第5話 キャラ決定と顔合わせ
「ということで、今日から
『はい! よろしくお願いします』
2期生が決まった。
今回採用した人数は5人であり、まだうちの会社にはお金がないので、香織も含めて6人のマネジメント業務を私が行うことになる。
……多分寝る時間なくなる。
できるだけ早いこともう2人マネージャーを雇う予定で、その2人が来たら私は香織以外の担当から外れる。
全体の統括マネージャーと言うことになるわけで、相談とかは乗るけれど、直接管理するわけではない。
……まあそれまでは超絶マジ卍で忙しいけどね。
実は既に10人分のキャラクターを作成してあり、誰がどのキャラクターを担当するかを決めていく感じになる。
あまった5つのキャラクターは3期生に回す予定だ。
いつまでも香織1人に稼がせるわけにも行かないため、できるだけ早くデビューさせたい。そういう理由から、申し訳ないけど本人の細かい意向がくみ取れない。
そこは本当に申し訳ない。
まあ、後で新衣装とかで出来るし、設定とかはここから話し合って考えていくから、多分大丈夫だと思う。
それに10個もガワがあればお気に召すものがあるだろう。
「八葉さんはこの中だとどのキャラが良いですか?」
「そうですね……、この知的なキャラが良いです」
「ああ、
他のVの方とも、身バレの可能性がある場合を除いて、できるだけキャラの名前で呼ぶようにしてください」
「わかりました」
「では梓さん、細かい設定を作っていきましょう」
「はい」
こんな感じでそれぞれと相談しながら、5人のキャラクターを決めた。
設定等も練ったのだが、これはもうあくまで設定であり、場合によってはぶっぱしてもかまわない。
設定をまるで無視して面白いということもあるだろうし、それが配信にとってプラスになるならいくらでも変更、無視して貰ってかまわない。
あってないような設定なのでざっくりとだが、名前とともにかいていく。
まずは礼文梓。
知識があり、真面目な感じだ。なかの人も相当学力があるようで、ちゃんとやっていけると思う。
見た目は黒髪でロングだが、少し身長低めと言った感じ。
博識だが少しお茶目みたいな感じの、完全に大人の見た目にはしない感じにした。これならいくらでも設定を破壊できるだろう。
次に
こちらは二次審査の時に厨二病をぶちかましてきた人がなかの人のキャラクターで、もちろん厨二病だ。
黒いショートの髪に、赤い目。目には眼帯で、現実の私と同じくらいの童顔でロリっ子……って! うるさいわ!
本人は随分ご満悦だった。私より年下で、現役高校生らしい。
……おそらく数年後に悶えると思う。ふふふ、楽しみだ。
3人目は
これはもう即決だった。面接で女の子とイチャイチャしたいと言っていたので、下の名前が百合のこのキャラを選んだ。
髪は白色で先ほどの玲音と同じくショート。活発で健康な高校生と言った感じの見た目をしている。
……この子は爆弾を秘めていると思う。確かにキャラにあって陽なのだが、ときどき爆発する。
陽でありながらオタクムーブが出来ると思うので楽しみだ。
4人目は
髪の毛は赤のロング。とにかく服がエロい。黒と赤を基調とした服で、ぼいんぼいんとまでは行かないながらも、良い感じのおっぺぇを持つ
……消して私の癖ではない。どちらかというと、社長の癖で作られたキャラだ。
そして最後の5人目は
氏名ともに秋の七草の植物名で、髪の毛はオレンジ色。服は真っ茶っぽい濃いめの緑を主とした感じだ。
おっとりキャラで、放っておくと一生縁側に座って外の景色を見てそうな、そんなキャラクターだ。
こんな感じで、結構バランスが良くなったと思う。
ただ1人の1期生である桜木つぼみに合わせ、梓、柊、百合、鬼灯、桔梗に撫子と全員の氏名に植物に関連したものが入っている。
これは桜木つぼみこと香織が孤立してしまわないようにするためのものだ。
「いやぁ、全員そろったね」
「そうだな」
「ていうかさ、みんなキャラ名で呼ぶってことは、私もキャラ名?」
「そうなるね。よろしくつぼみ」
「よろしく茶葉ちゃん!」
「えぇ!? 私も!?」
「え? そうでしょ普通に考えて」
「私裏方だが?」
「キャラあるじゃん」
「まあそうだけど」
そんな感じで、香織改めつぼみと呼ぼう。
そうなったのだが……。
数日後。
「ねーえ、やっぱり香織ってよんで?」
「え? どうして?」
「むー、なんか距離があって嫌だ。だって呼び間違えとかしないでしょ? 慣れてそうだし」
「まあ、それはそうだけど……」
「じゃあ改めてよろしく、汐ちゃん」
「はぁ、わかったよ。よろしく香織」
呼び間違えには気をつける。
ただ、一応みんなが居る場所や、オフィス内ではそれぞれつぼみ、茶葉ちゃんと呼ぶことで落ち着いた。
凄いわかりにくくなりそうだ。
まあ、以前から配信を着けているときはそれぞれキャラの名前で呼んでいたし、ほとんど変わりはないので大丈夫だ。
「あ、初めまして。私、桔梗撫子です」
「どもども、私鬼灯です~。よろしくお願いします」
ということで、今日は2期生の顔合わせだ。
全員でオフィスに集合して、デビューの順番などを打ち合わせる会だ。
私は三次審査の時に居なかったので、実際に合うのがこれが初めてになる。
私はマネージャーとして進行を行うことになる。
会社内で、タレント関係のことは私が主導で行うことになっているため、今後はこういった会議の進行を行うことが増えるだろう。
まあ、あまりタレントが集まって会議をすることはないだろうけどね。
「みなさんそろってますか?」
「「「「「はい!」」」」」
「みなさんトラブルなく集まれたようで、よかったです」
「あ、あの!」
「はい。鷹治さんどうされました?」
「えっと、つぼみさんと茶葉さんって今オフィスにいらっしゃいますか?」
ん? 香織はともかく私まで?
あ、そういえば私浅海汐って自己紹介してるから、みんな私が茶葉ってこと知らないのか。
ていうか鷹治さんに言われると狙われてる感あってちょっと怖いな。
「あー、いますよ。つぼみは今寝てると思います。茶葉は――」
そう「茶葉は私のことです」と言おうとしたら、全員集まっているはずなのにもかかわらず、なぜか会議室の扉が開いた。
「あ、やってるやってる! どうもみんなこんにちは! わたしは桜木つぼみです!」
「「「「「こんにちは!」」」」」
「つぼみ! 来なくて良いって言ったのに!」
「えぇー、茶葉ちゃんのお仕事姿見ようと思って」
「え? 茶葉ちゃん?」
「あれ? 聞いてないの? 彼女が茶葉ちゃんだけど」
「え? マネージャーさんじゃなくてですか?」
「え? マネージャーだよ?」
「「「「「「???」」」」」」
「はぁ、すみません本当に。ちょっと説明します」
「ぷぷっ、やっぱり茶葉ちゃんが敬語なのちょっと面白い」
「うるせぇ! お前は黙っとけ!」
「あ、本当に茶葉ちゃんだ!」
百合さん、さすがにそこで判断するのはどうかと思うんですが……。
まあそんな感じで、今人手が足りなくてこんなことになっているって言うことを説明した。
「まさかマネージャーさんが茶葉ちゃんだったなんて」
「一気に親近感出ましたね」
「私、茶葉ちゃんのファンだったんですよ!」
そんな感じでなぜか盛り上がった。
まあこれはこれで緊張が砕けて良かったのかなと思う。
「まあ、いつまでもたらたらしていたら怒られちゃうんで、早速始めます」
「「「「「よろしくお願いします」」」」」
「よろしくお願いします!」
「つぼみ、なんでいるんだ?」
「えぇー、アドバイサーだよ~」
「……わかったよ。じゃあちゃんとしてろよ?」
「はーい」
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