第6話達矢の友達

何時もの様に笑真を見送って登校する達矢。

学校では相変わらず、病気に付いて調べて

居る。

夕方になると仲の良い、男友達がやって来た。


「たつー今日どっか、遊びに行こうぜ」


「わり~俺、帰りは迎えに行くんだ!」


「あ~あの、お姫様?」


「何?そのお姫様は?」


「だって、たつーには、お姫様だろう?

じゃあさ、俺達も一緒に行っていい?」


「あ~いいけど、絶対に変な事は言うなよ!」


「分かってるよ!たつーの大切な人は

俺達にも大切な人だからな」


「ハハハ」


と肩を抱き合いながら、笑真の学校に行く。

笑真は待っていた。


「おい!たつーあの子か?」


「そうだよ」


「ヒョ~超可愛いじゃん」


「だろう?」


そして笑真の所に行くと達矢は


「笑真ごめん、今日俺の友達が、どうしても

笑真に会いたいって着いて来たんだよ」


驚く笑真。


「え?お友達ですか?」


「うん、紹介するね、大倉俊、山口隼人

岩井良太、高橋圭一だよ」


「「「「笑真ちゃん、よろしくね」」」」


「こちらこそ、よろしくお願いします」


「じゃあ今日は、みんなで笑真を送るから」


少し黙って考えると笑真は


「あの~私1人で帰れますから、みなさん

何処かに行きたいんじゃ無いんですか?」


すると達矢より先に、みんなが


「いや、いや俺達は大切な達矢の、大切な人を見たかったんだよ、だから一緒に送らせて」


その言葉に嬉しくてたまらない笑真は


「はい」


と返事した。

笑真が心で笑って居る事は、達矢には

分かった。

そして歩きながら


「笑真ちゃん、笑真ちゃん僕達の名前

覚えれた?」


「はい!声で区別は出来ますし名前も

ちゃんと覚えましたよ」


そう言って笑真は、全員の名前を言った。


「お~凄い!笑真ちゃん~天才?」


「そんな訳、無いですよ」


「でも一発で覚える何てな?」


「本当に凄いよ!笑真ちゃん」


「ありがとうございます」


そんな、やり取りを笑顔で見て居る達矢。


「笑真ちゃん、たつー頭がいいんだよ」


「みたいですね、高校は進学校に行くと

聞きましたから」


「そうだよ、たつーなら医学部だって

入れちゃうよ!」


「皆さん、たつーって呼んでるんですか?」


「そうだよ!な?」


「いいですね」


「笑真ちゃんも、そう呼べば?」


俯く笑真。


「恥ずかしいです」


「ク~可愛いね~笑真ちゃん」


笑顔で見ていた達矢は、今はもう呆れて

見て居る。

そして家に着くと


「皆さん、ありがとうございます」


「笑真ちゃん、又たつーと一緒に迎えに

行ってもいい?」


「あの~達矢さん?」


達矢を気遣う笑真。


「笑真、自分の気持ちを素直に言って

いいんだよ」


達矢の言葉に首肯くと


「是非お願いします、楽しかったです」


「やった~」


「やったぜ」


「そう言う事だから、たつー頼むぞ!」


「あ~分かったよ!笑真の許しが出た

からな!じゃあ笑真又、明日なバイバイ」


「「「「バイバイ」」」」


「さようなら」


達矢と友達は帰って行った。

家に帰った笑真は


「ただいま」


「おかえりなさい、今日は何だか外が

賑やかだったけど」


「うん、達矢さんのお友達が一緒に送って

くれたの」


「まぁ、上がって何か飲んで貰ったら

良かったのに」


母は笑真を見ると、何だか嬉しそうな笑真。

達矢に出会ってから、そんな笑真が増えた

事を実感していた。

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