第8話大泣きする笑真の母

帰り道、笑真が


「達矢さんが素敵な理由が分かりました」


「なんだ?それ」


「素敵なご両親に育てられたから、達矢さんは素敵なんですよ!」


「ハハハ、俺はそんなに素敵じゃ無いよ

笑真が見える様になって、俺の顔を見たら

気絶するかもな」


「それは有りません」


キッパリ答える笑真。


「どうして、そう言い切れるの?」


「う~ん私の心の目が、ちゃんと見てる

から」


「そうか、あんまりイケメンは期待しないで

くれよ」


「え~期待して楽しみにしてます」


「笑真、少し性格変わった?」


「達矢さんに出会って、明るくなった様な

気がします」


「そうか、それなら良かったよ!」


笑真の家に着くと、何故か全員が出て来た。

その姿を見て達矢は


(きっと、みんな笑真の事を心配してたん

だろうな)


そう感じた。


「達矢さん、今日はありがとうね、大丈夫

だった?ご両親は」


(やっぱり~)


「はい!笑真を気に入ってくれて、見える様になる迄、頑張ろうって言ってくれました」


「ウワ~ン」


泣き出した母。


「あ、あの~」


「達矢さ~ん、あなたのご両親も、やっぱり

素敵な人なのね!嬉しい~ウワ~ン」


「沙羅!沙羅!泣き止みなさい!大人だろう?」


「大人でも泣く時は泣くのウワ~ン」


すると兄が


「弟君、すまないね!だいたい分かってると

思うけど、我が家で1番手が掛かるのは

あの人何だよね」


達矢は、クスリと笑うと


「そうみたいですね、でも可愛いですね

素直な人何ですね」


と言うと、泣きながら聞いていた母は


「達矢さん、今可愛いって言った?素直って

言った?」


「はい、言いましたけど」


「嬉しい~健吾さんも真吾も、全然言って

くれ無いの、嬉しい~」


又、泣き出した。

笑真は泣いている母が居るが、暖かいその場の雰囲気が、とても居心地が良くて、これも

達矢のお陰だと心から感謝した。

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