第61話 初見ワタクラ配信①
茶葉「ということで、SunLive.裏方の茶葉と」
つぼみ「1期生のつぼみです!」
茶葉「私ってあまりゲームしないんですよ。なので今日はワタクラを初見プレイしていこうと思います」
つぼみ「実は茶葉ちゃんは本当にワタクラが初めてですよ~、なので今日は私がSunLive.鯖を案内していきます!」
茶葉「では、よろしくおねがいしま~す」
コメント
:超久しぶりの配信なのに淡々と行くなぁ
:これが良いんだよな
:ワタクラ来ちゃ!
:そういえば2期生のみんなも茶葉ちゃんだけ来ないとか言ってたな
:裏方?
:本当に初見なのか
:忙しそうだからなぁ
:茶葉ちゃんの配信!
:この2人の絡みが見れるとは……
こうして、私たちの配信が始まった。
配信前までは少し緊張もあったけど、始まった瞬間その緊張はどこかに行った。
たくさんの人が見ているとは言え、私たちからすればそれを証明する物が配信裏の画面に映っている同接の人数と流れるコメントくらい。同接を10で割ってリアルで集めた方が緊張する。
現実だとジャガイモに例えないといけないけど、これなら数字だから楽だ。
配信画面にはワタクラの開いて一番最初の画面が映っている。ちなみにすでにSunLive.鯖のID等は打ち込んであって、いつでもログインできるようになっているよ。
配信でIDを打ち込んでしまったらサーバーがリスナーにバレてしまうからね。
まあホワイトリストと呼ばれる名簿みたいな物に登録していないと入れないみたいだけど。
つぼみ「じゃあこのマルチプレイって言うところおして」
茶葉「これ?」
つぼみ「そうそう!」
マウスを動かして、画面内のマルチプレイと書かれているボタンをクリックする。
カチッと言った音と共に、画面の表示がガラッと変わった。まあここまで白々しくやっているけれど、先ほど準備の際に既にこの画面にはやってきている。なので若干演技ありと言ったところだろうか。
まあ私はエンターテイナーなので。
つぼみ「よし、じゃあSunLive.のサーバーにログインしてみようか」
茶葉「おっけー」
いざ、我々のサーバーに突入である。
ボタンを押すと、一気にサーバーの読み込みが始まった。数秒開けてすぐに画面が再び切り替わる。
そこにはカラフルな建築でカオスに染められている町の風景があった。
茶葉「統一感……」
つぼみ「これは気にしちゃダメだよ。みんな思い思いの建築するからこうなっちゃうんだよね」
もし口でおじさん構文を表せるとするならば、汗の絵文字がいくつか入っていそうな言い方で香織は私に言って来る。おそらく今私が立っているところは都の真ん中を走る朱里大路のど真ん中だと思う。
香織の配信や2期生のみんなの配信を見ていたのである程度は知っていたのだが、思ったより朱里大路の横幅が広いという印象を受ける。
つぼみ「とりあえずTabキー押してみてよ!」
入るなり香織がキーボードのTabキーを押すことを強要してきたので、ゲーム初心者の私はそれに従うことにした。
Tabキーを押すと、画面の上の方に何やらドット絵の顔と名前が表示された。
つぼみ「この名前が今ここにログインしている人の一覧だよ! 社員さんと私たち含めて今は8人みたいだね!」
茶葉「ライバーは、あ! 玲音ちゃんとかいるじゃん!」
社員さんが何人かいるのだが、2期生で玲音ちゃんと撫子ちゃんの名前が表示されていた。
茶葉「2人に会えるかな?」
つぼみ「あー、玲音ちゃんは会えるかもしれないけど、撫子ちゃんはいまカ○ジリスペクトなのか分からないけど、ずっと地下にこもってるから会えるか分からない」
茶葉「へー、マゾヒストなんだ!」
つぼみ「ちょちょちょ、ちょっとその感想はどうかと思うよ……?」
茶葉「あぁああ! ごめんごめん! さささ、次行こっか!」
つぼみ「う、うん! じゃあ私たちの家に行こっか」
茶葉「うん。案内よろしく~!」
つぼみ「おっけ~、っていっても、この道まっすぐ行くだけなんだけどね」
急いで会話を切り替えて、180度振り向くとそこには目的地である私たちの家があった。
私たちの家はお城のようになっていた。
いや、平安京リスペクトなら平安宮みたいな作りにしろよ……と突っ込みたくなるような建築だ。
まだ和風のお城ならいいんだけど、明らかにメルヘンだよねこれ。
つぼみ「じゃじゃーん! ノイシュバンシュタイン城をイメージしてみたよ~」
茶葉「えぇドイツぅ……」
しかもその高さが相当だ。明らかにおかしい建築。
大きさも凄いし、ていうか普通に建築上手いし。
茶葉「これどんくらいかかったの?」
つぼみ「うーん、数週間?」
茶葉「暇人だなあんた。もっと別にやることあったろ」
つぼみ「えぇ~! せっかく2人の愛の巣を頑張って作ったのに、もうちょっと褒めてよぉ」
茶葉「はいはい凄いね」
つぼみ「雑だなぁ……、まあいいや! じゃあ早速行こう!」
そう言って私たちはお城へ向かって走り出した。
いや、つぼみは走り出した。
茶葉「あの、おなか減って走れません」
つぼみ「あ~! ごめんごめん!」
そういうと、くるっと180度回転してこちらを向いたつぼみが口からステーキを丁寧に1つずつ吐き出した。
いや、いやいやいや、明らかにアイテム投げるときの出る場所おかしいでしょ……!
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