第110話 全員集合配信④

社長「ま、まあいいや。次にいこう!」

梓「逃げるんですか?」

社長「に、逃げるんじゃないから。はい、問題ドン!」


 梓ちゃんが不満そうに追求したが、社長はそのまま次の問題へ進んでしまった。


社長「ロンドンが首都のイギリスですが、そのイギリスの正式名称は何でしょう」


 次の問題は結構簡単であった。答えは『グレートブリテン及び北アイルランド連合王国』。


玲音「あーね」

朱里「せ、正式名称?」


 どうやらわからない方々が多いそう。


社長「良いから早く書いてくださいねー」


 社長がニヤニヤしながらそういう。

 みんなはえー? とか言いながら必死に書いているが、私はもう既に書き終わっている。


コメント

:これは簡単すぎ

:イギリスって正式名称じゃないんだ

:へー

:簡単やね

:懐かしい。中学生の時よくイキって連呼してたわ

:みんな結構悩んでる






社長「回答が出そろったみたいなので発表します。まず正解者はこの方々」


 そういうと、正解者としてつぼみ、美波、梓、柄爲の4名が発表された。


茶葉「え!? 私の違うの!?」


 どうやら私は間違っていたらしい。


社長「いや、あんたマジでつまらない間違えだから出すわ」


 そう言ってつまらない呼ばわりされた私の回答。


『グレートプリテン及び北アイルランド連合王国』


茶葉「は? あってるじゃん」

梓「グレート“プ”リテンになってますよ」

つぼみ「ぷぷぷっ! プリテンだって!」


 どうやら誤字ったらしい。


茶葉「うわ、いっちゃんつまらん回答した……」

つぼみ「ぷぷぷ~! 私でも正解だよ?」

茶葉「いや、わかってたんだって!」

社長「はーい、イチャコラは無視してりっちゃんの回答ね~」


『イつかギリシャに生きたいッス』


美波「いや勝手に行っとけよ!」

律「わからなくてさ、もうこれしかないかなって」

美波「あり得ないんだよね普通に」


 少しつまらない私のような回答。ていうか私よりスベったかも……。


茶葉「ちょっと安心した。私より下がいて良かった」


 私がそう言うと、一斉にタレント達からのバッシングを受けた。「かわいそう!」とか「ひどい!」とか、「先輩なんだからもっとカバーしてあげてください!」とか。


律「私、大喜利NG出そうかな……」




社長「まあこんな感じでつまらないのが多いから」

律「えー?!私のつまらないで一蹴ですか?!」

社長「つまらないもん。じゃあ玲音ちゃん以外一気に発表するね」


 こう言うと、社長は一気に玲音をのぞいた3人の回答を発表した。


百合『イギガギ、グギギギガギリス』

朱里『イギ○○○○○リス』

撫子『イギリス王国』


茶葉「ちょっとまって、朱里何書いた?」

朱里「わからなかったんだもん~」


 なぜか朱里の所だけモザイクが掛かっていて何が書かれているのかわからなかった。フリップ系のクイズでこれは良いのかと思ったのだが、おそらく放送するにはまずい内容だったのだろう。なんせ相手は一国だ。SunLive.対王国では我々が敗北する。


 そう触れないでおこうと思ったら、百合が朱里の回答を横から見たらしい。


百合「これはダメすぎる!!」

撫子「百合ちゃんがダメって言うほどなの?」

茶葉「いや、2人ともやばいからね。撫子ちゃんはまあ頑張ったんだろうなって感じだけど、イギガギ、グギギギガギリスはないだろ」

つぼみ「グレートプリテンがなんかいってる」

茶葉「どつき回すぞ」


 つぼみはここぞとばかりに私を煽ってくる。普段私が間違えてつぼみ、もとい香織が正解することはないから。


社長「あー、玲音ちゃんの回答言ってもいい?」


 朱里の回答もアウトそうで、社長やスタッフが早く流したがったので流すことにした。


 そうして画面に表示された回答はこうであった。


『UAE』


梓「アラブ首長国連邦ッ!」

玲音「いや、なんか、英語の奴あるじゃん? それかなって」

茶葉「UKってこと?」

玲音「あー、多分それ」

朱里「わかってなさそう」

百合「朱里アラブ首長国連邦どこだかわかるの?」

朱里「アブダビ」

百合「アブダビ?」

梓「UAEの首都だよ」

百合「へー」

朱里「あんたがわかってないじゃんか」


コメント

:朱里何書いたんだ……

:みんな真面目なのか?

:少なくとも百合と朱里は違うだろ

:他が真面目でこれかぁ

:イギリス王国はもう普通のイギリスだよね

:りっちゃんコメントで触れられてなくて可愛そう……

:↑あんまり面白くなかったんだもん

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る