第135話 茶葉×玲音 雑談オフコラボ③

茶葉「玲音ちゃんさ、SunLive.入ってみてどうよ?」

玲音「どう、ですか?」


 そうめんも進み、話が盛り上がってきたところで玲音ちゃんに質問を投げかけてみた。

 いろいろな裏話などが繰り広げられるこの配信は、当初の予定を上回って想像以上にリスナーが集まっている。


コメント

:裏話聞けるの熱い

:結構ぶっちゃけトークだな

:想像以上に玲音ちゃんが大人で茶葉ちゃんが子供だった……

:話のテンポが良すぎる

:この2人の絡みがたまらん

:そろそろ1周年か

:こう言う話面白い


玲音「……そうですね、私VTuberって初めてだったので割と戸惑いとか大きかったですが、基本的にはずっと楽しいですね。あ、はじめの頃トラッキングのあの顔が面白くて一生ツボってましたね」


 VTuberが配信で使っている本体の動きをアバターに反映させるアプリは、私たちの口や輪郭などをカメラが読み取って自動で線に変換してくれるのだが、その様子がなかなか面白いのだ。

 気になる人は【VTuber カリブレーション】かなんかで画像検索してほしい。

 点と線で構成された顔が自分の動きに合わせてヘンテコに動いていくのが、正直私も始めたての頃は面白かった。


茶葉「あの顔マジでやばいよね。私もつぼみのトラッキング調整するときにずっと爆笑してて怒られた」


 そう笑いながら言うが、アレを最初に見て笑わない人は少ないと思う。自分のより他人の奴の方が面白いんだよね。


コメント

:【桜木つぼみ】あのときの茶葉ちゃんひどかった……。私の顔と見比べて一生笑ってた……


茶葉「ごめんて」

玲音「まあ、準備期間は大変でしたけど、始めてしまえばずっと楽しいですね。基本的に同期がみんな年上なので、初めの頃は距離感に困りました……。それこそ厨二病をかぶってなかったら厳しかったかも」

茶葉「確かに。あのときは一番年齢が近いのが私っていう状況だったからね」

玲音「あ、そういえばそろそろ先輩誕生日じゃないですか?」

茶葉「あー、そういえばそうだったね。去年は事務所設立云々で忘れ去られてたから、今年はなんかやりたいなとは思っているよ」


 VTuberは実際の誕生日と設定上の誕生日を分ける場合があったりするのだが、私と香織は実際の誕生日とVTuberの設定としての誕生日は同じだ。ちなみに玲音ちゃんはずらしていて、朱里は同じだったりする。

 私の誕生日は7月20日で、もう既に1ヶ月を切っている。誕生日配信は今のところ予定していないが、もしかしたらするかもしれない。

 配信はしないとしても、香織と何かしらはやりたいな。


玲音「やっぱり凸待ちとかですか?」

茶葉「うーん、凸待ちはやらないかなぁ……。つぼみはあるかもしれないけど、私は個人勢だったり他の企業の人との交流がほとんどないから、してもSunLive.メンバーくらいしか来なさそう」

玲音「うちの事務所はそこら辺制限しないですよね」

茶葉「しないね。自由にコラボすれば良いと思っているからね」

玲音「じゃあ先輩もコラボしてみたらどうですか?」

茶葉「う~ん、それつぼみにも言われたんだけどなかなかやろうと思わなくて。ほら、私ってSNSのDM塞いでるから個人的に声が掛かることもまずないし、事務所に来るような奴は大体つぼみあてだったりするから、なかなかやろうと思わないんだよね」

玲音「声かけたりは?」

茶葉「しないねぇ、コミュ障だから」

玲音「コミュ障ではないと思いますが……」


 割と他の子達は個人勢の子達ともコラボしていたりするのだが、私は今までしたことがないのだ。香織もたまにVTuberのママ会の様なものに呼ばれているらしく、そこでいろいろなVTuberとコラボしていたりもするらしい。

 最近はVTuberのママも自分のガワを持っていたりするから、そういった活動も活発だ。

 私は絵を描いたりはしていないし、茶葉として音楽を作り始めたのも割と最近だからまだ声が掛かったりはしていないのだ。


玲音「多分先輩とコラボしたがっている人多いと思いますよ?」

茶葉「えぇ? それはないと思うよ。SunLive.としてみたらつぼみの方が上だし。今までつぼみの裏方だったから活動の期間が長いように見えるだけであって、歴が長いわけでも私自身が人気なわけでもないから」

玲音「……自己肯定感低くないですか?」

茶葉「それはない」


 確かに私もいろいろとコラボしていった方がいいのかもしれない。SunLive.のメンバーとはちょくちょくコラボをしているが、それでも社内で少ない方だ。配信頻度も一番少ないし、他の場所での露出もほとんどない。

 香織の配信に声だけ映り込んだりはしていて、それが生存確認だったりもしているみたいだ。

 私としては大分配信頻度を増やしたと思っていたのだが、それでもまだリスナーからしてみれば少ないらしい。もっとたくさんコラボして、もっとたくさん配信して、もっとたくさんいろいろな茶葉ちゃんを見たいよっていう声はたまにあるが、それはあくまで一部の熱烈なファンがアピールしてくれているだけだと思っている。


茶葉「でもねでもね、配信頻度は増やすよ。ようやくいろいろと落ち着いてきて、自由度も増してきたから」

玲音「それは楽しみです。私も昔から先輩のファンなんですよ」

茶葉「え?! そうだったんだ!」

玲音「はい。だからあのときの小さい面接官が先輩だって聞いたとき、凄く驚きましたし、年齢が低いことにも驚きました」

茶葉「……ちなみに何歳くらいだと思ってた?」

玲音「えっと……、三十路?」

茶葉「……」


 どうやら私は三十路に見られていたらしい。まだピッチピチの22歳なのだが……。


茶葉「私はまだピッチピチですよ」

玲音「知ってますよ」

茶葉「……もうちょっと若い感じを前面に押し出した方が良いと思う?」

玲音「いや、正直それはないかもしれないですね。先輩は今のままが良いです!」

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