第48話 クリスマス後配信②

玲音「いやぁ、でも凄いな! 先輩の服つぼみ先輩が全部やってるだろ?」

茶葉「なんか面白いな」


 玲音ちゃんがキャラを保とうと頑張ってこちらにため口を使おうとしているが、明らかに申し訳ない感情がにじみ出ている。可愛い。

 厨二病キャラでやらないといけないけど、まずもう厨二病は卒業しているし、先輩にオラオラ行かないといけないけれど、先輩を敬う気持ちのせいでそれが出来ない。


茶葉「もう、可愛いなぁ……!」

玲音「ちょ、えぇ?!」


 お姉さんのニヤニヤが止まらなくなってしまったので、優しく頭を撫でる。偉いよ本当に。学校に通いながらこうやって配信していて。


つぼみ「なんか中学生の会話に紛れ込んだみたい」

茶葉「おい! 私社会人だけど!」


 そうやってある程度笑ったあと、流れを新衣装の方に戻す。


茶葉「つぼみは新衣装作るときにこだわった点とかある?」

つぼみ「うーん、結構バタバタやったからあんまりこだわれなかったんだけど、私と茶葉ちゃんがそれぞれ相手の服を選んだらどんな服を着るかなっていうのをイメージして、普段自分であまり選ばないような色の配色にしたりとかかな」

茶葉「あー、たしかに! 普段ならこの服は着ないかも」

玲音「他人から見て合う服にしたって言うことだな」

つぼみ「まあそういうことでもあるね!」


 私は絵が書けないから、こうやって自分の脳内でイメージした物を実際に絵に起こす。見えるような形に起せるというのは凄いと思う。才能だよね。

 香織はさらにそれを自由に動かせるようにするわけだから、天才の域じゃ無いか?


 配信内の私たちは私たちのリアルの動きに沿って動いている。

 香織はいつもふわふわと揺れながら配信をしていて、それがしっかりと表示されている。玲音ちゃんは少し緊張しているのか。硬い表情から時折見せるニコッとした高校生らしい笑顔まで。しっかりと反映されている。

 VTuberって本当に凄い。


 香織が言っていたけど、自分が疲れているときに配信をすると、一部のリスナーはそれが分かるらしい。そういう細かいところが伝わるのも、モデリングであったりデザインを考えてくれる人のおかげなんだろうな。


玲音「先輩っていつから絵を描いてるんだ?」

つぼみ「そうだねぇ、結構物心ついたあたりから描いていると思う。学校の休み時間とかも友達と交流しないで絵を描いていたかな」

茶葉「あー! あったあった! ずっと絵描いてたよね」

玲音「あ、学校一緒なんだな」

茶葉「そそ。ずっと一緒だね」

つぼみ「親が仲良くてね。幼稚園に入る前から遊んでたの。で今も一緒ってわけ~」

茶葉「大分長いよね」

玲音「いや、普通に凄い……」


 もう20年以上も一緒にいるんだもんなぁ……。学校の時とかは明らかに性格も違って、もし初めての出会いが学校だったら関わることも無かったと思う。そうしていたら玲音ちゃんや他の2期生のみんなとも会っていないわけで、運命って凄いなって。

 やべやべ。衣装から大分脱線だね。


つぼみ「ていうかさ! 私はイラストも描くしモデリングもやるからさ、2期生のみんなのパパママと話してみたい!! どうやって絵を描いてるとかさ、そういう会話がしたい!!」

茶葉「すみません。私がダメダメで絵の会話できずに……」

つぼみ「まあ絵はひどいけど、他のところが良いから大丈夫だよ! でもネタミ先生凄いね。多分今回の依頼相当難しかったと思うんだよね~」

玲音「多分な。私っぽさを残して冬服だろ? 大分大変だっただろうなぁ」

つぼみ「細かい所にアクセサリーだったりがあるけど、それが上手く衣装と馴染んでいるんだよね。みていて飽きないって言うか、それでいて派手派手してなくて良いよね」

玲音「わかる! 私これ始めてみたときビックリしちゃって、すげぇ~! ってなってた!」


コメント

:違和感なく冬服だからね

:ネタミ先生マジで好き

:つぼみちゃんも凄いよね。画集とか希望

:【ネタミ】照れる~(/ω\*)……… (/ω•\*)

:VTuberの衣装って細かい装飾が多いイメージ

:つぼみちゃんと茶葉ちゃんの服は割と落ち着いているけど、他は派手派手だよね


つぼみ「あー、私たちの服が落ち着いているのは私の趣味だね。あと派手派手しているのが私っぽくないかなって思って」

茶葉「SunLive.出来る前から見てくれていた人なら知ってるかもだけど、私たち最近までド田舎で生活していてね、お婆ちゃんみたいな生活してたから」

玲音「あぁ! 納得!!」

茶葉「ちょっとまって、何に納得した!?」

玲音「なんか2人と話しているとお婆ちゃん思い出してた!」

「「わ、私たち老けてる!?」」


 まじ!? そんなに老けて見えてたかな?

 やばい気がつかなかった。いや、老けてないと思うんだけどなぁ……。


玲音「いやいや! 老けているというわけじゃ無くて、安心感って言うか、そういうのがね?」

つぼみ「む、難しい……」

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