第97話
「そうそう、車も来たことだし買い出しに行きたいんだけど大丈夫?」
「おっけ~」
ここまで運転してきて疲れただろうと言うことで、少し休憩を挟んでから買い出しに行くことにした。
わざわざインターネットで注文しておくほどのものでもないけど、ないと困るようなものを買いに行きたいのだ。後食料品だね。
例えばティッシュとか、絆創膏とか。あとは何か良いのがあったら買おうと思っている。観葉植物とか置いてみても可愛いしね。
「どこにいくの?」
「近くにショッピングモールがあるみたいだから、そこに行ってみよ」
「わかった~。運転は私で良い?」
「うん。私も久々の運転がいきなりキャンピングカーは厳しいかも……」
「おお、中結構広いね」
「でしょ! 家買う必要なかったと言っても過言ではない!」
「普通に過言だね。で、私は助手席の方が良い?」
「あー、どっちでもいいよ。中からでも運転席と会話も出来るし~」
「じゃあキャンピングカーのキャンピングの部分見て見たいから行きは後ろに乗るね」
「わかった!」
ソファーに座ってきちんとシートベルトをつけてからいろいろ見てみる。
法律で車が道路を走っているときにベッドを使ったりとか、立ったりとかするのはダメみたいなので、移動中はしっかりシートベルトをつける。
床は木風のデザインがされている。全体的に白っぽい内装。
清潔感が凄くある。調理場も思ったより広い。ていうか全体的に凄く広く感じる。
この車の中にとにかくたくさんの機能を敷き詰めた感じ。私はめちゃくちゃ好きだ。
これでキャンプとかいってみたい。さすがに引っ越し立てでしばらくは厳しいだろうけど、落ち着いたら行きたいな。
キャンピングカーならホテルを取る必要がないし凄く楽かもしれない。キャンピングカーオッケーのキャンプ場とかならホテルに泊まるよりも安いからね。
でもやっぱりキャンピングカー以外の車も欲しい。普通の乗用車が欲しいと思う。
毎度毎度キャンピングカーに乗って買い物に行ってたらとにかく目立つよね。後ろが広いから荷物はたくさん積めるけどね。
「ここであってる?」
「あってる。運転ありがと」
「はーい!」
そんなこんなで私たちはショッピングモールにやってきた。
ショッピングモールの中には温泉や映画館なんかもあったりして、野郎と思えば1日時間を潰せそうだ。
こう言うのってショッピングセンターって言うよりも複合商業施設と言った方が良いのだろうか。
「思ったより近かったね~」
「そうだね。ずっと広い道だったし、これなら私も運転できそうかも?」
「今度練習しようね~」
「でも私運転ってやっぱり好きじゃないんだよね……」
「どうして?」
「いや、見た目が幼すぎて18以下に見られるから、警察にめちゃくちゃ止められる……」
「あー……。ま、まあ買い物しよっか……」
「そうだね! 今は買い物をしに来たんだもんね! 香織がいれば私が運転する必要ないもんね!」
「そういえば汐ちゃん、今晩って何作るか考えてるの?」
「今のところは何も考えてないかな。特売品とか見て決めようと思ってる」
「なら私ウナギ食べたい!」
ここ浜松はウナギが名産だ。浜名湖で養殖が盛んで、適度に油が乗ってふわふわなウナギが食べられる。
うなぎかぁ……。
「うん、ウナギにしようか」
「やった~」
今晩の夕食はうなぎになりました。
食料品に加え、様々なものを買って家に戻ってきた。
引っ越してきたてでまだ全然生活感のない家。出来ればこの美しい状態でやっていきたいと思っているのだが、おそらく1ヶ月もすれば適度に生活感が出てくるだろう。
せっかく見た目を揃えた家具も、いつの間にかごちゃごちゃになって統一感はなくなるだろうし、利用しやすいようにものの場所を弄っていって、結局ものがごちゃごちゃになる。
まあしょうがないよね。
「そういえば配信部屋出来てきた?」
「できてきたよ~。この新環境で配信するのが楽しみで楽しみで仕方がない!」
「そういえばペンタブ新調したんだってね」
「そう! これを機に私は新たなステップを踏むの!」
「そっか。よくわからないけど頑張って」
ちなみに、私もいろいろと周辺機器を新調した。
こういう機会がないと思いきってものを変えたりとかは出来ないからね。
仕事で使う以上、マイクをとにかく高性能なものにした。はっきりとノイズが入らないように音声を拾えるようなものだ。
キーボードもマイクに音が載らないように、それでいて打鍵感に優れいているものに交換した。日本製の高級キーボードの静音タイプ。
マウスはあまりこだわりないので変えなかったが。
そしてなんと、私はギターを買おうと思っているのだ。今も1つエレキギターを持っているのだが、初心者セットに付いてきた安い奴。
ここ浜松は音楽の町でもあり、有名な楽器メーカーがあったりする。なのでせっかくだからと言うことだね。
明らかに引っ越しを理由にした散財だけど、こういう時くらい別に良いだろう。
浜松に関係あるギターを買うかもわからないしね……。
ちなみに、私たちの活動休止が明けてすぐにSunLive.の一同が集まるオフコラボ配信が開催される。例の公式配信だね。
おそらくアレが復帰一発目。なのでいきなりこの家から配信するというわけではなさそうだ。
「そういえば公式配信のときどうする? 新幹線で行くかキャンピングカーで行くか」
「そうだね~……、ベッドの数どれくらいあるのかわからないし、事務所の駐車場で泊まれば良いかな~」
「じゃあそれまでにキャンピングカーの中の整備とかもしないとだね」
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