第14話 ワインとティーカップ

 昔ヶ、ある所に、おばあちゃんの家に遊びに行く娘がいました。

 パンとワインをカゴに入れて楽しそうに向かっていきます。

 びっくりさせようと、ドアベルも鳴らさずにこっそり家に入ろうとすると。


 なんと、オオカミがおばあちゃんを襲おうとしてました。

 それに吃驚した娘は、カゴのワインを手に取り。


「嫌ああああああああああ!!!!」

「なんd」


 綺麗なフルスイングでオオカミの頭を叩き割りました。

 衝撃を頭に被ったオオカミは、そのままワインの海の海に沈み気絶してしまいました。

 咄嗟に動き息を切らす娘、恐怖と混乱でフリーズするおばあちゃん、倒れたまま動かないオオカミ、暫くの間沈黙が流れると………


「痛え、、、」

「「!?」」


 オオカミが少しフラつきながら立ち上がりました。

 2人はその様子を顔を青ざめましたが、どうやら様子がおかしく。

 まるで見知らぬ部屋に迷い込んだかのように辺りを見回すのです。

 そして、2人の事を見比べて。


「すまん、俺は何をしに来ていたんだったか?」

「え、えっと、それはねぇ……」

「皆でお茶会しようとしたんだよ!ね、おばあちゃん?」

「そう、そうだったわねぇ。」

「お茶会、そうだった気がするな?」


 どうやら記憶を失ってるようです。

 娘は咄嗟に嘘をつき、おばあちゃんは何とかそれに合わせます。

 それからは2人と1匹の奇妙なお茶会が始まりました。

 爪で身長にカップを取り、あまり食べたことが無い肉以外の食べ物に舌鼓を打ちながら、オオカミも楽しんでいるようです。

 これを機に、オオカミは夜な夜な人を襲いお茶会を開くようになったんだとか………


 何はともあれ、仲良く談笑をしていると外が慌ただしくなります。

 あまり穏やかでは無い様子を感じ、目を向けていると。

 ドアを蹴破り、銃を持った狩り装飾の男が入ってきました。


「大丈夫か!今助けてやるぅ、んん???」

「お前、なんでコイツらの家を壊した。しかも銃まで持って危ないじゃないか?」

「あ!狩人さん!一緒にお茶会しよー!」

「後で扉は直してくださいねぇ。」

「え、えぇ、、、?」


 何故か怒られてしまう狩人。

 誘われるがまま扉を直し、席につき、オオカミにお茶を注がれるがまま参加する。

 こうして、3人と1匹はのんびりと最後までお茶会を楽しみました。

 狩人は狩りに、オオカミは山へ、赤ずきんは自分の家へと帰って行き、おばあちゃんは新しく4つめのカップセットを用意して、大切に棚へと仕舞いました。

 めでたしめでたし


「、、、、あれ?そもそも何でワインで俺は濡れてたんだ?」

 

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