第155話 1周年記念配信⑨
梓『災難過ぎる……』
茶葉「恥ずかしかった」
あれからライバーそれぞれが選出したお気に入りシーンを流し、すべてのクリップが流れたところで裏画面に行っていた人たち含めて全員が配信に集合した。自分が選出した迷シーンを見ているときは面白いのだが、自分が迷シーンとして紹介されているときの恥ずかしさと言ったらたまらない。皆々げっそりした表情だ。
つぼみ『ようやく終わったよ』
百合『スタッフの我関せずな表情がイラッとしたね』
とうとうこの異様に長く感じた時間も終わり、桜木つぼみの3Dお披露目の時間がやってきた。本当は同時に私もお披露目だったと言うことを考えると、なんだか悲しい気持ちになってくるが、気持ちを切り替えて香織の新たな一歩を祝福しよう。
梓『ではここから少し休憩時間を挟みます。今のうちにトイレにいっといれ!』
『『『???』』』
しばらくの沈黙の時間。その場を絶対に笑ってはいけないというこの配信一番の結束力が支配した。配信コメントには“?”の一言が並び、あわあわしている梓ちゃんをのぞいてライバーの表情は真顔である。そして、スタッフさんの「配信待機画面入りました」という声で一斉に私達を爆笑の渦が包み込んだ。
朱里『めっちゃスベってるわら』
梓『笑を発音するな!』
『『『――――』』』
梓『なんか反応してよ!!』
柄爲『梓先輩』
梓『なに?』
柄爲『ふっ、耳まっかっかですね』
梓『……』
柄爲ちゃんが笑いをこらえながら発した言葉が梓ちゃんの心臓にクリーンヒットしたらしく、無言で黙り込んでしまった。そしてそれにわーきゃー言葉を投げる2期生3期生。
その光景を自宅から音声通話越しに聞いていた私は、司会代わって貰って良かったと安堵したのであった。
ひとまずの休憩時間。香織の3Dお披露目中は私達は呼ばれなければすることはない。一通りの行程が終わった後に一斉に呼び出されてわーきゃーやって今日の配信は終了だ。
楽しそうな会話を聞きながら、深く一息を付いてゲーミングチェアのリクライニング機能を使ってだらっと横になったタイミングで、私のスマホが振動した。どうやらチャットが送られてきたらしい。
送ってきたのは香織で、一言『頑張ってくるね』とだけ書かれていた。
それに『ちゃんと見てるからね』と返信をし、待機中と表示されている配信画面をじっと見つめた。
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ここで切らないとキリが悪くなりそうだったので短くなってしまいました。
ライバー達が選出する迷シーンは長くなりそうだったのでカットさせて頂きました。
前者後者共にすみません!なるべく次回更新早く出来るように頑張ります。
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