だろう。
常に思考加速を行える〖明鏡止水〗は言わずもがなだし、〖空蝉〗も一回きりの奥の手として頼りになる。
〖一点集中〗と〖コールドブロック〗は新しい〖スキル〗だ。
〖コールドブロック〗の方は完全な新規ってより、〖ブロック〗から派生したみてぇな感じだけど。
もしかすっと〖一点集中〗も〖集中〗の派生なのか?
「(そんで今回一番の成果は〖勇気〗だな)」
〖勇気〗は……というか〖愚行〗もだが、神様曰くこれらは特殊な〖スキル〗らしい。
〖サーガスキル〗と言って、取得するのに特別な条件が設けられている。
例えば〖愚行〗の取得条件は『生存以外を目的として、命懸けの危地に臨む』。
しかもこの『危地』は自身より階梯が高い存在の起こしたものじゃなきゃならねぇ。
こうして条件を満たした上で、一定以上の熟練度を貯めることで取得できるのが〖サーガスキル〗だ。
手順が面倒な代わりに効果は強力なのだそう。
「(話を聞いた時からぜってぇ〖勇気〗に上位化させねぇとって思ってたんだ)」
〖愚行〗の発動条件は階梯が上、あるいは〖レベル〗が一・五倍以上の相手と戦うことらしいが、この条件じゃあ〖王獣〗に〖進化〗したらカオス相手に使えねぇことになる。
せっかくの強力な〖スキル〗なのにそれじゃもったいねぇ。
けど、〖勇気〗に上位化すればオレの心の持ちよう次第でカオスにも発動できる。
上位化条件も『自身より階梯が高い者を、その合計〖レベル〗が九百九十九以上になるだけ殺害する』で、“極王”に挑もうとしていたオレにとってはお誂え向きだったしな。
勇気を宿すって発動条件は少し曖昧だが、要は気合を入れるってことなので真剣に戦えば大丈夫だって聞いた。
「(これで〖スキル〗の確認は終わったが……肝心のがまだ残ってるよな)」
直観があった。
“極王”との闘いの最終盤、確かに、【ユニークスキル】の真髄に届いたような、芯を喰ったみてぇな手応えが。
まだ〖ステータス〗表示には反映されてねぇみてぇだが、オレの感覚は新たな境地に至ったことを──、
~非通知情報記録域~~~~~~~~~~~
・・・
>>【ユニークスキル】の理解度が閾値を超過しました。
>>【ユニークスキル】が共鳴しました。
>>【真化】が発生しました。
>>【
>>解析を開始します。……………………解析完了時間、未定。
>>暫定解析結果を〖ステータス〗に追加しました。
・・・
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~ユニークスキル詳細~~~~~~~~~~
【栄枯雷光輪廻】
・収穫量を最大にします。
・大地を強化する、もしくは生命を収穫する、ないしは形を定める雷を扱えます。(NEW)
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──どうやら【ユニークスキル】の上位化も起きたようだ。
〖ステータス〗で情報を見てみる。
「(形を定める雷、か。なるほど、そういう表現もあるか)」
開花した力の説明を見て頷く。
【ユニークスキル】の効果や使い方は感覚的に分かるが、やっぱ〖ステータス〗で言葉にしてくれると分かりやすい。
「(……けど、オレの掴んだ本質はもっと……いや、その辺は帰ってから調べりゃいいか。今はそれより……)」
能力の確認もざっとは終わったし、目下の一番の興味、即ち〖進化先〗についても見ていこう。
まあ、今回の候補は一つだけだが。
〖王獣〗まで来るといくらオレでも選択肢はなくなっちまう。
時間を掛ければまた違うかもだが、それを試す暇はねぇ。
十分に……否、十二分に強そうだしこれにするとしよう。
「(オレは──おっ、迎えが先だったか)」
「勝ったの!? コウヤ君!」
『おう、バッチシ勝ったぜ』
〖武具格納〗から出していた鉄球の近くに孔が開き、そこからポーラがやって来た。
普段着だが北極の冷気に震える様子はねぇ。〖マナ〗の感じからして魔法の力だろう。
彼女もオレが戦っている間、鍛錬に励んでいたようだ。
「これが、“極王”かぁ……。死んでるはずなのにとんでもない〖マナ〗だね……。んんっ、それはそうと〖エリアストレージ〗!」
『このサイズを収納できるようになったのか』
「えへへっ、まーね。時間も惜しいし早く帰ろ」
『だな』
そう答えると、潜りやすいよう広げてくれた孔を通り、オレ達は北極を後にした。
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