第20話
「アリドーシさんは本当にいろんな国を巡られてるんですね。」
ダリルは先ほど宮殿での会話を踏まえ、車中でアリドーシに話しかけた。
「いろんな国や土地でいろんなものを知り、それを踏まえていろんな物を運んで行く。行商とは交易の一端を担う役目なんだぜ。」
アリドーシはなおも得意気な様子だ。
「今日聞いただけでも、自分の知らない土地の名前がたくさん出てきました。でも、どこも良いところそうだったな~。」
ダリルがそれぞれの土地に想いを馳せているその様子をアリドーシは横目で見て、改まったように言った。
「ダリル、俺が今日話したのは俺が行って、見てきた「良いところ」だけだ。当然だが、世の中はそれだけじゃない。良いところもあれば悪いところだってある。良し悪しの判断も人それぞれだろうが、罪もない人たちから大切なものを奪うのは大抵は悪いことだろう。そういうところがあるのはお前さんもよく分かっているだろう。」
ダリルはそう言われ、自分がまさに経験したことを思い出した。
それは突然の出来事だった。
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