終夜世界ですれ違う 終幕
ストレスを感じたら頼って欲しいと言われてから、人並みに生きれる幸せを掴み取れてきているのではないかと感じてきた。主食だけじゃない朝食や北風以外の仲間との
「ご主人〜! ご飯の時間っスよ〜」
「今行く」
修繕の終わった自宅の雰囲気は少し明るくなっていた。俺の好みを保ちつつも、木目の温かさを感じさせてくれる和の部分が増えていて素敵だ。美味しいご飯を更に美味しいと感じさせてくれるインテリアの影響力に驚かされる。
「いただきますっス」
「いただきます」
外は常に静まり返っていて逆に怖い。普段家の中で音楽を流したり湯を沸かしたりしていたが、今の外は少し賑やかになって静かな時間も怖くない。仲間達が外で遊んでいるのか何かパーティーでも催しているのか知らないが、嬉しい気分にされるのは間違いない。
「焼き鳥美味しいっスね」
「合わせ物として用意した
「……家、直って良かったっスね。自分達の家が1番っス」
「そうだな。2階を増築しようか迷ったが、落ち着けなさそうだからやめて正解だった。全く別の家だと勘違いして安眠できない」
「いつも通りが1番っス」
ご馳走様と呟いて、流しに運んで水に浸ける。高級品になってしまったせいで洗剤を簡単に使えない。錬金術のレシピがわかれば簡単に流通させる事が出来るが、肌の弱い人でも気軽に適量使える物となると簡単に使えない。難しい課題ではあるが完成したら衛生問題が解決できそうだ。
「ご馳走様っス!」
「水に浸けたら昼寝して風呂にでも入ろう」
「良いっスね〜」
モフモフする髪に顔を埋めさせてくれてるお陰でストレスが溜まりにくい。北風には申し訳ないがとても落ち着くんだ。風呂上がりに埋めようとしたら困惑されるのでOKを出している時にだけ癒させてもらっている。……獣人同士だったら最高だろうに。
「俺も獣人になってみたいな。自分でモフモフが摂取できるってのに」
「獣人になっても、子供の頃に生き方を教えて貰わないと生きずらいっスよ。可愛いから飼ってみたいけど、実際に飼ってみたら想像と違うな……って思うのと一緒っス」
「ごもっともだな……あー。1日だけで良いからなってみたいな」
「嫌な事もあるっスけど、良い事もあるっスよ」
獣人に疎いからこそ、幸せなものもあるのだなと想起しながらソファで横になった。
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