第112話 全員集合配信⑥

社長「つぼみはしっかりとSunLive.について教育をし直す必要があるのかもしれません……」

茶葉「私がみっちりやっておきます」

社長「よろしく。では気を取り直して第3問!」


 香織がSunLive.教育配信を行うことが確定した。私がみっちりしっかりSunLive.の歴史について教えてやりましょう。


 そして、そのまま第3問へと突入する。リスナーのみんなもSunLive.の裏話を聞けるのが楽しみみたいで、コメントも大分盛り上がっている。

 想像以上の反応でとても良かった。




~~~~~~~~~




社長「ではこれで、クイズ大会は一度終了、司会を茶葉ちゃんに戻します」

茶葉「はい。社長お疲れ様です」


 ずいぶんな盛り上がりでクイズ大会は終了。結局勝ったのは私だった。そりゃそうだよね。設立当時からSunLive.に関わっているわけだから。

 ちなみに時点で梓ちゃん。自称インテリは確かなものだったようだ。


茶葉「じゃあここからやっていくのはね、SunLive.ぶっちゃけトーク! ということで、みんなやリスナーに隠していたことがある人はそれをぶっちゃけて欲しい」


 SunLive.ぶっちゃけトーク。例えば普段の配信は椅子に座らずに立ってやっているとか、そういった裏話があったら話してねって言うコーナー。

 ちなみになかったら流れるが、なんとか捻出してくれるだろう。


百合「はい!」


 そう思っていると、早速百合ちゃんが元気よく手を上げた。


茶葉「おお、百合ちゃんどうぞ」

百合「本当は私、先輩方の体目的で応募しました!」

茶葉「知ってる」

朱里「え!? 百合ちゃんも!?」

百合「え?! 朱里ちゃんもそうだったの!」

茶葉「わざとらしく意気投合するな」


コメント

:普段から隠してなくて草

:名前からそうなんだよなぁ

:終わってる。

:性別違ったら大炎上だっただろ

:今のままでも炎上定期

:わざとらしくて草

:そこ変わってくれぇ

:柄爲ちゃんが一瞬引いた顔になってて可愛い


 謎に盛り上がっている2人を見てため息が出てしまう。私が思っていたぶっちゃけトークではない。


茶葉「あい、他なんかないの?」

朱里「はい!」

茶葉「なんかロクでもないのが来る気がするなぁ……」

朱里「とっておきだよ」


 元気よく手を上げたと思えば、ニヤニヤとこちらを見ながら謎の間を取る朱里。相当自信があるものらしい。


朱里「実は私、このピュアピュア星に引っ越してくる前――」

茶葉「ごめん、ピュアピュア星って何?」

朱里「え? 私の家」

玲音「にあわねー」

撫子「ちょっと痛いかなぁ……」

朱里「なんで私こんなにバッシング?! ……まあいいや。私ここに入る前相当社畜だったんだよ。で、病んで辛かったときにつぼみ先輩を見つけたわけね」

つぼみ「おお、いい話」


 確かに朱里はにじみ出る社畜オーラがある。元ブラック企業勤務だったわけだ。


朱里「で、私もああなりたいなってここに入って活動してるんだけど、茶葉ちゃんが仕事してる様子見ると当時の私思い出して苦しくなるんだよね……」

美波「どういうことですか?」

朱里「明らかに社畜じゃん」

茶葉「うげぇ~……」

撫子「うん。正直わかる」

朱里「あ、撫子ちゃんも元社畜だったね」

撫子「先輩達が引っ越して良くなったけど、スタジオ借りるときにオフィスワークしてる茶葉先輩見るのが辛くて、手で隠しながら通ってた……」


 あ、アレってそういうことだったんだ。

 いつも撫子ちゃんはスタジオ借りるときに挨拶はするんだけど、私と目を合わせようとしてなかったんだよね。過去を思い出して辛かったと言うことか。


朱里「こんなに小さいのに、馬車馬のように働いて、正直心が苦しかった……。っていうぶっちゃけトークでした!」

茶葉「社長」

社長「はい……、改善いたします……」


コメント

:うわぁ……

:辛い

:これが裏側かぁ……

:まあできたばっかりの会社だからね

:かわいそう

:オフィスワークして、配信して作曲してマネジメントして、超人だね

:辛くなるのもわかる。

:あの朱里がここまで萎れるとは……

:茶葉ちゃんってもしかして凄い?


律「いや、茶葉先輩は凄いですよ」

玲音「2期生デビュー時は1人で全員のマネジメントしてた」

朱里「正直やばいね」

茶葉「おお、なんか照れるね」


 ここまで褒められる……、同情される? と何かこそばゆいものがある。さっさと次のぶっちゃけトークに流そう。


茶葉「はい、まあ尺も良い感じなので」

美波「尺!」

茶葉「ふふっ、尺だね。尺も良い感じなので次でラスト」

つぼみ「はーい!」


 次の企画の準備のつなぎと言うことだったので、サクッと3つで終わらせる。ちなみに、次の企画の準備が目の前でされているのだが、すごく嫌な気持ちになっている。

 なので見ない様にしよう。


つぼみ「じゃあぶっちゃけトーク行くよ~!」

梓「本当にぶっちゃけそうで怖いですね……」

玲音「確かに」

つぼみ「実は私、真面目にVTuber引退を考えてたときがあったんだよ」

「「「「えええ?!」」」」

社長「ええ?!」

朱里「いや、社長も知らなかったのかよ」

つぼみ「うん。茶葉ちゃんにしか言ってないからね」

百合「え? どうして辞めようと?」

つぼみ「そうね~、今までずっと茶葉ちゃんに裏方任せっぱなしだったから、私も裏方に回ろうと思ってたんだけど、実際に事務所ができると頑張りたくなっちゃうんだよね」


 大分懐かしい話だ。っていってもまだ1年も経ってないけど。正直私も初めて聞いたときは衝撃を受けたね。

 これで少しは裏方も手伝ってくれるかなと思ったのだが、大して変化はなかった。そこが残念なところ。


茶葉「朱里の話じゃないけど、1度でもそういう気持ちになったんだったら、少し手伝ってくれても良いんじゃない?」

つぼみ「いやぁ、それとこれとは話が別かな~」


コメント

:そうだったんだ

:そんな素振りなかったけどな

:案外いろいろあるもんだね

:裏側聞けるの面白い

:辞めてなくて良かった……

:社長でも知らされてないんだ

 

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