第69話 募集開始

茶葉「昨日上げた動画は見た?」


コメント

:見たよ

:面白かった

:本当にちっちゃいね

:センスある

:画伯なのに

:よかった!

:さすが

:つぼみちゃんとの掛け合いが面白い

:息ぴったり


 先方にチェックをして貰い、この前の案件の動画が上がった。

 その次の日、私は配信をしている。ちなみに内容は雑談なのだが、タイトルに重大発表ありと言うものをつけている。

 ということは、今日3期生の募集が始まると言うことを間接的に意味しているわけ。だからたくさんの人が見ている。

 今日は私以外の所属Vは配信をしていない。こっちに人を寄せるため。

 ここで人を集めて案件動画に人を流す、3期生募集開始、サポート事業の個人勢募集開始、そしてグッズの発売に関してをしっかりと広めたい。

 特に個人勢。できるだけたくさんの人に応募して貰いたいわけ。全員がサポートを受けられるわけではない。なので現段階では1次募集。

 たくさんの人の中から厳選して選びたいから、できるだけ多くの応募が欲しいのだ。


 まあとりあえず、今はしばらくの間雑談配信を楽しむ。


茶葉「茶葉ちゃんって休日何してるの? 

 あ~、そうだね……、基本ゴロゴロしてるかな」


 雑談って言ったって初めの出だしが必要だ。初めからテンションマックスで話せるほど私は配信者向きな性格ではない。

 だからこうやってリスナーのコメントを拾いながら行くよ。今回は香織のフォローも無し。私も1人で配信をしてみる。

 ちなみに、私が配信をしている間、私のモデレーターは誰がやっているかというと、それは香織がやっている。

 話し合って、私は香織のマネージャーで、私が配信をしている間は、香織が私のマネージャーに臨時就任しようという形になったのだ。どうせお互いの配信を見るわけだしね。


 じゃあコラボしているときはどうするのかって?

 それは簡単だ。マネージャー無し!

 普段からマネージャーをやっている私と、たまにマネージャーをやる香織。2人いれば配信しながらでも十分なわけ。やることもモデレーターだけだし。

 一応2期生のみんなもモデレーターが出来る権利を与えているから、時々手伝ってくれる。


茶葉「私って結構燃費が悪いのね。だからいっぱい食べていっぱい寝ないとダメ」


コメント

:【桜木つぼみ】そうだね。夜になるとすぐ眠くなっちゃうもんね。

:え、かわいいね

:ロリ?

:かわいい

:寝る子は育つとは……


茶葉「そう! 寝る子は育つってアレ嘘だからね!」


 そういうと、コメントには「騙されてた……」だとか被害者があふれていた。私もそのうちの一人かもしれない。






茶葉「よし、ある程度配信もしたことだし、早速重大発表行きましょうかね。

 裏方を兼任している私が配信をすると言うことは、まあそういうことなんだよ」


 1時間弱配信をした。私はやっぱり雑談は苦手かな。一緒に話してくれる相手がいれば盛り上がれるけど、流れてくる文字だとなかなか厳しい。

 香織はどうやら得意らしいけど。


 1時間配信してくれれば良いと社長から言われていたので、早速重大発表行きます。


茶葉「まあみんなもう察しが付いているかと思うけど、ついに3期生の募集が始まります! 

 募集要項は大体2期生の頃と同じだけど、もし応募をする方は規約等々しっかりとご確認下さい。何か質問等あれば会社の電話、メール等で問い合わせ頂いてもかまいませんが、タレントにそれぞれ質問するのはやめて下さい」


コメント

:ついにきたか

:たのしみ

:デビューいつ頃なんだろう

:どんな人材がいるかなぁ

:当たって欲しい!

:SunLive.所属したいよ~

:【柊玲音】まってるぜ

:私も送ろうかな


 コメントの流れが速くなった。

 でも重大発表はこれだけではない。


茶葉「加えてもう1つ、いや2つあります。

 まずはグッズの発売が決定しました! 画面ポン」


 個人勢向けのよりも先にグッズの紹介に行こうと思う。

 社長が急いで準備をしてくれたおかげで、思ったよりも早くグッズの紹介が出来るようになった。

 タペストリー、缶バッチにアクリルキーホルダーなど、多種多様なグッズを用意している。


茶葉「発売日はまだ未定です。ちなみに販売先も未定! 未定だらけですが、続報を待たれよということで!」


 コメントの反応を見る限り、今まで公式のグッズがなかったことに疑問を感じている人もいたみたいで、需要はあったようだ。

 供給はゼロだったけど。頼むからみんな買ってくれ。


茶葉「よし、じゃあ最後。これもまたなかなかの発表です。

 SunLive.プロダクションでは、新規プロジェクトとして、個人勢VTuber向けの配信サポート事業を行うことにしました。

 個人勢という状態のまま、SunLive.のマネジメントを受けることが出来ます。個人で始めたものの、規模が大きくなってしまって思うように配信活動が出来ないと言ったこともあると思います。それらをSunLive.プロダクションがお手伝いさせていただくという形です

 詳しくはホームページをご確認下さい」


コメント

:待って神

:おおお

:個人勢って言うことは、コラボ制限とかもないってことか

:凄いシステム

:画期的

:おおおお

:よくわかんないけど凄い

:ありがたい

:最高


 3期生募集よりは少し難しい話だから反応はまちまちだけど、個人勢のVTuberをやっているらしき方々は相当盛り上がっているように見える。

 さぁ、どしどし応募してくれ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る