第152話 1周年記念配信⑥
つぼみ『じゃあ私の渾身のデザインをリスナーちゃんに見せちゃおうかな?』
茶葉「なんか不服そうな声じゃないか」
あまりにもリスナーが見たい見たいと騒ぎ立てるので、焦らさないで見せてあげることにしたわけだが、どうも香織は膨れたような声を出す。
どうやら今こうして見返してみると修正したいポイントが多いようだ。
しかし今修正しても使う機会もないということで、運営さんに送ったデータを配信に表示して貰う。
コメント
:え
:かわいい
:ええええええ
:一番好き
:かわいい
:色使いが良い……
:やっぱりデビューし直さないか?
:可愛すぎる
:茶葉ちゃんNewEdition?!
:かわいいいいいい
はいはい、こういうのが好きなんだよね。と言わんばかりの香織の癖を詰め込んだデザインは、どうやらリスナーのみんなにぴったりフィットしたらしい。
もちろん私用に作られたこのデザインのモデルはリアル私。かわいいかわいいと褒められると少し照れてしまう。
百合『マジで可愛い』
梓『やはり面影がありますね』
玲音『動いたりはしないのか?』
つぼみ『それはできないかなぁ』
律『デビューしないのがもったいないくらいですな』
このモデルでリスナーの前に立っている可能性があったと考えるだけで少し恥ずかしくなってしまう。それほどに豪華な飾り付けで、見た目がキュートだ。
今の茶葉というキャラクターも嫌いではないし、むしろ好きだ。
深緑な色使いも、着飾らないデザインも、この真っ黒い髪の毛もすべて好きだ。しかし、これはあくまで“桜木つぼみ”がメインであるという私の意識の元、できるだけ目立たないようにと香織に作って貰ったもの。本当は香織はこの秋月ミミのようなキャラクターで私に配信をしてほしいと思っているのかもしれない。
真相は香織のみ知る。と言ったところだろうか。
梓『はい、ということで思わぬサプライズもあったわけですが、時間が押してしまうのでちゃんちゃか進んでいきましょう!』
わいわいとしていた配信がその一言で落ち着きを見せる。流れ的に、次は2期生以降の番だ。
玲音『えー、本当にやるのか……?』
うんうんうん。耳まで真っ赤にしている玲音ちゃんの顔が頭に浮かぶよ。
朱里『なんかコウフンしてきたぞい』
柄爲『私は別にそこまで被害ないですね~』
美波『何言ってんだ。あんたが一番やばいわ』
梓『はいはいは~い、皆様落ち着いてくださいね。
では、次の企画を発表していきますよ!』
またもや騒がしくなった配信を、またもや梓ちゃんがまとめ上げる。
そして、「次の企画はこちら」と言う声と手の振りで配信画面に示された次の企画。
『SunLive.1年間振り返り』
梓『ということでね、先ほどは我々で先輩の初配信を見ましたが、今度は先輩方2人が、。このSunLive.1年間の軌跡を見て頂こうではないかと言う企画です!』
次に行われる企画。1年間の振り返りだが、言い換えればSunLive.名場面集だ。真面目なシーンから面白いシーンまでを視聴者の意見を参考にしながらスタッフさんがまとめてくれた。
それを私と香織でわいわい言いながら見ていこうじゃありませんか。という企画だ。
この間私と香織以外のメンバーはしばしの休憩タイムに入り、2人でこの配信を進行していく。
梓『じゃあね、この司会進行という立場を茶葉先輩にお譲りして、ここから2,3期生は休憩タイムとなります。では、先輩方、どうぞよろしくお願いしますね~』
コメント
:ワシの意見は参考になったかや?
:茶葉ちゃんMC北
:元祖コンビきたー
:新規の事務所とは思えないくらい見所たっぷりだったからなぁ
:今のうちに予備の腹筋準備しておかないと
:どんなのがあるだろう
:割と見始めたの最近だから気になる
茶葉「はい、じゃあここからは司会を私茶葉が務めさせて頂きます」
つぼみ『ミミちゃんよろしく~』
茶葉「やめいやめい。
ということでね、早いもので1年ですなぁ」
つぼみ『それはマジでそう。あっという間過ぎてビックリ』
茶葉「うんうん。まあいろいろありましたね。私も配信追ったり切り抜き見たりしてきたわけだけど、みんなの個性が強すぎるのよ」
つぼみ『私らの前じゃみんな緊張しちゃって個性出してくれないからね~』
そうなのだ。私や香織とのコラボ配信だと彼女たちは個性が消える。なにか1歩退いたような感じで振る舞ってくるので、こうして普段の彼女たちを見るのは面白い。
茶葉「もっとバカスコきてほしいもんですが」
つぼみ『茶葉ちゃんとか弄りがいの塊だもんね』
茶葉「それは分かりませんが、まあね、話していても何なので早速動画見ていきますか?」
つぼみ『そだね』
茶葉「はい。じゃあ本日の献立ですが、それぞれのお気に入りの動画をリスナー、スタッフ、マネージャー、2,3期生、そして私達と言った順番で見ていきます。それに対して我々で裏話足してみたり、あーだこーだ言ってみたりしていくよ」
つぼみ『特にマネージャーは常に私達をサポートしてくれてるから、面白いところとか、個人個人ならではのシーンとか持ってくるかもね~。ちなみに茶葉ちゃんはマネージャー枠もあるの?』
そう、忘れてはいけないが私は香織と美波ちゃんのマネージャーだ。なお、香織も私のマネージャーだ。
茶葉「もちろん。じっくり考えたよ。つぼみは?」
つぼみ『マジで期待してて良いよ』
茶葉「怖いなぁ……。まあそんな期待せずに行きましょう!」
つぼみ『こらこら』
茶葉「じゃあさっそく映像どうぞ!」
つぼみ『どうぞ~』
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