第2話 冬夜兄ちゃんが私の本当の兄になるまで

私は兄ちゃんのルーティンを知っている。

これはオフの時の兄ちゃんが見せる姿だ。

兄ちゃんはいつも朝、白湯を飲む。

それから、1日の予定を決めるのだ。

この白湯を飲むというのが重要なのだ。

なぜなら、兄ちゃんはテレビの情報に食いつきやすいのだ。

テレビで白湯が体に良いと言ったら、真似をする。

兄ちゃんはまず人の真似から入り、そして自分のやり方を模索して見つけていく。

それができるからきっとアイドルにもなれたんだと思う。

兄ちゃんの昔話をひとつだけします。

彼は昔、優しくも笑顔でさえなかった。

私と彼が会ったのは母が再婚してからだった。

つまり、私と兄は本当の兄妹じゃないんです。

兄は父の子で私は母の子なので、本当の兄妹じゃないんです。

初めて会った彼は悪魔みたいに計算高くて、妹が泣いててもそれは自分のせいにしないために、全部を私のせいにしたりした。

でも、父も母も彼が私のことを良く思っていなかったことを知っていたみたいだった。

だから、一度私と冬夜兄ちゃんを呼んで話したことがあった。

父は兄を見て言った。

『冬夜、お前は何がしたいんだ。妹を傷つけたいのか?それとも、この家から追い出したいのか?』

兄は答えた。

『違う。ただ俺にとって邪魔な存在だから。だから、やっぱりいいです』

父は詰め寄るように言った。

『言いたいことがあるならはっきり言いなさい。これは、私たちにとって大切なことなんだから』

すると、兄は少し沈黙してから言った。

『俺はこいつじゃなくて、えっとみちるに取られたくないから。俺はみちるばっかりいい思いしてて、だから嫌いだっただけ。本当にごめんなさい』

すると、黙っていた母が口を開いて言った。

『冬夜くん、甘えるのは恥ずかしいことでも悪いことでもないよ。寂しい時は頼りなさい。家族でしょ。それから、冬夜くんこれからは誰かが苦しい思いをしていたら助けてあげてくれる?話を聞くだけでもいいの。ただそこにいるだけでもいいから。優しくすればいつかその優しさがあなたに返ってくるから。だから、みちるにも優しくしてあげてね』

その時の兄ちゃんは何か決意したそんな顔をしていた。

でも、私は幼すぎて話の内容の意味が分からなかった。

それから、兄は怖い存在から優しくて素敵な兄になった。

だから、今では兄ちゃんって呼んでるんだ。

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兄ちゃんはアイドル ソノハナルーナ(お休み中) @eaglet

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