第62話 初見ワタクラ配信②
茶葉「は、ハリボテやないかい!!」
つぼみ「あはは、内装作る時間なかった~」
内装はないそうですって? ……やかましいわっ!
なんやかんやわちゃわちゃしながら家に来たわけだけど、上記の通りハリボテハウスだったわけ。
いや、一応作業台とかチェストとか、ベッドとかそういうのは置いてあるんだけど、上を見たら足場用の土ブロックとか、そういうので完全に外見詐欺だった。
彼女曰く、しっかり素材を集めてから、なんとか私が来るまでに着手をしようと思っていたらしいのだが、思ったより私が来るのが早かったらしい。素材は8割方集まっているとか。
つぼみ「だから、また今度来たときにちゃんとしたのみせるから!」
茶葉「お、おう。楽しみにしてる」
そういうと、配信に映りもしないのにガッツポーズをとっていた。
……なんでここでガッツポーズ?
PrincessTANAKA: 茶葉ちゃん、うちのサーバーはどうかい?
茶葉「え? ……だれ? 社員さん?」
S_Chaba:
つぼみ「あー、これ引っかけなのよ。これ社長」
茶葉「社長!? あの人プリンセスなんていう年齢じゃないでしょ?!それに田中じゃないし」
つぼみ「ちょっとちょっと、おばさんになっても心はプリンセスなの!」
PrincessTANAKA:聞こえてるぞクソガキ
茶葉「社長のしていい発言じゃねえ。……えっと、分かりにくいので早く名前変えてくださいっと」
S_Chaba:
PrincessTANAKA: 日本語でOK。分かりにくいので早く日本語に変換してください
茶葉「きぃいいいっ! コイツだっるっ!」
コメント
:草
:巻き舌www
:社長ww
:コントかな?
:茶葉ちゃんタイピング早えぇ
:つぼみとかのろのろだからなw
:初見の相手にいきなり誰ですかって打つのもなかなかやばいけどな
つぼみ「ちょっと待ってコメント? なんで私のタイピングの速度が出るわけ?」
茶葉「いや、だって遅いじゃん。あんたわんこそ打のお手軽コース赤字じゃん」
わんこそ打とは、Web上で出来るタイピングゲームで、時間制限内にどれだけ表示される文字をタイピングできるかというので点数が出るものだ。
お手軽、お勧め、高級とあるわけで、左の物ほど簡単で黒字になりやすいのだが、香織はそれでさえ赤字である。
NadeshikoJapan: おやおや、どうやら楽しそうなことをやっていますね
茶葉「うんちょっとまって、なでしこジャパンは違うね?」
何でこいつらこんなに名前でふざけてるの? ちょっと後で名前変えさせる。
ていうかこうやってやってると普通に名前とられるんだよ。ワタクラって既に同じ名前でゲームをプレイしている人がいたらその名前は使えないからね。
Rei19392: 先輩方今どこにいるんですか?
ね、こんな風に。
どうやら玲音ちゃんは「苗字いらな~い、下の名前だけでいいや!」って言って適当にReiって打った後に何も読まずにはいはいおしてたら変な数字が後ろに付いたらしい。
玲音ちゃんはこの名前にする前は普通にHiragiReiっていう名前でやっていたらしい。つまり変えなければ良かったのに名前を変えてしまった。と言うわけだ。
どうやらあと数日で元に戻せるようになるらしい。
茶葉「はあ、まあいいや。とりあえずこの都の中案内してくれる」
つぼみ「おっけー、じゃあ東市に行こうか」
茶葉「ん? なにを売ってるところ?」
つぼみ「え? 普通に村人との交易所だよ」
あ、よかった。また変な物が来るかと思ったら普通に市場だった。
ちなみに玲音ちゃんには
茶葉「東市に行って何するの?」
つぼみ「買いたいものもないから観光だよ」
茶葉「ね~ぇ! かわいそうなんだけど!」
いざ東市に付いてみると、質素な
香織曰く、最大限効率を重視した結果だといっていた。
ちなみにこれを作ったのはプリンセス、つまりうちの社長らしい。
うん、あんたが一番やっちゃダメなやつやこれ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます