第13話 ハルア対アレン
アンナレッタが覚えたての水の呪文で、固められた足から自由になって、ハルアの後ろに避難した。
その間に、アレン・シュナイダーの風の精霊の噂を集めていた。
そして驚いた。
「人間牧場!?」
アレンは、アンナレッタのボソリと言った言葉に反応した。
<ゴンガガ山の麓に村があると聞いたことはあるな……それのことかな……>
「流石に精霊だな……わずかな時間で色々な情報を集めるのが上手い」
アレンの言葉にリカルドは、思い切り不快な顔をした。
「褒めたのだがな。あそこは、魔族様のの村だ。魔族様に贄を出す代わりに、人間は、豊かに暮らしていける天国ですよ」
「お前は、無事なんだな……」
アンナレッタは静かに言った。
「契約してきましたからね、親を贄に差し出して。ロイルの姫を殺して、その血を魔族に捧げれば、村を解放すると」
そう言って、アレンはハルアに飛びかかってきた。
滴った血と、地面の土を融合させて硬化させた、強靭的な全身アーマーを纏っていた。
「何が悪い!!この世は、初めに闇から生まれたのだ。魔族の者だ!!
後から生まれた光の神など、滅ぶべきだ!!」
ハルアは、毅然と立ちはだかる。
カーン!!
ツバイヘンダーを撃ち込んでも鈍い音がして、アレンの身体はビクともしない。
それほど、身体を硬化していたのだ。
アレンは、不敵に笑ってハルアの後ろに避難していたアンナレッタを狙ってきた。
「姫、お命頂きます」
「嫌に決まってるだろ!!」
アンナレッタは、リカルドを呼んで飛んで逃げた。
そして、覚えたての火の呪文で、炎を呼んでみたがアレンはビクともしない。
「ハルア!!気を付けろ~そいつの防御は並大抵じゃないぞ!!」
「大丈夫ですよ、アンナ様」
一瞬だけハルアは、上空のアンナレッタを見て笑った。
刃が通らなくても方法はある。
「逆転の発想です」
ハルアは、ツバイヘンダーの切先を握り柄頭で思い切りアレンの頭を殴り倒したのだ。
頭が割れて気を失ったアレンは、光の神殿の警備騎士が引き取って行った。
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