第49話 クリスマス後配信③
つぼみ「そういえば茶葉ちゃんのあの音楽めちゃくちゃ伸びてるよね」
茶葉「そうなの。結構照れるかも」
まだ上げてから1日しか経っていないのだけれど、思ったより多くの人に聞いていただけているらしい。明らかにこの音楽で私を知ったって言う人や、私がバリバリ音楽を上げていたときに聞いてくれていた人とか、そういう人も来てくれているみたい。
事務所のマネージャー目線で見ると、やっぱり動画は界隈の外に届くと伸びる。今回の場合は、不本意ながらVTuberという立場にいる私が音楽の動画を上げ、もちろんながら今は私が属していない音楽の界隈に届いたわけだ。
だから伸びた。急上昇に乗るレベルで伸びた。
玲音「チャンネルの伸びもエグいよな」
茶葉「そうだね。TeaCloudのアカウントも微増しているし、まあこっちのアカウントの方が凄いんだけど」
つぼみ「じゃあ作曲も頑張らないとね」
茶葉「うん。そろそろ新しいマネージャーが来るらしいから、私も時間が出来るしね」
玲音「新しいマネージャーが来たら茶葉さんはやっぱり我らから外れる?」
茶葉「まあそういうことになるね。元々そういう話だったから」
玲音「うぅ、それは寂しいな……」
本気で残念そうに俯いている。
やばい、私求められているんだ! 承認欲求が……!
茶葉「まあ別に一切関わらなくなるというわけじゃないからね」
軽く咳払いをしてからそう言う。あくまでメインのマネージャーから外れるだけで、SunLive.のマネージャーを辞めるわけではない。
つぼみのマネジメント業務は私がメインで行うわけだし。あの社長のことだからきっとVTuberも頑張ってねとか言って来るんだろうなぁ……。
茶葉「ああ、私もついに超社畜から脱出だ」
つぼみ「お疲れ様」
茶葉「……でもSunLive.まだお金がないんだよなぁ……」
玲音「グッズとか作らないのか?」
茶葉「ああ! 良いかも!! 確かに確かに!」
完全に忘れていた。確かにグッズを作らないと。良い感じにSunLive.の2期生の方も知名度が出てきたし、買ってくれる人はいるはずだ。
今回のクリスマス配信でSunLive.の企業としての名前がそこそこ広まった。普段香織しか見ていない人も今回の配信で2期生のみんなを知ってくれたと思う。
ふふふ、一大ビジネスの予感!
まあ、実際どうなるかは年明けにスタッフで話してみないと分からないんだけどね。
玲音「そういえば3期生っていつだ?」
つぼみ「あー、そろそろ募集掛けても良さそうな時期だけどね」
茶葉「う~ん……、ちょっと新しい社員が来るのを待ってからで……」
グッズのこともそうだし、3期生の募集のこともそうだけれど、今のスタッフの人数じゃ明らかに手が足りない。本当に猫の手も借りたい状態だからね。
スタッフの補充が社長曰く冬休み終わってすぐに第1弾があり、春頃には新卒の人が来るとか。事務所は元々大人数になっても大丈夫なように相当な大きさだから、まだ大丈夫。
でもこのペースで増やし続けたら思ったより早く移転かもな。とは言っていた。
コメント
:3期生!
:俺も応募したい
:男性募集はない?
:なんか女性陣の中に男性ぶち込むと炎上しそう
茶葉「そうだね。正直今のところは女性だけで行くかもしれない。というのも、この事務所は私とつぼみの今までの経験を生かしてやっているわけだから、男性ライバーの経験って言うのが皆無なの。
だから1からっていう感じになって双方大変になるって言う予想なのね」
つぼみ「はえー、なんかいろいろ考えてるんだね」
茶葉「あんたも一応役員でしょ……」
その後、なんやかんやで1時間くらい配信をして、盛況のまま配信は終わった。
「3日間ありがとうございました!」
「いいよいいよ! いつでもおっけーだからまた来てね!」
「じゃあ冬休みゆっくり休んで」
「はい!」
現在の時刻は正午少し前。玲音ちゃんはこの時間に家に帰った。こうして事務所の中は私たち2人。
玲音ちゃんを事務所の出口まで送り、階段で私たちの家へと戻る。
リビングを初めとする部屋は、大人組が帰る前にきれいに片付けていったため、ゴミも無く、布団もきれいにしまわれていて片付けるようなところが無い。
「楽しかったね」
「そだね」
あれだけわちゃわちゃとしていた私たちの家は、いつものように戻っただけなのになんだか寂しく見えた。
「はーあ、旅行行きたいけど私まだ仕事なんだよなぁ……」
「まあライバーは休み関係無しで動くからねぇ」
「ブラックだね。やっぱり年のうちどこかしらで長期休暇とかとって貰った方が良いんだろうな」
「まあそこら辺は他の人が冬休み終わったら話してみて~! 私も休み欲しいなぁ!」
「あんたはいつも休んでるだろ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます