第2話笑真の家族

達矢が帰ると、笑真は家に入った。


「ただいま」


パタパタと足音が、すると母の沙羅が


「笑真ちゃん、おかえり~」


と、出迎える。

そして、笑真を見た母は


「笑真ちゃん?今日は、何かいい事が

有ったの?」


「え?ど、どうして?」


「う~ん、何だか何時もと、雰囲気が

違う気がして」


「な、無いよ、別に」


慌てる笑真の態度で、母は何か有ったと

確信した。

でも娘の嬉しそうな姿を見て、きっと

いい事だったんだと思うと嬉しかった。

夕飯の時、仕事が休みの父、健吾と

笑真の兄、真吾と4人でテーブルに

付くと、母が


「笑真ちゃん、今日いい事が有ったん

だよね~」


と、言い出した。


「マ、ママ!何言ってるの!」


動揺する笑真を見て、父が


「ほ~笑真、何が有ったんだ?」


「お兄ちゃんも、聞きたいな~」


真っ赤になる笑真。


「その~その~」


「ふんふん」


首肯く3人。


「その~今日、堤防を歩いていたら、ボールが、当たりそうになって、助けて貰ったの」


「ふんふん」


相変わらず、首肯く3人。


「話をしてたら、同じ年の男の子だったの

そして、私の名前をいい名前って言って

くれて、私が笑え無いって言ったら

心で笑ったらって、言ってくれて」


「キャ~素敵~」


叫ぶ母。


「明日から、学校の送り迎えしてくれるって」


「ほ~その男の子は、又どうして、そんなに

笑真にしてくれるんだ?」


「何だか~一目惚れしたって」


「キャ~」


又、叫ぶ母。


「沙羅、落ち着きなよ!」


「そうだよ!ママ」


と、窘められる母。


「で?笑真は、どうなんだ?」


「今日、会ったばかりだし、でも優しい人

だって言うのは、分かるんだよね?」


目がキラキラしている母。

そんな母を、睨む父と兄。


「そうか~なら笑真?少しずつ仲良くして

行ったらどうだ?そして、明日一度家に

来て貰いなさい、パパもママも真吾も

会ってみたいから」


「うん!」


元気な笑真の返事。

そんな笑真の姿を見て、やはり嬉しい

父、母、兄だった。

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