第42話 クリスマス配信⑬

茶葉「よっしゃぁ! 歌うぞぉおぉおお!!」

朱里「えぇ!? きゅ、急にどうした!?」

つぼみ「限界突破」


 気分はハイ! もうここまで来たらとことん楽しんでやるわ!


茶葉「つぼみ! オレンジジュースちょうだい!」

つぼみ「あいただいま!!」

玲音「??? ちょ、ちょっとまって、ノリが分からんぞ……」

朱里「……半年ROMろうかな」

玲音「ROM? な、なんだそれは」

撫子「朱里ちゃん、それは死語だよ」

朱里「……」


コメント

:カオスだ

:え? ROMるって死語なの?

:グサグサくるな

:草

:カオスすぎる

:おかしくなってるwww


 こうして、私たちの歌配信はカオスの中で始まった。






梓「とりあえず一回落ち着きましょうか」

つぼみ「そうだね。さーて、誰から歌う?」

百合「はいはーい! 私良いですか?」

茶葉「よし、GO!!」


 おのおのドリンクを準備し、盛り上げる用の小道具も準備万端。配信開始から20分が経過したところで、ようやく歌に向けて流れ始めた。

 私も落ち着きを取り戻し、香織に入れて貰ったオレンジジュースをちびちびと飲んでいる。

 ポチポチと機械を操作して曲をセットする百合ちゃん。私も何を歌うか考えておかないと。


百合「じゃあいきまーす!」


 こうして始まった曲は今流行っているJ-POP。

 さすがは流行に敏感な陽キャである。私はこの頃音楽をほとんど聴いていないからなぁ。やっぱりEDMとか好きだけど、さすがにカラオケでそういうの歌うわけには行かないし。

 まあ無難に邦ロックかなぁ……。




玲音「鷹治うまくね!?」

撫子「ほんと! 百合ちゃん上手だね!」

百合「ほんと? ありがとー!」


 高音の出た可愛い歌声。もちろん点数も高い。

 安定して90点を超えている。ビブラートは無いけど、きれいで澄んだストレートの歌声。

 良い! 美しい!


つぼみ「じゃあ、次は私~、あ! ちなみに茶葉ちゃんは最後ね?」

茶葉「ゑ?」


 なぜか私は最後に回されてしまいました。いや、本当になんで?


 まあ、そんな感じで歌配信は幕を開けました。






玲音「じゃあ、次は我が行くぞ!」

朱里「イエーイ! レイチャンカワイイヤッター!」

玲音「おいおい! なんか棒読みだなぁ!!」


 そうして愉快な中始まった玲音ちゃんの曲。テンポのゆっくりな……、あれ? これ童謡?


 まさかの玲音ちゃんの選んだ曲は童謡だった。時々外れる音程、肺活量が足りてないのか、必死になって歌っている玲音ちゃん。

 あぁ、これは可愛い。マジでキュートなんだけど……。


コメント

:かわいい……

:お ゆ う ぎ か い

:幼稚園で草

:萌

:かわいい

:マジで可愛いな

:キュート

:可愛いいいい

:必死で歌ってるの可愛すぎる

:横にゆらゆら揺れてるの良いな……


玲音「――――。……どう?」

茶葉「ンきゃっわぃいいいぃいい!!!」

朱里「あんたかわいいな」

梓「可愛い……」

玲音「え? あ……、ありがと……」


 なんでもじもじするの? かわいいぃい。


 いや、冗談抜きで可愛いな。

 玲音ちゃんは横にちょこちょこ揺れながら頑張って歌っているんだよ。これが高校生? 信じられない。

 合法○リでしょ、合法ロ○! いや、まだ未成年だから違法だね。


つぼみ「茶葉ちゃん、合法○○は茶葉ちゃんだよ」

茶葉「ちょっとまって? え!?」


 え? なんでコイツ私の心の中読んでくるの??


 もういいや。コイツがおかしいことを挙げればいくらでも話が続く。今は歌に集中。

 もう私以外全員終わった。後は順番的に私。

 ちなみに、1期生2期生は歌の方は大丈夫らしい。朗読会を開催する人は居なかった。

 まあ3期生とか4期生になればきっと1人や2人入ってくることになるのだろうけど、今のうちは大丈夫。

 まあ朗読会も立派な個性だし、可愛いからよしっ!


つぼみ「じゃあ! ついに本命茶葉ちゃんでーす!」

百合「本命って?」

つぼみ「むっふっふ~、茶葉ちゃんは歌上手いよ? 私茶葉ちゃん作曲できるから音程バッチリなのよ」

朱里「それは期待だ!」

茶葉「ちょっとまって? 外野で勝手に期待値上げるのやめてくれる?」

玲音「ほら、早く始めて」

茶葉「玲音ちゃん!?」

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