第2話 弱体化した身体

リュディアさんと一緒に辺りを調べる時に聞いたのだが、どうやらこの世界にも俺がいた世界と同じように冒険者と言う職業的な物?があるらしい、俺の世界の冒険者は違ったが、冒険者にはそれぞれランクがあり下からF,E,D,C,B,A,Sの順番で7段階のランクがあるらしくて、Sランクはこの世界にまだたったの7人しかいないらしい。リュディアさんのランクを聞いてみたらなんとSランクの一人だと言われた、

「!?、そのたった7人しかいないSランク冒険者の1人がリュディアさんなんですか!?」

「まぁな、あとSランク冒険者の中でも順位はあって、俺は今実力1位、つまりは全冒険者最強なんだ!」

「……俺が冒険者になるとしたらどこまで行けると思いますか?」

リュディアさんはしばらく考えてから俺に言った。

「少なくても、お前はBランクは絶対に行ける!、この俺が保証するぜ?。」

「なんだか、最強の冒険者に言われると説得力があるような、ないような……」

そうやって道中この世界について話をしていたら、

「ここが、お前が倒れていた場所だ。」

「これは!?……」

「驚くのも無理はないだろうな、……この場所は今、死の森または死の森林とも呼ばれている。」

それってほぼ、同じなんじゃ?

「ここで、俺は……」

やっぱりヴェルゼラからの攻撃で気を失ってからの記憶がない、

「どうしたんだ?、頭を抱えて」

「いや、ちょっと記憶を呼び起こそうと……」

それからは二人とも別行動で辺りを調べていたが、結局なにも見つからずに辺りはすっかり暗くなってしまった。

「今日はもう帰ったほうが良い!、夜になると魔物の動きが活発になるからな」

「リュディアさんでも夜の行動は避けるんですか?」

「あぁ、俺がまだBランクの時、夜に行動していたら魔物の気配に気付かずに不意打ちを喰らって危うく死ぬところだったからな。それ以来はよっぽどのことがない限り夜はおとなしくしている。今はもう帰ったほうが良い!それに俺の帰りが遅くなるとあの村が魔物に襲撃される!」

「まだ聞きたいことはありますけど、早く戻ったほうがいいですね。」

そして、リュディアさんが転移魔法を発動させて何事もなく帰ってこれた。「転移魔法とやらが使えたならはじめからそれで行けば……」とリュディアさんに言ったら、「あっ!?」と言ってやっちまったみたいな顔をしていた。リュディアさんの少し意外な一面を見れたなぁ。それからはリュディアさんに借りた部屋に戻って寝た、今さらだけど、いろいろやってくれて感謝しないとな。俺はリュディアさんに感謝しながら眠りについた、


俺が目覚めるとなぜか焦っている様子のリュディアさんがいた。

「リュディアさん!?」

「りゅうま、やっと目覚めたか!」

「なにがあったんですか?」

「そうか、お前は知らないのか……、お前は丸2日ほど起きなかったんだぞ?」

「……2日!?」

俺が驚いているとその時近くで爆発音が鳴り響いた、

「またか、……りゅうま、起きたならこの村から一旦逃げろ!」

「……はい。」

リュディアさんの様子からしてただこどではないと思った。「またか」ってリュディアさんが言ってたから同じようなことが何度も起きてるんだろう、俺はとにかく村の外に向かって移動していた。皇帝だったときの俺ほどじゃないが圧倒的なオーラを持っている奴がいるみたいだ、

りゅうまがしばらく逃げていると建物の影でうずくまっていてまったく動こうとしない子供が合計7人ほどいた、怯えているようにも見える。その理由を考える暇もなく答えにたどり着いた、その建物の表にドラゴンが2体いた。

「まじかよ、ドラゴンが二体!?」

助けたいが、今の俺の身体でどこまで戦えるか分からずにとにかく様子を見ているとドラゴンの一対がその子供たちを見つけた。

「もうやるしかないのか!?」

俺は皇帝だったときの剣技を使う構えに入った、

「最悪の場合、相討ちだ!。魔神竜第八式、絶竜乱舞!」

基本的にこの技の威力はどんな魔法剣にも負けないほどの威力がある、しかし、その代償として己の体力を極限まで消費する、前の世界では身体が強靭すぎたから消費する体力も少なく連発できるほどではなかったが、けっこうな頻度で放てた。俺の剣技、魔神竜の中でも最強の技絶竜乱舞は威力は他の技よりも若干低いが、圧倒的な連撃で押しきるような技。あと、この技を使っている時は魔力の消費が驚くほど少ない、だから剣に魔法を纏わせて攻撃することもできたわけだが、

「なっ!?、俺の剣が折れた!」

自分では気付いてないがこの肉体では絶竜乱舞は負荷が大きすぎて使えないのだが子供を助けたいと言う純粋な願いの力で技が放てたのだ。しかしその放たれた技もドラゴンの鱗によって弾かれその結果剣を折ることになってしまった。

相手のドラゴンがブレスを放とうとしている。もうダメだ、そう思ったとき。

「くらえ、ドラゴンブレイク!」

その一撃でドラゴンの片方は真っ二つに切れた、

「……ちょっと待ったか?、りゅうま」

その命の恩人はリュディアだった。


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