第107話 全員集合配信①

「そろそろ始まりますよ~」


 スタジオに入り、それぞれの定位置についた。司会をすると行っても、実際にこのスタジオで皆から外れた位置に立って司会をするというわけではなく、みんなと同じ様に並べられた席で座って行う。

 後は画面内で私の位置を調節して、上手いこと司会の位置にいるように見せるというわけだ。ハイテクハイテク。


 私の隣には香織がいて、そのさらに隣に凪ちゃんがいるという席配置。おそらくチーム戦の時にこの3人がチームだからだろう。

 チームはスタッフさん達が決定したそうで、我々に決定権はなかった。名前は香織がつけたらしい。


 そうこうしている間に、もう配信開始の時間が迫っている。


「よしっ」


 久々の配信。しっかりと気合いを入れる。

 隣を見ると、香織が少し緊張したような表情でこちらを見ていた。

 なので2人で息を合わせて親指を立てた。気合いバッチリだ。









 スタッフさんのカウントダウンがあった後、ついに配信が始まった。私たちの目の前に置かれているモニターには、ずらっと生配信のコメントが映し出されている。

 同時に進行用のカンペであったり、現在配信に映し出されている画面も映っている。


コメント

:来た!

:始まった~!

:おおおおお

:茶葉ちゃんだ!


 どうやら今の配信画面には私一人がどアップで映っているようだ。

 自己紹介のタイミングになったら順番に映し出されていくらしい。


茶葉「ということで、始まりました。SunLive.全員集合生配信の始まりです。メインの司会進行は私、1期生の茶葉が担当します。本日はどうぞよろしく。

 じゃあね、とりあえず最初にそれぞれ自己紹介をお願いします!」

つぼみ「はーい、同じく1期生の桜木つぼみで~す! ひさしぶり~」

美波「どもー、3期生の凪塚美波だよ~、緊張してるけど頑張る~」

梓「こんばんは。2期生の礼文梓です。私の頭脳を見せます!」

玲音「同じく2期生、柊玲音だ。我が圧倒的な実力にひれ伏すが良い!」


 と、格好つけて言っておきながらリアルでは耳まで真っ赤にしている。最近は厨二病っぽい台詞も控えめになってきているらしい。


柄爲「あ、えっと、3期生の尾鳥柄爲です。先輩方の足を引っ張らないように頑張ります!」

百合「2期生鷹治百合! 女の子が一杯で楽しい~!!」

朱里「それな~、3期生可愛すぎて―(自主規制)―」

茶葉「コラコラコラ! 良いから自己紹介!」

朱里「はーい、みんな~! 2期生の鬼灯朱里だよ~」


 今回は3/3/2/2の4チームに分かれてチーム戦を行うのだが、百合と朱里が同じチームらしい。正直言って不安が募る。

 本当は5/5にしようと思ったのだが、2チームだと少ないような感じがしたので4チームとなった。

 5チームにしなかった理由は、まあ後ほどわかる。


茶葉「はい。みんな手短で良いね。じゃあ次お願い」

撫子「は~い、桔梗撫子です~。あ、2期生です~」

律「……っえ!? 終わり!? あ、えっと、3期生の大瀬音律です。気合い入れて頑張ります」


コメント

:百合……、そこ変われや

:撫子ちゃん相変わらずだぁ

:なんかこうして揃うと凄いな

:つぼみ~~

:りっちゃんおし♥

:早速危険ワード飛び出してきて草


 とりあえず自己紹介は終了。時間がないのでサクサクと言った形になったが、まあ後のクイズだったりが詳細な自己紹介になるだろうから、きっと大丈夫だ。


茶葉「あい、自己紹介ありがとう。ということでね、3期生揃っての全員配信は初めてと言うことで、私たちも楽しみにしてきました。私は休止期間もあって凪ちゃん以外ほとんど話したことがなかったのでね、こうやってコラボ出来てうれしい限りだ」

律「え、先輩初配信の時見に来てくれましたよね!」

茶葉「そうそう、チラッとね~。気がついてたか」

律「後ほどアレが先輩だよってマネージャーさんが」

茶葉「そうだったんだ」


 どうやら私が覗いていたことはバレていたらしい。まあ別にバレて困ることは一切ないのだが。

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