第6話 竜との契約
俺とギーアはベータドラゴンと戦いを繰り広げる仲間の様子を見守っていた、
「どうするのりゅうま、加勢する?」
「いや、でも不安だから弱い魔法でベータドラゴンを撹乱でもしようと思う」
その時、ベータドラゴンとは違う気配がした。
「なんだ?」
「りゅうま、どうしたの?」
「……いや、なんでもないさ。それよりも終わったみたいだぜ?」
「結局魔法を使うまでもなかったね」
リーダーはベータドラゴンが倒れたことを確認して
「よーし、お前ら!素材の回収作業に移るぞ!」
「お前ら二人は辺りを見張ってろ!」
「はぁ、了解」
「やる気のない返事ね。」
しょうがなく周りで警戒していたが、とくに何事もなく素材の回収が終わった。
帝国までは一緒に行動することになっているため二人だけで急いで帰る訳にも行かない。それと嫌な予感がしてならない
「……ギーア、気をつけたほうがいいかもしれない。なにか来る!」
「やっぱりりゅうまも気付いてたのね?」
どこだ、どこから来る?
「!?ギーア下だ!」
(なんだこいつは!?)
地面から出てきたのは角が3本ある巨大なドラゴンだった。その姿を見たリーダーはすぐに全員に言った
「……地竜だ、」
どことなく怯えている様子がみて取れた。
「ギーア、あいつの名前なにか分かるか?」
「地竜種、グランドデストロイヤー!意味は『地中の破壊者』」
「同時に攻撃してみるぞ!」
「わかった。」
「「魔神竜第二式、爆災竜破!」」
「っ!?、かってぇ~」
俺の剣はなんともなかったが、ギーアの剣を見ると根元から折れていた。
「嘘……。」
自分の剣を折られてプライドが傷ついたんだろう、なんだかんだ言ってギーアの心は脆いから。その時、俺は地竜がギーアにブレスを放とうとしていたのに気がついた、
「ギーア!避けろ!」
「はっ、」
直前で正気に戻ったようだったが、受け身を取り損ねて20メートルほど吹っ飛ばされて木にぶつかった。
「…………」
(意識を失ったのか?どうすればみんなを守れる?……クソッ!、本来の力を使えればこんな奴!あぁ~~~自分が無力なのが憎い!)
その時なにかの声がした。
「……ねぇ、君がりゅうまだろ?」
「!?、誰だ!」
周りにこんな声を持っている奴はいない、それにこの感じは頭の中に直接響いてくる感じだ。
「一体誰なんだ!なんで俺の名前を知ってる?」
「まぁ落ち着きなよ。それよりも、『契約』に興味はないかい?」
「契約?、なんの?」
「なんの契約か、それは置いておいて、このままだったらここにいる全員死ぬ!さぁ、どうする?」
「チッ、もう分かったから契約ってのはどうすればいい?」
「契約者の同意が必要なだけだったよ、その同意もすでにもらったから。」
「おい待っ……」
気がつくと元の状況に戻っていた。頭の中に直接話しかけてきた奴はなんだったのか?
「あぁ~もう!、今はそれよりも……」
やるだけやってみるか、
「まずは試しに、魔神竜第7式、雷神破斬!」
雷神破斬を受けた地竜の角は折れ片目が潰れている。
(行ける、今はなぜか魔神竜の負荷がない。それに一撃でこのダメージ、……やってやるか)
「今できるかはわかんねぇが、やるだけやってみるぜ?魔神竜第八式、絶竜乱舞!」
技を放ったあとは結局気絶して気がつくと辺り一面雷が鳴り響き、雨が降り、地面は地竜が掘った穴と絶竜乱舞で空いた穴が重なっていて、規模で言えば確実に絶竜乱舞で空いた穴のほうが大きいだろう。
この技に耐えられた俺の剣は、ふと俺が今持っている剣を見ると皇帝時代の時に俺が愛用していた魔剣『竜魔』が握られていた。
「……お前、どうやってここに来たんだ?」
もちろん剣に話しかけても返事はない。
そもそもこの剣がここにあること事態がおかしんだ。『魔剣』竜魔は俺の行方が分からなくなったと同時に紛失した幻の剣だ。考えているとまたあの声が聞こえてきた、
「どうだったかな、愛用の剣と再開した感想は?」
「…………正直二度とこの手で触れることはないと思ってた。」
「そうか、それは良かった。きっとその剣も喜んでいるよ?」
どうだろうな。
「それはそうと、君は今から1ヶ月以内に僕の本体に出会わなければ最悪死ぬことになってしまう。」
「はっ?、どういうことだ?」
「君との契約の内容の一つは、僕の兄達を止めてほしい。」
「……は?」
「正確には僕の姉と兄の二人の魂を喰ってほしい。」
「なるほど?」
「ちなみに僕の名前は、『暴走竜アルファ』これからは君の召喚獣だ!」
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